【増刷決定】ノーベル化学賞2020受賞! 「CRISPR-Cas9(クリスパー・キャス9)」。ゲノム編集入門書のロングセラー『ゲノム編集の衝撃  「神の領域」に迫るテクノロジー』

株式会社NHK出版のプレスリリース

2020年10月、ゲノム編集の新手法であるCRISPR-Cas9が、ノーベル化学賞を受賞したことを受け、NHK出版刊行『ゲノム編集の衝撃』の重版が決定しました。また増刷に合わせ、同書を執筆した取材班への緊急インタビューもWEBマガジン「本がひらく」にて公開いたします(https://nhkbook-hiraku.com/n/nfd874574b9a5)。

『ゲノム編集の衝撃』は、2014年から2016年にかけて、国内外のゲノム編集の第一人者に取材を敢行し、その成果をまとめたものです。山中伸弥iPS細胞研究所所長が「この25年の中で、おそらく最も画期的な生命科学技術」(『ゲノム編集の衝撃』序文より)と評したゲノム編集の画期性、問題点をわかりやすく整理しています。

農水畜産物の品種改良、根治できないとされてきた難病治療への応用、遺伝子組み換え食品とゲノム編集食品の違い、デザイナー・ベイビーという新たな課題――。

もちろん、CRISPR-Cas9の複雑なメカニズムも図解しながら、丁寧に解説。科学ジャーナリスト賞2017年を受賞した、いまなお読み継がれるゲノム編集入門書のロングセラーです。

今回のノーベル化学賞受賞を受けて、本書の重版を決定しました。また編集部では、『ゲノム編集の衝撃』を執筆した取材班の1人、NHK報道局 科学・文化部の松永道隆デスク(執筆当時は広島放送局ニュースデスク)にインタビューを行いました。インタビューは、NHK出版WEBマガジン「本がひらく」(https://nhkbook-hiraku.com/n/nfd874574b9a5)で、11月6日に公開予定です。

●「CRISPR-Cas9」のノーベル賞受賞について

2020年10月7日、日本時間午後7時、スウェーデン・ストックホルムの王立科学アカデミーが、ノーベル化学賞の受賞者を発表しました。受賞したのは、フランス出身でドイツのマックス・プランク感染生物学研究所のエマニュエル・シャルパンティエ所長と、アメリカ出身でカリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・ダウドナ教授の2人。ともにゲノム編集の新手法、CRISPR-Cas9を開発した研究者です。

はじまりは、この2人の研究グループが、2012年6月にScience誌のホームページに発表した論文「A programmable dual-RNA-guided DNA endonuclease in adaptive bacterial immunity」でした。
 
「生命の設計図」と呼ばれる遺伝子を編集するかのように扱うゲノム編集。2人が発見・開発したCRISPR-Cas9によって、この技術はまったく新しい段階に入りました。以前よりはるかに「簡単に」「安価に」「正確に」、そして、原理的には「すべての生物の遺伝子を」変異させる、あるいは別の遺伝子を加えることができるようになったのです。

細菌には、「CRISPR」と呼ばれるDNAの特徴的な繰り返し配列があることが知られていました。2人はこれがバクテリアの免疫システム――ウイルスに感染されたときに、ウイルスを攻撃する仕組み――の重要な一部を構成していることを突き止めました。CRISPRの中にウイルスなどのDNAの配列の一部を取り込んでいて、同じウイルスが再び感染を起こしたときに、CRISPRが、そのDNA配列を目印に「Cas9」という酵素を使って、ウイルスのDNAを切断して感染を防いでいたのです。そして、このCRISPRとCas9の機能を応用して、人工的にねらったDNA配列を切断する手法が示されました。つまり、ゲノム編集のツールになることを証明したのです。

その後、アメリカ・ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の共同研究機関であるブロード研究所のフェン・チャン教授の研究チームが、CRISPR-Cas9がヒトや動物の細胞でも働くことを証明。技術としての可能性や汎用性が示され、CRISPR-Cas9の本格的な応用が始まっていきました。2012年の発表からわずか2年で、世界中でCRISPR-Cas9を使った実験が行われるようになり、2015年時点で、ノーベル賞の有力候補として噂されるまでになっていました。これほど短期間に大きな注目を集め、普及した生命科学技術は極めて珍しいと言えるでしょう。

●『ゲノム編集の衝撃』が科学ジャーナリスト賞2017を受賞!

本賞の主催である日本科学技術ジャーナリスト会議は、受賞理由として、「『ゲノム編集』の将来性をいち早く見抜いて、早くから海外取材にも取り組み、この技術が社会に及ぼす計り知れない影響について、分かりやすくまとめた好著である。著者の素朴な疑問を積み重ねていく取材態度がとりわけ高く評価された」としています。

 
●目次
序文「ゲノム編集とiPS細胞――人類の未来のために」 山中伸弥
はじめに
第一章 生物の改変が始まった
第二章 ゲノム編集、そのメカニズム
第三章 起爆剤、クリスパー・キャス9~爆発的広がりをアメリカに追う
第四章 加速する「ゲノム品種改良」
第五章 超難病はゲノムから治せ
第六章 希望と不安のはざまで~困惑する研究現場
おわりに
インタビュー「ライフ・サイエンスの先端をいくために」 山本卓

●著者情報
NHK「ゲノム編集」取材班 著
NHK大阪放送局と京都放送局で、2014年秋にプロジェクトチーム(東條充敏、松永道隆、宮野きぬ、野呂晋一、山下由起子を中心とする)を編成、ゲノム編集についての番組を制作。2015年7月に放送された「クローズアップ現代」の「“いのち”を変える新技術 ~ゲノム編集 最前線~」は、大きな注目を集めた。

●商品情報

発売日    2016年7月27日
価格     定価:1,404円(本体1,300円)
判型     四六判
ページ数   224ページ
商品コード    0081702
Cコード         C0040(自然科学総記)
ISBN 978-4-14-081702-5
URL https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000817022016.html
https://www.amazon.co.jp/dp/414081702X/

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