TOKYO FMのプレスリリース
TOKYO FMでは、11月15日（日）19時00分～19時55分に、特別番組『Positive～コロナとホテルとラインチャット～』を放送します。新型コロナウイルスに罹患し、療養ホテルに隔離された人々による匿名チャットでのやりとりを、小説家・小川哲の脚本によってラジオドラマ化し、専門家への取材とともに特別番組としてお届けします。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界中が生活様式を変えざるを得なくなった2020年。日本中でも、陽性反応が出た人への風当たりやハラスメントが続出し、社会問題となりました。この番組では、新型コロナウイルスが巻き起こした様々な分断を、陽性者の療養施設となった都内ホテルを舞台にしたラジオドラマを軸に検証し、さらに医師、社会学者、そしてコロナ罹患者の証言を交えて、ポジティブという言葉がはらむ日本のこれからを問いかけます。ドラマ脚本は、『ゲームの王国』で第31回山本周五郎賞受賞し、『嘘と正典』で第162回直木賞候補となった新進気鋭の小説家、小川哲が担当します。
＜あらすじ＞
左：辻しのぶ 右：藤間爽子
2020年4月の中旬、緊急事態宣言が発令された東京都では、医療崩壊を防ぐため、病院に入りきれないコロナ軽症者を隔離するために、宿泊療養という制度がスタートした。軽症者の彼らは、 PCR検査で2回連続して陰性になるまで退所できない。主人公の女性も、都内のビジネスホテルに連れてこられ、不安になる。部屋の外に出ていいのは、1日3回の弁当の配給時のみ。不安な心持ちを持っていたある日、エレベーターの中に小さな付箋が貼られているのに気づく。そこには「療養者の皆様、匿名チャットで繋がりませんか？」という言葉と匿名チャットのURL。
左：玉置玲央 右：山崎一
そこにアクセスすると、陽性患者同士の極めて前向きな（＝ポジティブ）な言葉が溢れていた…医療従事者の人、法律家、IT企業の人、主婦…LINEチャットの中には様々な人がいた！…この物語は、2020年4月に、東京にある『とある療養ホテル』の中で起きた、本当の話。陽性患者たちのラインチャットを元にした、ドキュメンタリードラマです。
療養ホテル内のエレベーターホールに貼られたチャットの案内。ホテル室内 のメモに書かれている。
◆不安の中で人々の思いが交錯するチャット…医師・社会学者・ホテル退所者への取材も。
この番組では、ラジオドラマに加えさまざまな視点からの取材も放送します。医師からの視点として、国立国際医療研究センター・国際感染症センター長の大曲貴夫氏、國學院大學教授の水無田気流による療養ホテル内の人々のコミュニケーションにおける社会学的見地、そして「療養ホテルを退所した人」への追加インタビューから見る「療養ホテルのチャットとはどのようなものだったのか」を、浮き彫りにしていきます。なお、このドラマの中に出てくる登場人物の一人はこの番組の制作スタッフであり、番組の発起人である人物。スタッフ自らが療養ホテル内で体験し感じた事実をもとに、小川哲が脚本を制作しました。
PCR検査用の試験管。療養ホテルを退所するには、2日連続で陰性反応が出る必要がある。
2020年4月24日療養ホテルの中から外を撮影
- 【番組概要】
タイトル： TOKYO FM特別番組
『Positive～コロナとホテルとラインチャット～』（令和２年度文化庁芸術祭出品作品）
放送日時： 2020年11月15日（日） 19:00～19:55
放 送 局： TOKYO FM
出 演 者： 藤間爽子、辻しのぶ、山崎一、玉置玲央
ドラマ脚本：小川哲
インタビュー取材：大曲卓夫（国立国際医療研究センター・国際感染症センター長）
水無田気流（國學院大学教授）
匿名チャットの中の人たち
番組ホームページ： https://www.tfm.co.jp/positive/
