株式会社蔦屋書店のプレスリリース
カルチュア・エンタテインメント株式会社と株式会社蔦屋書店が主催する映像企画とクリエイターの発掘プログラム「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2020(以下、TCP)」の最終審査会イベントを11月19日(木)に神田明神ホールにて開催し、脚本部門 グランプリが『バトリーヌ!(仮)』藤田 健司(東京大学3年生)、脚本部門 審査員特別賞が『三人の柄本明(仮)』安倍 照雄(脚本家)に決定いたしました。なお、監督部門および企画部門ともにグランプリは該当がありませんでした。なお、イベントのダイジェスト映像が「TCP」のYouTube公式チャンネルにて配信となりましたので、お楽しみください。
- TCP2020最終審査会ダイジェスト映像
また、最終審査会には特別ゲストとして女優・土屋太鳳さんと渡部亮平監督を招き、映画『哀愁しんでれら』トークイベントを開催いたしました。土屋さんが主演を務める2021年2月5日(金)より公開となる映画『哀愁しんでれら』は、「TCP2016」グランプリ作品です。
- 受賞者からのコメント
・脚本部門 グランプリ『バトリーヌ!(仮)』藤田 健司(東京大学3年生)
「僕はまだ実績とかなくて、まだまだ未熟ですが、選んでいただいたからには精一杯、映像化に向けて頑張って行きたいと思います。」
・脚本部門 審査員特別賞『三人の柄本明(仮)』安倍 照雄(脚本家)
「私のオリジナルが本当に面白いのか自分でもわからない気持ちでやっているんですけど、面白がってくださって、評価してくださったことが励みになります。これからもいいシナリオを書き続けて、脚本家として歩いて行きたいと思います。」
- 最終審査員からのコメント
・増田 宗昭(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 代表取締役会長兼CEO)
『TSUTAYAは1983年、今から37年前に、「映画や音楽のもつ力で、様々な世界観を若い方たちが体感したら、その人の生き方のオプションが増え、自由に生きるための幅を広げられるのではないか」と考え、ライフスタイルのコンテンツを提供するために創業しました。
当時は日本にビデオメーカーがなかったため、アメリカのビデオレンタル商品を700本仕入れて、1本1500円で貸し出しました。字幕もついていないVHSでしたが、多くの人が当時の様々な作品を自宅で家族と鑑賞し、さまざまな会話が生まれ、たぶん人の生き方を変えたと感じています。
今日のみなさんのプレゼンテーションは、今の時代、地球規模でコンテンツが流通する時代において、僕らしかできない、TSUTAYAが応援するからこそできるコンテンツはどれか、という視点で見させてもらいました。そういう点では、大学生が作った脚本が実際の映画になる、というのは、TCPならではのことだと思います。
人を元気にし、夢を与えるような、特にプレミアエイジ(50歳以上の大人たち)が元気になるコンテンツができたら、それは世界共通のコンテンツになるし、ぜひそういう作品を世に出していきたいと思っています。』
- 「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」:http://top.tsite.jp/special/tcp/
■映画『哀愁しんでれら』トークイベントレポート
TCP2016でグランプリを獲得する以前から自主制作で映画を作り、商業映画やドラマで脚本を書いていたが、自身の監督企画を形にすることができなかったときに、第1回のTCPを知り、第2回に応募したという渡部監督。幸せを望む普通の女性が徐々に狂い、世間を震撼させる事件を起こしてしまう女性・小春(土屋)の姿を描いた本作の着想を得たきっかけを聞かれると「小さな日常を自分が感じる中で、“運動会をやり直せ”と校長先生に突きつけて逮捕されてしまったというニュースを見たときに、すごくバカバカしいニュースだけど、すごく愛があるなと感じてしまって、そこに至るまでの両親たちのドラマがすごくあると思って、そんな行き過ぎた家族愛を“そっち側”の目線に立って描いてみたらどうなるのかなって思ったのがきっかけです」と説明。
また、渡部監督は土屋に主演オファーを3回も断られても、なお猛アタックしたそうで、土屋は本当に3回も断ったのか尋ねられると「はい、断りました」とキッパリと答えて笑いを誘い、出演を断った理由についてはネタバレしてしまうことから、出演を決めた理由を追求されると「理由は2つあるのですが、1つ目は大悟というすごく重要な役を田中圭さんがやられると伺って、圭さんの大悟を小春として見たいと思ったのが直感的な思いでした。もう1つは4回目に私の前に台本が来たときに、小春が『誰か私を見つけて。この感情を伝えてほしい』という迷子のような気持ちで泣いている感覚があって、これは受けさせていただいたほうがいいなと思いました」と打ち明けた。
渡部監督は、3度も断れても小春役は土屋がいいと思った理由を聞かれると「ほかにオードリー・ヘップバーンくらいしか思い浮かばないくらいで(笑)、脚本を直して時間が経ったときに、あるミュージックビデオを見て、土屋さんの表現力の高さに驚いてしまって、しかもすごいものを秘めていそうで、それをこの映画で出してくれたらパワーがこもった映画になるんじゃないかなと思ったので、ほかの人は考えられませんでした」と答え、土屋は「ありがたいなと思います。こういったエキセントリックなストーリーは、10代後半のときにやっていたので、物語に対して変な気持ちを持たずに監督の台本で走ることができたかなと思います」と語った。
また、そんな土屋を演出しての感想について渡部監督は「いつも違う表情を見せてくれて、それにいつも感動していました。ひとりで“やった!”って思いを心の中に持っていた気がします」と回顧し、逆に、原作のない渡部監督のオリジナル作品で演じることについて土屋は「ドラマだったら先が見えないので逆算がしづらいんですけど、映画でオリジナルということもあったので、“こうもあるんじゃないか、あれもあるんじゃないか”という風に自由な感覚はありました」と吐露した。
さらに、共演した田中圭について土屋は「すごい方で面白い方でした」と目を輝かせ、「すごいなと思ったのは、豹変する…言っていいのかな、これ?」とネタバレに慎重になりつつ、「表現力が素晴らしくて、子役のCOCOちゃんにはつらい物語なので、現場がシビアになったらうまくCOCOちゃんの気分を上げたり、見守っていたり、そういう姿勢に感動しました」と絶賛。続けて、面白い部分については「ラブシーンがあるんですけど、マネージャーさんが撮った動画を見て『俺、ここまではかっこよかったんだけど、ここからかっこ悪くなってる』って言っていて、『大丈夫なのかな』ってずっと気にしていらっしゃって、すごく和みました」と笑顔交じりで話した。
そして、同トークイベントでは『哀愁しんでれら』の本ビジュアルも初公開され、同ビジュアルに書かれている“シアワセすぎる”というキャッチコピーにちなみ、幸せすぎる瞬間を聞かれた土屋は「私の弟が犬を飼ったんですけど、その犬を見るために家族が集まるようになって、それはすごく幸せだなと思いました」と頬を緩めた。
- 最終審査会ファイナリスト(企画名・名前・職業・作品あらすじ※登壇順・敬称略)
□脚本部門
・『非常の際には、ここを破って(仮)』煙山 夏美(脚本家)
「チヨ子は、他者との間に壁を作り、孤独の中に安息を得て生きている。しかし、その壁を容易に飛び越えてくるコミュ力モンスターな隣人が現れ、長年築いてきたチヨ子の心の壁は激しく揺さぶられる。その振動は、同じく孤独を抱える近隣住民にも波及していきーー。「壁」の向こうに、チヨ子が見つけるものとは。」
・『三人の柄本明(仮)』安倍 照雄(脚本家)
「俳優・柄本明は、小さな町を目指して電車に揺られていた。ライフワークである一人芝居『エドマンド・キーン』の舞台に立つためだ。それに合わせて、柄本と瓜二つの詐欺師・牛尾がやって来て寸借詐欺を始める。さらに柄本を俳優として堕落したと決めつける青年が柄本を拉致しようとするが、さらったのがそっくりの牛尾だった…。」
・『バトリーヌ!(仮)』藤田 健司(東京大学3年生)
「人前が苦手な優しいアニオタ男子・濱野(18)と、毒舌の生粋女子ダンサー・ひな(18)。アニソンダンスを完コピする濱野を、ひなが盗撮したことから全ては始まった——。あれよあれよと2人はアニソンダンスバトルにチームで出場することに。練習でも本番でもぶつかり合う2人は、人々の「好き」が詰まった熱い舞台で勝ち上がることができるのか?」
□監督部門
・『結婚結婚うるせえな(仮)』篠田 知典(映像ディレクター)水川 史也(クリエイティブ職)
「バンドを続けながら、アルバイトとして生計をたてている主人公けいいちはある日、結婚を迫る恋人由里子と別れてしまう。けいいちはそれを見ていた独身男を憎む幽霊のモエカに取り憑かれてしまい、殺されそうになるも、1年以内に結婚するという条件で二人の奇妙な共同生活が始まって…?」
・『10歳、ぼくのじんぎ(仮)』角田 恭弥(映画監督・助監督)加藤 毅(プロデューサー)
「同級生をイジメることを日課にしている呉服問屋のひとり息子。そんな少年の前に現れたのは、京都中を震え上がらせた元ヤクザだった。少年はその男とぶつかり合いながらも、男の生き方を学び大人へと成長していく。ひと夏の強烈な出会いと成長の物語。」
※監督部門 松本花奈(映画監督)は最終審査を棄権しました。
□企画部門
・『SEXY OLD MAN―或る老人の秘密―(仮)』鈴木 常泰(クリエイティブ職)
「妻を献身的な介護の末に看取った78歳の服部平八郎は、息子によって住んでいた家を売られ、高齢者住宅施設への入居手続を進められてしまう。妻が愛していたこの家を失いたくない――金も仕事もない平八郎は、年齢不問、高収入、未経験者大歓迎のバイト募集の広告を見て連絡すると、そこはアダルト映像制作会社だった…。」
・『ぼくを与える(仮)』よよ(Webデザイナー・脚本家)
「人間の男だけを食う山姥の唯一の生き残りである少女は、16歳になると生殖期を迎え、まぐわった男を食して子を産み、自らも山の栄養となって短い生涯を終える。そんな宿命を背負った少女に恋をした一人の少年。二人の魂の交流を美しくも残酷に描く。」
・『推しが総理になりました。(仮)』瀬戸 菜有里(ライター)
「現在の政治に疑問を持つ堅物な女性国会議員が、国民的人気から総理にまでなってしまったアイドル総理とともに、良い政治とは何かを模索していく政治エンタテイメントです。」
- 最終審査会審査員(五十音順、敬称略)
・小川 真司:株式会社ブリッジヘッド 代表取締役プロデューサー
代表作品『浅田家!』(20)、『ノルウェイの森』(10)、『ピンポン』(02)
・久保田 修:C&Iエンタテインメント株式会社 代表取締役社長プロデューサー
代表作品『のぼうの城』(12) 、『NANA』(05)、『ジョゼと虎と魚たち』(03)
・瀬戸 麻理子:エイベックス・ピクチャーズ株式会社 プロデューサー
代表作品 劇場版『きのう何食べた?』(21) 、『さよならくちびる』(19)、『溺れるナイフ』(17)
・山内 章弘:東宝株式会社 映画企画部長 プロデューサー
代表作品『TRICK』シリーズ、『シン・ゴジラ』(16)、『アイアムアヒーロー』(15)
・増田 宗昭:カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
株式会社蔦屋書店 代表取締役社長 兼 CEO
・中西 一雄:カルチュア・エンタテインメント株式会社 代表取締役社長
- 「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」について
「創りたい映画の企画があるがどう実現すれば良いのか分からない」「撮影した作品の提供先がない」といった映画ファンやクリエイターたちのアイデアや希望を形にすることを目的に立ち上がったプログラム。プロ・アマ問わず募集した企画の中から受賞した作品を映画化するためにTSUTAYAが総製作費・制作体制のバックアップをします。
・公式サイト:http://top.tsite.jp/special/tcp/
・公式twitter:https://twitter.com/TCP_staff
・公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCe1XzSpfP_u7Ty3sNoeaGfg/featured
- TCP受賞作品 公開済/公開予定作品
・2018年
中江和仁監督『嘘を愛する女』(第1回グランプリ)
片桐健滋監督『ルームロンダリング』(第1回準グランプリ)
・2019年
箱田優子監督『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(第2回審査員特別賞)
ヤングポール監督『ゴーストマスター』(第2回準グランプリ)
・2020年(11月13日(金)公開)
兼重淳監督・土橋章宏脚本『水上のフライト』(第3回審査員特別賞)
・2021年
2月5日(金)公開予定:渡部亮平監督『哀愁しんでれら』(第2回グランプリ)
春公開予定:加藤卓哉監督『裏アカ』(第1回準グランプリ)
- 協力企業
□株式会社IMAGICA Lab.
所在地:東京都品川区、代表取締役社長 大林克己
https://www.imagicalab.co.jp/
□ドルビージャパン株式会社
所在地:東京中央区、代表取締役社長 大沢幸弘
https://www.dolby.com
※Dolby、ドルビー、およびダブルD記号は、アメリカ合衆国と/またはその他の国におけるドルビーラボラトリーズの登録商標です。