株式会社WOWOWのプレスリリース
おなじみイングランド、フランス、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、イタリアの欧州6カ国にジョージアとフィジーの2カ国を加えて開催されているラグビー8か国対抗戦「オータム・ネーションズカップ」。
WOWOWで全試合放送中のこの大会も11月をもって第3節まで終了し、残すは最終節となる12月第1週の、優勝決定戦を含む順位決定戦のみとなった。
最終節はグループAとグループBの同順位のチームが順位決定戦で対戦する。それを前に、第3節では全チームのグループ内順位が確定。グループAはイングランドがウェールズに勝利し1位通過を決めた。
この一戦の中継にはラグビーワールドカップ2019日本代表のSO松田力也選手(パナソニック ワイルドナイツ)が出演し、元日本代表の大西将太郎さんとともに試合を解説した。そして放送終了後、今回の2カ国をはじめとする各参戦チームの印象や大会全体の感想、優勝予想などに加え、開催まで3年を切ったラグビーワールドカップ2023フランス大会への思いなどをうかがった。
──ゲスト解説、お疲れ様でした。まずはウェールズvsイングランドの感想をお願いします。
「テストマッチの解説は初めてでしたので、今はほっとしています(笑)。なかなか経験できないことですし、今回すごくいい機会をいただけました。普段の試合やミーティングでも相手が理解しやすいように言葉で伝えていますので、今回の解説にも多少は活かせたのかなと思います」
──放送終盤で「試合がしたくなった」とおっしゃっていましたね。
「本来であれば日本代表がオータム・ネーションズカップのピッチに立って試合ができていたかもしれないので、現状と照らし合わせて考えると『いい機会だったのに残念だ』という思いは正直あります。ただ、参戦できなかった一方で体の準備はしっかりできているので、その時間が取れたことは良かったと思っています」
──今回のウェールズvsイングランドで特に印象に残った選手をお願いします。
「放送ではイングランドのPRマコ・ヴニポラ選手をTIP(Today’s Impact Player)に挙げましたが、自分のポジション柄、普段からゲームメイクの面を見て学んでいますので、やはりイングランドのSOジョージ・フォード選手とCTBオーウェン・ファレル選手をよく見ていました。彼らがいたからこその勝利だったと思います」
──同い年のイングランドLOマロ・イトジェ選手にも以前から注目されていたそうですね。
「同じ世代の選手ががんばっているのを見ると、自分ももっとやらないといけないと思いますし、本当にいい刺激をもらえています。彼はこの試合でもすごく運動量が多く、要所要所でいいプレーをしていたので、あらためていい選手だなと感じました」
──イングランドとは2018年にトゥイッケナム・スタジアムで対戦しています。当時の思い出はありますか?
「対戦した当時、イングランドは日本代表をあまり対等に見ていない雰囲気がありました。しかし前半いい勝負をしたことで(15-10で日本代表がリード)、後半は一気に本気モードで来ました(15-35で敗戦)。僕が出てからトライを取られましたし、この試合はリザーブだったCTBオーウェン・ファレル選手にタックルされターンオーバーされてしまったこともよく覚えています。次の対戦からは日本を対等に見てくれるといいですし、日本もそういう位置まで来ていると思いますので、いつかリベンジできる時が来ればいいなと思っています」
──ヨーロッパには他にも有能なSOが数多くいますが、特に注目しているSOは誰でしょうか?
「アイルランドのSOジョナサン・セクストン選手です。すべてのプレーが堅実で、今どのプレーが最適かということを常に正確に判断し選択しているプレーヤーだと思います。チームに必要とされている信頼感のある存在なので、自分もそうなりたいと考えています。昨年のワールドカップで直接対決できれば肌で感じることもあったと思いますので、ぜひ対戦したかったですね」
──フランスの若き司令塔、SOロマン・ヌタマック選手についてはいかがでしょうか?
「自分とはタイプの違うSOです。彼のような一瞬のひらめきのような判断やプレー選択は、僕は正直あまりできません。同じパナソニックのSO山沢拓也はヌタマック選手のように裏にキックを蹴って一人で走るなど、似ている部分がありますね」
──昨年のワールドカップではアイルランド、スコットランドと対戦されました。あらためてそれぞれの印象をお願いします。
「アイルランドはどの選手も意識、精度ともに高いチームです。スコットランドもそれに近く、かつ9番(SH)、10番(SO)、15番(FB)の縦のラインが自由に動いているイメージですね。そしてどちらのチームにも共通しているのはFW、セットプレーに重きを置いているという点だと思います」
──フランスについてはどのような印象をお持ちでしょうか?
「若い選手が引っ張っていて、今すごく勢いがあるチームだと思います。経験を積んでいけば対戦相手にとってさらに脅威になってくると思います。日本代表も若い世代がチームを引っ張っていけるようにならなければと考えていますので、フランスからは非常にいい刺激をもらっていますね」
──松田選手自身も日本代表を引っ張っていきたいと考えているわけですね。
「はい。やはりそうなっていかないとチームの底上げにつながらないですし、みんなで刺激し合えるようになっていくことが大事だと考えています」
──大詰めを迎えたオータム・ネーションズカップ、優勝決定戦はグループAからイングランドが勝ち進みました(グループBはインタビュー後の試合結果によりフランスが1位通過)。優勝の予想をお願いします。
「今回の試合を見る限り、もっと精度高くプレーすることができればイングランドが勝つのではないでしょうか。ただ、個人的には若い世代ががんばっているフランスに勝ってほしいと思っています。フランスが勝てばさらに自分にプレッシャーがかかって、モチベーションが上がると思いますので、期待しています」
──ワールドカップから早くも1年以上が経ちました。今振り返って、どのような大会だったと思いますか?
「自分にとって非常に大きな財産になった大会でした。チームにとっても国にとってもいい結果になりましたが、僕個人としてはうれしさと悔しさが半々の大会になりましたので、その悔しさを2023年のワールドカップにつなげたいと思っています」
──その「悔しさ」とは10番、すなわち正SOとして出場できなかったことへの悔しさでしょうか?
「そうですね。やはり10番、チームの中心として日本代表を勝たせたいという思いを強く持っています」
──2023年のラグビーワールドカップフランス大会については、今どのように見据えていますか?
「時間があるようで、あっという間に大会がやってくると思うので、1試合1試合、1日1日を大切にしていきたいと思います。成長に近道はありませんので、階段を1段ずつ上がっていくだけだと考えています」
──2023年に日本代表の10番を背負うために必要なことは何だとお考えでしょうか?
「もっとゲームを理解して、ゲームをコントロールするだけの力を付けるために経験を積んでいきたいという思いを強く持っています。そのためにも、新年1月開幕のトップリーグでいいパフォーマンスをし続けたいと思っています」
オータム・ネーションズカップを通じてヨーロッパの強豪チームの現在地、そして特にチームの司令塔たるSOの実力を目の当たりにし、刺激をもらっているという松田力也選手。
最終週の優勝決定戦、順位決定戦の激闘は、松田選手をはじめとする日本代表たちのモチベーションを最大限に引き上げることになるだろう。試合や順位を問わず、随所に見られる世界最高峰のプレーの数々をぜひWOWOWでご覧いただきたい。
◆◆◆WOWOW番組情報◆◆◆
★『ラグビー8カ国対抗戦 オータム・ネーションズカップ』
・<7位決定戦>「ジョージアvsフィジー」
【放送日】12/5(土)夜8:45〜[WOWOWライブ] ※生中継
・<3位決定戦>「アイルランドvsスコットランド」
【放送日】12/5(土)夜11:00〜[WOWOWライブ] ※生中継
・<5位決定戦>「ウェールズvsイタリア」
【放送日】12/5(土)深夜1:30〜[WOWOWライブ] ※生中継
・<優勝決定戦>「イングランドvsフランス」
【放送日】12/6(日)深夜0:05〜[WOWOWライブ]
※12/6(日)夜10:45〜[WOWOWメンバーズオンデマンド]にて先行ライブ配信
■その他の番組情報は、WOWOW番組オフィシャルサイト(wowow.co.jp/rugby)へ!
https://www.wowow.co.jp/sports/rugby/