株式会社朝日新聞出版のプレスリリース
朝日新聞出版のPR誌「一冊の本」の人気連載、爆笑問題・太田光氏による「芸人人語」がついに単行本になりました。「芸能界の薬物」「表現の自由」「大衆とテレビ」から「女帝とコロナ」「戦後レジーム」「菅首相誕生」まで、話題となった出来事を取り上げながら、「言葉」「罪」「芸術」「社会」「日本」について様々な角度から記したコラム集です。いじめも政治も漫才もコロナも相方の田中も、世の中のあらゆる事象は、すべてつながっている――。朝日新聞「天声人語」よりも長くて深くて、切れ味鋭い!渾身の20編です。
「芸人人語」は、2019年4月号の連載当初から注目を集め、19年5月12日付「毎日新聞」読書面、19年5月13日付「朝日新聞」一面「折々のことば」にも取り上げられました。
「いじめ」「事件」「政治」「芸能」「文化」など様々なテーマを、太田光氏が忖度なしで論じます。
珠玉の言葉にあふれた一冊、そのほんの一部を紹介します。
・「人の未熟さを笑わない」「未熟な人をバカにしない」という声高な宣言は、「未熟な人に共感しない」という表明でもあり、「人の失敗を許容しない」という宣言でもある。(「五 芸人」より)
・私自身は、今自分が思春期の少年だったら、とても耐えられないだろうと想像するのは、ネットに氾濫する悪意を込めた「言葉」だ。不用意に発せられる言葉は、発した人間が思っている以上に相手と自分を傷つける。「言霊」だ。肉体的な暴力とは別に、心がどれほどの傷を負ったかは、目に見えたり数値化出来たりするものではない。(「六 表現」より)
・「共感」「優越感」「嘲り」「軽蔑」「尊敬」「驚き」「安心」「不安」「同情」「親近感」……。幾つもの感情は別個ではなく、笑う人の心の中に同時に存在している。人間の心は、後から作られた一つの感情を表す言葉だけを感じるなんてことは出来ない。あり得ない。(「九 笑いといじめ・1」より)
・「命か経済か?」とよく言われるが、それは勝手に人間が分けたことだ。実は同じ場所に綺麗に重なっている。全ての学問はそうだ。政府の分科会でも、経済の専門家が参加するようになったが、実はそれだけでは足りない。出来ることなら哲学者もスポーツ選手も、人文学者も物理学者も必要だ。学問と学問の境界を越えなければ、「いかに生きるか?」を問うことは出来ない。境界線を越えるために必要なのが想像力だ。(「十八 真夏の太陽」より)
・「憲法九条」は「青年の理想論」であり、日本という国の「現実」とはかけ離れていると思っている。私はこうしたこの国の「自己矛盾」を「面白い」と思っていて、「解釈変更」で誤魔化してきた戦後の日本を「悪くない」と思っている。(「十九 闘う政治家」より)
<もくじ>
一 言葉 /二 罪 /三 形 /四 存在 /五 芸人 /六 表現 /七 テレビ
八 表現の自由 /九 笑いといじめ・1 /十 桜と薬 /十一 笑いといじめ・2
十二 偶然 /十三 恐怖 /十四 科学的 /十五 ステイホーム /十六 間
十七 無責任 /十八 真夏の太陽 /十九 闘う政治家 /二十 覚悟
『芸人人語』
著者:太田光
定価:1500円+税
発売日:2020年12月18日(金曜日)
https://www.amazon.co.jp/dp/4023319201