古代ペルシャを舞台にしたラブストーリー、ヘンデル『セルセ』と、ヴェルディが残したシェイクスピアの最高喜劇『ファルスタッフ』2020年12月19日(土)〜チケット発売開始

公益財団法人東京二期会のプレスリリース

『セルセ』2021年5月22日(土)〜23日(日) めぐろパーシモンホール 大ホール 『ファルスタッフ』2021年7月16日(金)~19日(月) 東京文化会館 大ホール
公益財団法人東京二期会は、2021年5月22日(土)開幕の二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『セルセ』、7月16日(金)開幕の東京二期会オペラ劇場『ファルスタッフ』のチケットを、12月19日(土)より同時発売いたします。

2015年二期会ニューウェーブ・オペラ劇場公演より (『ジューリオ・チェーザレ』(振付:中村蓉)撮影:三枝近志)2015年二期会ニューウェーブ・オペラ劇場公演より (『ジューリオ・チェーザレ』(振付:中村蓉)撮影:三枝近志)

テアトロ・レアル『ファルスタッフ』よりテアトロ・レアル『ファルスタッフ』より

『セルセ』は、二期会ニューウェーブ・オペラ劇場過去2回の『ジューリオ・チェーザレ』『アルチーナ』に続いて、世界的古楽チェリストであり指揮者の鈴木秀美を迎えてお贈りする本格的バロックオペラ上演です。題名役が歌う「オンブラ・マイ・フ」が特に有名ですが、他にも美しいアリアが目白押し。全幕上演されることは稀で、今回が貴重な機会となります。物語は紀元前480年頃のペルシャの宮廷を舞台にした恋愛劇。史実をもとにしながらもコメディ風のストーリー展開で、ヘンデルの音楽も明るく華やかさに満ちています。『ジューリオ・チェーザレ』で振付を務めたコンテンポラリー・ダンサーの中村蓉が当公演でオペラ演出に初挑戦します。
『ファルスタッフ』は、イタリアオペラの大作曲家ヴェルディがシェイクスピアを原作に生涯最後に残した極上の喜劇。『リゴレット』『椿姫』『マクベス』『オテロ』といった名作を次々と生み出してきた大家の集大成として、音楽と演劇が最高度に融合し、特にフィナーレで登場人物たちが交錯しあう「大フーガ:この世はすべて冗談」は人間の声の至芸と言われています。
指揮はメトロポリタン歌劇場でも常連のベルトラン・ド・ビリー。演出はオペラ界の世界的ファンタジスタ、ロラン・ペリー。メトロポリタン歌劇場『サンドリオン』も手掛けた名コンビが、この夏東京で実現します。
『ファルスタッフ』は東京二期会にとっても大事な作品のひとつです。二期会初演は創立30周年にあたる1982年。次いで2001年創立50周年記念公演として上演しました。それから20年後の今回、創立70周年を記念して、ファルスタッフ役には日本を代表するバリトン今井俊輔、黒田博を配し、最高の布陣で最高のアンサンブルをお聴かせします。
 

  • 今最もフレッシュなオペラ歌手と古楽奏者、そしてダンサーが集う、二期会ニューウェーブ・オペラ劇場

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場とは、東京二期会が3年に1度開催しているシリーズ公演です。二期会オペラ研修所を修了した新進のオペラ歌手を中心にキャスティングされることが特徴で、ここをデビューの舞台として多くのスター歌手が誕生してきました。今回のキャストも明日のオペラ界を支える逸材揃い。ぜひご注目ください。
また、前々回開催の『ジューリオ・チェーザレ』から指揮を務める鈴木秀美との協働により、特別な古楽オーケストラ「ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ(NBO)」を創設。メンバーには、国内外で活躍する第一線の古楽器奏者が集結するとともに、東京藝術大学、桐朋学園大学の器楽専攻生の選抜チームも加わって、公演の度に最新の古楽オーケストラとして生まれ変わります。
そして、今回オペラ初演出となるダンサー・振付師の中村蓉により選ばれた6名の若きダンサーも出演。今最もフレッシュなオペラ歌手と古楽奏者、そしてダンサーが集結してお贈りするヘンデル『セルセ』にご期待ください。
 

  • 『セルセ』| 指揮 鈴木秀美

指揮 鈴木秀美(Hidemi Suzuki)

チェロ奏者として、フランス・ブリュッヘン指揮「18世紀オーケストラ」、シギスヴァルト・クイケン指揮「ラ・プティット・バンド」等のメンバー及び首席・ソリストとして活躍。国内では「バッハ・コレギウム・ジャパン」の通奏低音奏者として多くの演奏、録音に携わる。ソリストとしても世界各地で演奏活動のほか講習会の講師を務め「ガット・サロン」「ガット・ストリーム」等の室内楽シリーズを展開。また日本人初のオリジナル楽器による《バッハ/無伴奏チェロ組曲全曲》を録音するなど多数のCDをリリースしている。
指揮者としては、2001年「オーケストラ・リベラ・クラシカ(OLC)」を結成し、ハイドンを中心としたプログラムにより国内で年2、3回の公演を行うほか、自身のレーベル「アルテ・デラルコ」で40枚近くのライブ録音をリリース。09年にはベトナム、11年にはポーランドでの海外公演を成功させる。客演では、オーストラリア、ポーランド、ベトナム等に招かれ、国内でも山形交響楽団、読売日本交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、札幌交響楽団、広島交響楽団、九州交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団等で指揮。13年より山形交響楽団首席客演指揮者に就任。21年神戸市室内管弦楽団音楽監督に就任予定。著書に『「古楽器」よ、さらば!』『通奏低音弾きの言葉では』等。第37回サントリー音楽賞、第10回斎藤秀雄メモリアル基金賞ほか受賞多数。11年より雑司谷拝鈍亭終身楽長としてハイドン作品の演奏を続けている。
二期会ニューウェーブ・オペラ劇場には『ジューリオ・チェーザレ』『アルチーナ』に続き3度目の登場となる。
 

  • 『セルセ』 | 演出 中村蓉

©️前澤秀登©️前澤秀登

演出 中村蓉(Yo Nakamura)

早稲田大学モダンダンスクラブにてコンテンポラリーダンスを始める。小野寺修二振付『音楽劇 トリツカレ男』、近藤良平とのデュオ『恋のバカンス』、室伏鴻振付『墓場で踊られる熱狂的なダンス』等に出演。2010年より自身の創作を開始。13年横浜ダンスコレクションEX審査員賞・シビウ国際演劇祭賞、14年トーキョー×ソウルデュオダンスフェスティバル人氣賞、16年第5回エルスール財団コンテンポラリーダンス部門新人賞等を受賞。
ルーマニア・シビウ国際演劇祭、イギリス ナショナル・シアター・ウェールズでのレジデンス他、ベトナム、韓国等海外でも活躍。
振付でも活躍し、最近ではドイツ・マインフランケン劇場『ニクソン・イン・チャイナ』を手掛けた。東京二期会では、15年『ジューリオ・チェーザレ』の振付を務め、20年7月にはガラ・コンサート「希望よ、来たれ!」においてソプラノ森谷真理と共演し、ベルク『ルル』より「ルルの歌」でダンスを披露。21年8月東京二期会『ルル』では振付を担当するとともにソロダンサーとして出演を予定している。当公演がオペラ演出デビューとなる。
 

  • 『ファルスタッフ』 | あらすじ

裕福な夫人アリーチェとメグは、金に困った老騎士ファルスタッフからラブレターを受け取る。ふたりが互いのラブレターを見せ合うと、なんと宛名以外は全く同じ文章。あまりに失礼なファルスタッフにあきれ果て、ふたりは一致団結して彼に仕返しをすることに。 
アリーチェから夫の不在中に誘いを受け、ファルスタッフはいそいそと彼女の家へと逢引きに出かける。そこへメグが登場し、アリーチェの夫フォードが戻ってくると告げたため、ファルスタッフは絶体絶命。慌てて洗濯籠に隠れたところを召使いに籠ごと川に投げ捨てられてしまう。
ずぶ濡れの、やけ酒をあおるファルスタッフ。そこへ再びアリーチェから逢引きのお誘いが。性懲りもなく喜び勇んで真夜中の公園へと向かうと、アリーチェとフォードの娘ナンネッタが妖精に変装して現れ、ファルスタッフをパニックに陥れる。一方、フォードはこのどさくさに乗じて娘のナンネッタを医師と結婚させてしまおうとしていたのだが、それを察知した妻アリーチェの機転で、ナンネッタと恋人フェントンとの結婚をしぶしぶ承諾する。ファルスタッフも自分が騙されたのだと気付き「この世はすべて冗談」と歌って大団円となる。
 

  • 『ファルスタッフ』| 指揮 ベルトラン・ド・ビリー

©️Marco Borggreve©️Marco Borggreve

指揮 ベルトラン・ド・ビリー (Bertrand de Billy)

世界の名だたる歌劇場、オーケストラの常連となっているフランス人指揮者。数多くの録音、映像がリリースされ、フランス、オーストリアにおける受賞も多数。これまでに、デッサウのアンハルト劇場、ウィーン・フォルクスオーパーの第1カペルマイスター及び音楽監督代理、バルセロナ・リセウ大劇場、ウィーン放送交響楽団音楽監督を務め、フランクフルト歌劇場、ムゼウム管弦楽団、ローザンヌ室内管弦楽団、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団各首席客演指揮者を歴任。
ウィーン国立歌劇場、ベルリン、ハンブルク、バイエルン各州立歌劇場、アン・デア・ウィーン劇場、ロイヤル・オペラ・ハウス、ベルギー王立モネ劇場、パリ・オペラ座、ワシントン・ナショナル・オペラ、ロサンゼルス・オペラ等で指揮。メトロポリタン歌劇場、ザルツブルク音楽祭にも定期的に招聘されている。
最近では、メトロポリタン歌劇場『椿姫』、ウィーン国立歌劇場『ドン・カルロ』等を指揮。
日本では、2007年ウィーン放送交響楽団で初来日し、その後NHK交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京都交響楽団、新国立劇場で指揮。東京二期会には18年プッチーニ「三部作」以来2度目の招聘となる。
 

  • 『ファルスタッフ』 | 演出・衣裳 ロラン・ペリー

©️Carole Parodi©️Carole Parodi

演出・衣裳 ロラン・ペリー(Laurent Pelly)

世界で最も権威ある歌劇場に数多く登場しているフランス人演出家。全てのプロダクションにおいて自ら衣裳を、時には装置デザインも手掛けている。フランス国立アルプス演劇センター監督、国立トゥールーズ劇場共同プロデューサーを歴任。これまでに2016年インターナショナル・オペラ・アワード最優秀演出家、19年オペラ・ニュース・アワード他受賞多数。舞台の細部までこだわるユーモアやファンタジーを含んだ演出が得意とされ、特にフランスオペラ、とりわけオッフェンバック作品のスペシャリストとして『にんじんの王様』『天国と地獄』『パリの生活』『ホフマン物語』等で多くの受賞歴を誇る。これまでの主な演出は、『マノン』(メトロポリタン歌劇場、ロイヤル・オペラ・ハウス、ミラノ・スカラ座、トゥールーズ劇場)、『連帯の娘』(ロイヤル・オペラ・ハウス、ウィーン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場)、『清教徒』(パリ・オペラ座)、『ランメルモールのルチア』(オペラ・フィラデルフィア、ウィーン国立歌劇場)、『ラ・チェネレントラ』(ネザーランド・オペラ、ジュネーヴ大劇場、ソフィア王妃芸術センター)、『椿姫』(サンタ・フェ・オペラ、トリノ王立歌劇場)、『キャンディード』(サンタ・フェ・オペラ)、『ジューリオ・チェーザレ』『ナクソス島のアリアドネ』(パリ・オペラ座)、『ヘンゼルとグレーテル』(グラインドボーン音楽祭)等。日本では、サイトウ・キネン・フェスティバル『子どもと魔法』『スペインの時』『利口な女狐の物語』を演出。当公演が東京二期会初登場。

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