森繁久彌の名盤から二十年。宇崎竜童×井上鑑×德川眞弓による『葉っぱのフレディ-いのちの旅』がリリース。

株式会社キョードーメディアスのプレスリリース

『葉っぱのフレディ』は、アメリカの教育者レオ・バスカーリア(1924~1998)が、不治の病におかされていた子どもに「死」の意味を伝えようと書かれ、1982年に出版されました。

1998年、みらいななによる日本語訳(童話屋)が出版され、書評や新聞のコラムに紹介されて話題となり、翌99年、森繁久彌の朗読(音楽:東儀秀樹&井上鑑)によってCD『葉っぱのフレディ』が生まれました。
長男を亡くして失意のなかにあった森繁久彌氏が、この本に出会ったことで「もう一度生きてみようと思った」とのエピソードが伝わったこともあり、10万枚を超えるベストセラーとなって日本レコード大賞企画賞を受賞しています。

そして、2020年11月、宇崎竜童を語りに、井上鑑をキーボードに迎え、《德川眞弓ピアノ・リサイタル》(アミュゼ柏・千葉)のメイン・プログラムとして上演。コロナ禍に見舞われるなか詰めかけた満員の聴衆に「生きる意味」を問いかけて、大きな感動を呼びました。

その直後、廃盤となった森繁版に代わるものとして、このアルバムは制作されました。
二十年を経ての新たな芽吹きが、すくすくと育ってくれることを、願ってやみません。

<コメント>
みらいなな(絵本訳者)
長い冬でした。
しばらくまどろんでいたフレディにまた春がめぐってきました。
三人の吟遊詩人が登場したのです。徳川眞弓さんはピアノで、井上鑑さんはキーボードとアコーディオンで、そして宇崎竜童さんは朗読で、「葉っぱのフレディ」を歌いあげたのです。
とくに宇崎竜童さんは、あのドスのきいた声で、ダニエルの語る人生哲学をたちまち神の声に変幻させ、同調する德川さんのピアノと、井上さんのキーボードも、自在に物語を美しく妖しく奏でるのでした。
わたくしは、この三人の吟遊詩人の歌に酔い、ああ、わたくしは自分の人生がどんなに楽しく幸せであったかを知りました。心からお礼申し上げます。                                                
宇崎竜童(語り)
井上鑑さんは、この文章から感じた音を春夏秋冬、時には優しく包み込む様に、時には激しく、木の葉の心象風景を音楽に載せて創り上げ、徳川真弓さんは嫋やかな感性で一音一音繊細にダイナミックに鍵盤の上に落とし込んで見事に昇華し芸術化している。文章を読みながらお二人の奏でる音楽を聴けば魂が温かくなるのが分かる。
さて、朗読は…。                                                         
井上 鑑(作曲・キーボード&アコーディオン)
初版、と呼ぶのでしょうか、森繁久彌さん朗読ヴァージョン製作時から二昔以上の時が経ちました、当時作編曲した曲たちとの邂逅もうれしい出来事でしたが、森繁さんへの記憶と宇崎竜童さんへの敬意と歓迎、そんな思いを新たに音楽にしてみたくなり、数曲の新曲が生まれました。
生まれた時直ぐに消えていくのが音楽の宿命だとしたら、今回德川眞弓さんの作ってくださった再演、再録の機会はひとつの奇跡です。かつて僕も関わった作品が、未知の世界をあちこちで生みだしてきたことの証でも有る訳ですから、励まされる思いだった、と表するのが一番しっくり来ます。
そして宇崎さんの声の持つ表現力が新しい魅力を作品に与えてくれていることは疑いようもありません。思い起こせば歌い手としての宇崎さんの数々のヒット曲も、音そのものが消えても聴くものの心には物語が生まれて残る、そんなものだったような気がします。
フレディくん、あなたはずいぶん幸福な葉っぱですね。「あなたと会えて良かった」と、ダニエルと同じように世界中で幾千万の心がつぶやいていますよ。もちろん僕も、です。                      

德川眞弓(ピアノ)
ずいぶん昔のことになりますが、とても気持ちが落ち込んだことがありました。好きな温泉に浸かっても好きなものを食べても気が晴れないのです。実に困りました。そんな時に友人が贈ってくれたのが「葉っぱのフレディ」のCD。井上鑑さんの音楽に胸がキュンとなり、森繁久彌さんの語りに涙しました。気がつくとモヤモヤがスッキリ、救われたような気持ちに…。大きなカタルシスでした。それ以来いつもこの作品は私の心の片隅にあり、東日本大震災の被災地である東松島の小学校で紹介するなど、ことあるごとに演奏してきました。
そしてこのたびその作品が宇崎竜童さんの語り、井上さんの加筆によって新しい「葉っぱのフレディ」に生まれ変わりました! 思いもかけない素敵なご縁でピアノを担当させていただき、嬉しい気持ちでいっぱいです。
素晴らしい作品は時代が変わっても形を変えて生き続けるものだと思います。新しいフレディが、このCDを手に取ってくださったあなたにも、やさしく語りかけてくれることでしょう。  

                       

「葉っぱのフレディ-いのちの旅」
ボーナス・トラック:カタロニア民謡「鳥の歌」

レオ・バスカーリア作 みらいなな訳
(音楽:井上鑑「葉っぱのフレディ」のテーマによる7つのパラフレーズほか)

DCJA-21046  2021年2月10日発売 
税抜き ¥2,000
発売:ディスク クラシカ ジャパン(取扱:日本出版貿易)

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