“コロナ禍”の学生企画,オンライン版「広島こわい映画祭」 グランプリに「声」(串田壮史監督)選出, U-NEXTと連携,2月19日から上映作品の配信開始

公立大学法人 県立広島大学のプレスリリース

県立広島大学(広島市南区宇品東1-1-71)矢澤利弘教授の研究室では,学生たちが企画・運営する「広島こわい映画祭」を2月4-7日の夜間4日間,オンラインによるZOOM配信で開催しました。ビジネスモデルを学ぶ授業の一環として行われ,学生たちが資金を出し合い,出品作品を全国から公募。57作品が集まり,学生たちが16作品を選びました。今年3回目の映画祭で,当初は例年通り映画館での開催を予定していました。ですがコロナ禍により延期してオンラインでの上映に変更。延べ150人以上のお客様にご参加いただきました。
オンライン開催としたことで今回,新たな試みが2つあります。まず,米国在住の映画監督,光武蔵人氏によるコンペティションを実施。優れた上位3作品に賞を授与しました。グランプリには串田壮史監督の「声」が選出されました。また会員制の動画配信サービス「U-NEXT」と連携し,上映作のうち12作品を,2月19日から1年間に渡って配信します。映画祭を見逃されたファンの皆さまにもお楽しみいただける試みです。

1 受賞3作品コンペティションに当たっての光武氏の審査基準は,(1)こわいかこわくないか(2)独創的な表現か(3)この監督の次回作が見たいかどうか-でした。「レベルが高く甲乙つけがたい」(光武氏)という作品の中から、グランプリには「声」(串田壮史監督)=写真下=,審査員特別賞に「膨らみ」(三重野広帆監督),光武蔵人賞に「Mutual Understanding」(野呂悠輔監督)がそれぞれ選出されました。

「声」串田壮史監督

■作品の講評と監督コメント~「確信犯的独創性」「恐怖の描写」「ロケーションの妙」

【グランプリ:「声」串田壮史監督】
 串田監督は、英国で映像を学んだインディーズ映画界で活躍する新進作家です。「声」(11分)は,孤独な男がアパートの自室に現れる影に魅了されていく台詞のない短編です。光武氏は「『声』というタイトルなのに台詞がないなど,確信犯的でストイックな独創性に感服した。全ての生き物は死という,こわいものに行きつくまでのタイムリミットを感じさせる,グランプリにふさわしい名作」と絶賛しました。同じキャスト・スタッフによる長編「写真の女」が昨年秋に開催されたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で入賞し順次,全国公開されています。

◎串田壮史監督のコメント 「グランプリに選出いただき有難うございます。『こわい』とは,人間の心が生むものだと考えています。そして,『こわい』とは,世界共通の感情です。もしかすると,世界中の『こわい』と思う映像は,世界中の人々を一つにする映像かもしれません。今後も映像の力を信じて,『こわい』を追求した映像を作り続けたいと考えております」

【審査員特別賞:「膨らみ」三重野広帆監督】
 三重野監督は短編から長編まで幅広い映像作品を制作し,国内の複数の映画祭で受賞実績があり ます。「膨らみ」(3分)=写真下=では深夜、独り暮らしの女性が帰宅した部屋で,ベッドの上に不穏な人影を見つけた出来事を綴る作品で,光武氏は「恐怖の描写が上手」と高く評価しました。

◎三重野広帆監督のコメント 「『こわい』に全力を注いだ作品で賞を頂くことができて,とても嬉しいです。今後の日本のホラー文化の発展に貢献できるよう頑張ります」

「膨らみ」三重野広帆監督

【光武蔵人賞:「Mutual Understanding」野呂悠輔監督】

 野呂監督はこの作品(22分)=写真下=を自身の米国留学体験から発案し,ニューヨークを舞台に,異国で孤独を抱える留学生たちの人間模様を描きました。光武監督は「ベタな日本の怪談を,ニューヨークでやる蛮勇に感動した。やはりロケーションは大事」と話しました。

◎野呂悠輔監督のコメント「ニューヨークでの撮影を評価いただいたとのことで,これからも行動することの大切さを忘れず,積極的に映画製作に力を注いでいきたいと思います」

「Mutual Understanding」野呂悠輔監督

2 U-NEXTと提携,2月19日から12作品が視聴可能に

「広島こわい映画祭」は今回,コンテンツ配信などを手掛けるUSEN-NEXT GROUPのU-NEXT(東京都品川区)と連携し,同社の会員制動画配信サービス「U-NEXT」で,上映作品中、受賞作である「膨らみ」「Mutual Understanding」など12作品が,今年2月19日から1年間に渡って視聴できることになりました。U-NEXTでは全国の映画祭と連携して,映画ファンが映画を楽しめる環境づくりを進めています。
 詳細は下記U-NEXTのプレスリリースをご覧下さい。

【U-NEXTプレスリリース】https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000497.000031998.html

3 第4回は2021年度中に開催、「広島らしい『こわさ』を」と光武氏がエール

「広島こわい映画祭」は次回4回目を,2021年度中に開催予定です。4月以降に作品の公募を始めます。矢澤ゼミの新3年生たちが運営を担当します。

これまでは,広島で「アートとサブカルチャーの街」とされ,10月のハロウィンに合わせた複合イベント「ゾンビナイト」を開催してきた,横川にある映画館で開催してきました。ホラーだけでなく,人間社会の闇に潜む多岐に渡った「こわい」を考える文化を根付かせ,地域を元気にしようとの狙いがありました。光武氏=写真下=は,世界で初めて原子爆弾が投下された広島での映画祭に寄せ「人類史上で一番の恐怖が行われた街の名前を持つ映画祭でもある。将来的に,広島でやる『こわい』に何か意味を持たせることで,国際映画祭としての意味を持つことになるかもしれない」と期待を寄せました。今後の詳細は下記、映画祭ホームページで随時、公表していきますので,チェックをよろしくお願いいたします。

光武蔵人監督

【問い合わせ先】広島こわい映画祭事務局(矢澤研究室内)
HP:http://hirokowa.kill.jp/
Mail:hirokowa.movie2@gmail.com

 

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