エイベックス・エンタテインメント株式会社 のプレスリリース
和歌山を題材にした創作歌劇「火具鎚のうた」が、3月16日(火)正午からYouTubeで配信されるのを前に、無観客上演の撮影が行われました。
この事業は、和歌山市が中心となって文化芸術体験の機会を創出するプロジェクト「WAKAYAMA SOUNDSCAPE」の一環で、文化庁の戦略的芸術文化創造推進事業を活用しています。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、文化芸術行事の中止や延期を余儀なくされている中でも、若者や子どもを中心とする文化芸術活動の活性化を目的としています。
物語の舞台は西暦2100年、世紀末を迎えた未来の和歌山市。主人公の高校生、ミーコとカイはある日を境に全く同じ夢を見始め、その現象は世界中へ広がっていく。現実と夢が入り混じる中、カイの弟ソラも加わり、3人は謎の究明に奔走する。主人公3人のキャラクターデザインは、和歌山市出身で『ゴルゴ13』の作者としても知られる、さいとう・たかを氏が担当。オーディションで選ばれた和歌山県出身の若手俳優のほか、和歌山児童合唱団や和歌山雅楽会等、総勢約100名が出演しています。
本作は、和歌山城西の丸広場の特設ステージで無観客上演し、その模様を6台のカメラで撮影。ライトアップされた和歌山城をバックに、色とりどりのレーザーやLED等の機材を駆使した壮大な演出と、俳優やダンサーの演技が重なりました。今後、撮影した映像に編集を加え、配信映像を完成させます。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、各地で予定されていた文化芸術行事の中止や延期が余儀なくされる中、音楽ライヴや演劇等の映像配信に注目が集まっています。今回は、無観客で上演することで最新機材による大胆な演出を可能とし、映像ならではの視点で作品を楽しむことができる、新しい演劇スタイルへの挑戦となります。
また物語は、1400万年前に紀伊半島で起きたとされる世界最大規模の火山噴火に着想を得ていて、友ヶ島、和歌浦、岩橋千塚古墳群、那智の滝や橋杭岩など、自然が生み出した和歌山の名所が登場します。創作歌劇「火具鎚のうた」を通して、世界の人々に和歌山の自然や歴史を発信することも期待されます。
【出演者コメント】
◎ミーコ役・土井美咲さん(和歌山市出身)
「レーザーですごい異空間が生まれ、驚きました。本格的な演劇は初めてなので落ち着いて取り組めるよう心がけています。環境問題やSNSについて考え直すきっかけになるお話だと思います。」
◎カイ役・中西弘志さん(紀の川市出身)
「和歌山県の景勝地や和歌山弁が出てくるので楽しく取り組んでいます。撮影では、この日に向けて積み上げてきたものを発揮できました。コロナで気持ちが沈むこともありますが、配信等の工夫で乗り越えられると思うので、この作品が前を向くきっかけになってほしい。」
◎ソラ役・藤田晴さん(紀の川市出身)
「稽古を通して俳優として大切なことを教えていただき、貴重な経験になっています。自分と同じ高校生にも作品を見てもらいたい。」
【あらすじ】
西暦2100年、世紀末を迎えた和歌山市。現代と大きく変わらないように見える世界だが、地球の温暖化は止まらず、百年前にも流行した終末思想がインターネットをにぎわせている。そんな未来に暮らす高校生のミーコとソラは、ある日を境に全く同じ夢を見始める。赤く燃え上がる空に「火具鎚(カグツチ)」という言葉(うた)。カイの弟で秀才のソラは、ふたりの話を信じようともしない。一方で、その現象は日に日に世界へと広がっていく・・・最初は一蹴していた科学者も、悪質な噂だと批判したメディアも、今ではその究明に真剣だ。
徐々に曖昧になっていく “現実” と “夢” の境界が消え去る時、
主人公の3人は、“記録” ではない “記憶” を見ることになる。
それは、誰のための、誰の予言なのか?
再び、「火具鎚のうた」が流れ始める。
【ステートメント】
ヒト科/人類は、火を道具として操ることで
自分たちだけを自然摂理から切り離し、
人間(人と人との間=社会)となった。
火は鉄を生み、鉄は武器となり、
それは、さらなる大火を生み続けた。
そうして、道 “具” としての “火” は
いつしか、人間があつかえる限界を遥かに超え、
この星を幾度も滅ぼすほど、強く大きな力を持った。
それこそが、太古の昔から語り継がれてきた「火具鎚」であり、
八百万の神々が、驕り高ぶった人間へと振り下ろす鉄 “鎚” だ。
火を生む環境破壊。
本末転倒な核兵器。
心を失わせる炎上。
これは、あらゆる火を起こし、自らのみならず
すべてを焼き尽くさんとする人間の業に警鐘を鳴らす歌だ。
【開催概要】
・上演タイトル:「火具鎚のうた」
・会場:和歌山城 西の丸広場
・公式サイト:https://kagutsuchinouta.jp/