オークラ ホテルズ & リゾーツのプレスリリース
株式会社ホテルオークラ東京(所在地:東京都港区、代表取締役社長:成瀬 正治)では、音楽分野のメセナ活動の象徴的イベントとして、1996年から将来を嘱望される音楽家の支援を目的に、選考委員による厳正なる審査を行い、毎年2組の演奏家に『ホテルオークラ音楽賞』を授与するとともに、ホテルの公共性を活かした無料の受賞記念演奏会を開催しています。第22回の受賞者は、葵トリオ(ピアノ三重奏)、カルテット・アマービレ(弦楽四重奏)に決定いたしました。
- 葵トリオ (ピアノ三重奏)
葵トリオ(ピアノ三重奏)©Nikolaj Lund
ピアノ:秋元 孝介
ヴァイオリン:小川 響子
チェロ:伊東 裕
第67回ARDミュンヘン国際音楽コンクールのピアノ三重奏部門で、日本人団体として初の優勝を受賞した、現在最も注目を集めるピアノ三重奏団。東京藝術大学、サントリーホール室内楽アカデミーで出会い、2016年に結成。第28回青山音楽賞バロックザール賞、第29回新日鉄住金音楽賞フレッシュアーティスト賞受賞。現在はドイツを拠点に、ミュンヘン音楽・演劇大学でフォーレ四重奏団のD.モメルツに師事しながら国内外で活動している。
- カルテット・アマービレ (弦楽四重奏)
カルテット・アマービレ(弦楽四重奏)©︎T.Tairadate
ヴァイオリン:篠原 悠那、北田 千尋
ヴィオラ:中 恵菜
チェロ:笹沼 樹
第65回ARDミュンヘン国際音楽コンクールの弦楽四重奏部門第3位に入賞、あわせて特別賞(コンクール委嘱作品の最優秀解釈賞)を受賞。2019年11月には、ニューヨークで行われたヤングコンサートアーティスト国際オーディションで第1位を獲得。2015年桐朋学園大学在籍中のメンバーにより結成される。マルタ・アルゲリッチ、クシシュトフ・ヤブウォンスキ、ダン・タイ・ソンらと共演するなど、今後の活躍が期待されているカルテットである。
- 選評 寺西 基之(音楽評論家)より
葵トリオ(ピアノ三重奏)
ピアノ、ヴァイオリン、チェロによるピアノ・トリオは、4つの同質の弦楽器の調和を主眼とする弦楽四重奏とは違って、性格の違う3つの楽器がそれぞれの個性を発揮しつつ協調するところに特質がある。それだけに3人のソリストがその都度集まっても様(さま)になるジャンルであり、そのためか徹底したアンサンブルを日頃からめざす常設のピアノ三重奏団は決して多くない。しかし葵トリオはまさにそうした本格的な室内楽団体としてのピアノ三重奏団を志向し、室内楽本来の緻密なアンサンブルを追求している。全体の造型から細部の表情の彫琢まで、考え抜かれた音楽作りによって作品の本質に迫ろうとする彼らの厳しい姿勢は、ピアノ・トリオのあり方を再認識させるものといっても過言ではないだろう。また一般に知られていない隠れた名作の発掘に力を入れている点も特筆される。世界的にも数少ない常設のピアノ三重奏団としての今後の活動の広がりがおおいに楽しみである。
カルテット・アマービレ(弦楽四重奏)
弦楽四重奏は4つの弦楽器の紡ぎ出す音の綾が縒り合わされてひとつの世界を作り上げるという点で、他の室内楽ジャンル以上に奏者たちの緊密な一体化が求められる。すなわち4人のメンバーが奏法や解釈を共有し、それぞれが自身の奏でる声部の役割を認識した上で他の声部と密な関係を作っていかなくてはならないといういわば室内楽の究極的な形態である。そのため一流の弦楽四重奏団への道は、4人が心をひとつにして切磋琢磨していくことで初めて開けるが、カルテット・アマービレはまさにその道を真摯に追い求めている新世代のカルテットだ。お互いの音をしっかり聴き合い、表現上の意思の疎通を図りつつ、濃やかに表情を練り上げながら緊密な統一体を作り上げていく彼らの演奏からは、弦楽四重奏の真髄に肉迫しようという強い意志が窺える。レパートリーも古典から現代まで幅広く、今後の活動を通してこのジャンルの奥義をさらに窮めていくことを期待したい。
- 第22回 ホテルオークラ音楽賞 概要
【受 賞 者】
葵トリオ(ピアノ三重奏)
カルテット・アマービレ(弦楽四重奏)
【選考委員】
選考委員長:
成瀬 正治(株式会社ホテルオークラ東京 代表取締役社長)
選考委員:
堤 剛 (チェリスト、桐朋学園大学 特命教授(前学長)、公益財団法人サントリー芸術財団代表理事、サントリーホール館長、日本藝術院会員)
大友 直人(指揮者、東京交響楽団名誉客演指揮者、京都市交響楽団桂冠指揮者、琉球交響楽団音楽監督、高崎芸術劇場芸術監督)
寺西 基之(音楽評論家、公益財団法人東京交響楽団 監事、公益財団法人東京二期会 評議員、公益財団法人アフィニス文化財団 理事、公益財団法人日本ピアノ教育連盟 評議員、公益財団法人日本交響楽振興財団 評議員)
【奨 励 金】各100万円
【副賞】The Okura Tokyo ペア宿泊券、記念トロフィー
- ホテルオークラ音楽賞とは
社会貢献・芸術文化事業の一環として1996年の開業35周年を機に、近年めざましい活躍を遂げ、さらに将来が嘱望される音楽家を支援・育成するための制度として創設しました。
1996年に第1回、2000年に第2回を開催しましたが、音楽家支援強化のため、2000年以降は同賞の授賞式および受賞記念演奏会を毎年実施し、今回で22回目を迎えます。
<ホテルオークラ音楽賞 歴代受賞者>
第1回 (1996年度) 矢部 達哉(ヴァイオリン) 緑川 まり(声楽/ソプラノ)
第2回 (2000年度) 阪 哲朗(指揮) 佐々木 典子(声楽/ソプラノ)
第3回 (2001年度) 徳永 二男(ヴァイオリン) 森 麻季(声楽/ソプラノ)
第4回 (2002年度) 上岡 敏之(指揮) 高橋 薫子(声楽/ソプラノ)
第5回 (2003年度) 小川 典子(ピアノ) 林 美智子(声楽/メゾソプラノ)
第6回 (2004年度) 若林 顕(ピアノ) 大萩 康司(ギター)
第7回 (2005年度) 小山 実稚恵(ピアノ) アントネッロ(古楽アンサンブル)
第8回 (2006年度) 庄司 紗矢香(ヴァイオリン) 小菅 優(ピアノ)
第9回 (2007年度) 村冶 佳織(ギター) 佐藤 俊介(ヴァイオリン)
第10回(2008年度) 神尾 真由子(ヴァイオリン)田村 響(ピアノ)
第11回(2009年度) 辻井 伸行(ピアノ) 南 紫音(ヴァイオリン)
第12回(2010年度) 金子 三勇士(ピアノ) 松田 理奈(ヴァイオリン)
第13回(2011年度) 宮田 大(チェロ) 萩原 麻未(ピアノ)
第14回(2012年度) 河村 尚子(ピアノ) 横坂 源(チェロ)
第15回(2013年度) 成田 達輝(ヴァイオリン) 三浦 文彰(ヴァイオリン)
第16回(2014年度) クァルテット・エクセルシオ(弦楽四重奏) 郷古 廉(ヴァイオリン)
第17回(2015年度) 崔 文洙(ヴァイオリン) 上野 星矢(フルート)
第18回(2016年度) 鈴木 優人(指揮・作曲・ピアノ・チェンバロ・オルガン) 新倉 瞳(チェロ)
第19回(2017年度) 毛利 文香(ヴァイオリン) 山根 一仁(ヴァイオリン)
第20回(2018年度) 小林 沙羅(ソプラノ) 岡本 侑也(チェロ)
第21回(2019年度) 藤田 真央(ピアノ) 服部 百音(ヴァイオリン)
- 音楽分野メセナ活動 ―音楽は、時代や国境を越えて響くメッセージ―
The Okura Tokyo Cultural Fund
株式会社ホテルオークラ東京では、誰もが音楽を楽しめる環境を作り、次世代を担う才能を育てながら人々の心と心を繋ぐという信念のもと、さまざまな活動を行ってきました。
2017年3月には、芸術・文化支援ファンドである「Hotel Okura Tokyo Cultural Fund」*を設立。音楽分野メセナ活動については、「音楽」に特化した活動を行う団体へ寄付をすべく活動しています。
*2019年より新ホテル開業に合わせ「The Okura Tokyo Cultural Fund」へ名称変更
- ♪♪ ロビーコンサート25
開業25周年(1987年)を機に毎月25日にメインロビーを会場に、無料にてアコースティッ
クコンサートを開催しています。2011年からは、大友直人氏監修のもと幅広いジャンルの中
から演奏者が迎えられ、次回で第400回の節目を迎えます。
*2020年3月~2021年3月までは開催休止。4月以降は不定期での開催を予定しております。
【The Okura Tokyoについて】
ホテル名称:The Okura Tokyo(読み:ジ・オークラ・トーキョー)/日本語表記:オークラ東京
開業日:2019年9月12日
客室数:508室、宴会場数:19、レストラン:5、バー:3
The Okura Tokyoは、グループの旗艦ホテルとなるラグジュアリーブランドとして 2019年9月12日に開業いたしました。世界に通じるもてなしの心はそのままに、日本の美をたたえ、情緒と歴史をまとう17階建て「オークラ ヘリテージウイング」と、世界の都市・東京を体現するモダニズムと躍動感にあふれる高層棟41階建ての「オークラ プレステージタワー」の2棟から構成されております。
〒105-0001
東京都港区虎ノ門2-10-4
TEL: (03) 3582-0111(代表)
アクセス:東京都メトロ日比谷線・虎ノ門ヒルズ駅より5分(宴会場入口まで)、銀座線虎ノ門駅より10分
webサイトURL:https://theokuratokyo.jp/
インスタグラム公式アカウント:https://www.instagram.com/theokuratokyo/