一般社団法人地域プラザBIGSHIPのプレスリリース
本所地域プラザ BIG SHIPでは、 “若手演奏家に経験の場を提供したい”、 “地域の方に様々な音楽を楽しんでもらいたい”という元ピアニストの田中良茂氏の発案を受けて、 2015年より「演奏家の船出 応援コンサート」を開催しています。
BIG SHIPは、2013年秋にコミュニティ活動を行う拠点として開設され、 地域区民を中心に運営が行われています。 施設内には多目的ホール、 学び合い体験室、 トレーニング室等が備わっています。 建物の外観は船の帆がイメージされ、 「演奏家の船出 応援コンサート」もその形からネーミングされました。
BIG SHIPは、当初より近隣住民と深いつながりを持っていたものの、 開設したばかりの会館においてコンテンツ提供は悩ましい課題でした。 そんな折、同館の山中みどり館長は、現代ピアノ界の巨匠マウリツィオ・ポリーニ氏のセミナー・オーディションに合格したことのある田中氏と出会い、演奏やアイディアを聞き、「演奏家の船出 応援コンサート」の趣旨に共鳴し、 この企画が実現しました。
今では、 若手演奏家を応援するコンサートとして出演者から熱い支持を受け、 多くのお客様より喜びの声を頂戴しています。
◆コンサートの目的
「演奏家の船出 応援コンサート」の目的は、 優秀でも集客の難しい若手演奏家に5万円という些少の金額ではあるものの出演料を払って経験の場を提供していくこと、地域の方々に様々な音楽を届け音楽の生命力を感じてもらうことの２つです。
◆審査について
毎年度、 18歳から40歳までの若手演奏家を募集しています。
当コンサートの審査は、非常に特徴的です。 人の心を揺り動かす演奏技量に最も重きを置きつつも、 曲目や企画のユニークさ、 音楽や文化振興に対する演奏家の思いも含め総合的に判断します。 今年度は応募の中から5組の演奏者を採択予定です。
審査員には前出の田中氏と山中館長に加え、 墨田区を拠点とする新日本フィルハーモニー交響楽団のメンバーも毎回参加しています。 今年度は同団のビオラ奏者 吉鶴洋一氏が加わります。
2015年からの応募総数は約350通。 日本のみならず海外からの申込もありました。 只今、 今年度（2021度）の演奏者を募集中です！昨年度からはオンライン応募も可能となりました。 詳しくはBIG SHIPのホームページをご覧ください↓
https://www.cp-bigship.net/%E6%BC%94%E5%A5%8F%E5%AE%B6%E3%81%AE%E8%88%B9%E5%87%BA-%E5%BF%9C%E6%8F%B4%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%88/
◆コンサートでは
コンサートには地域住民に加え、遠方からも足を運んでくださるお客様もいて毎回120名近くが集まります。
通常、コンサート開演前には音楽ホール階下にある別会場にて、お客様同士でランチをお召し上がりいただきます。ランチの場では、自然と会話も弾みます。
そしてランチ代は破格の500円（税込）。それにコンサートも聴けて超お得となっています。このような価格が実現できるのは墨田区の指定事業だからこそです。
コロナ禍の現在においては、残念ながら観客数の制限を行っております。また感染対策のためランチはテイクアウトになっていますが、以前のような賑わいが一日も早く戻ることを望んでいます。
そしてランチの後には、若い演奏家たちの情熱あふれる音楽を聴いていただきます。お腹だけでなく、心も満腹になってほしいのです。
また、コンサート終了後にはご来聴いただいたお客さまに、1点から5点までのBOXに投票用紙をご投票いただきます。合計点数を投票人数で割った平均点を算出し、各年度のコンサートで最高点を獲得した演奏グループには、出演料を増額（10万円）し、翌年度に開催する凱旋コンサートに出演してもらいます。
このような試みによるものか、お客様は、”自分達が若い演奏家を応援している”という積極的な気持ちになってくれるのです。
※2019年度「演奏家の船出 応援コンサート」グランプリ 古楽アンサンブル Duo Rurie（デュオ・ルーリー 折原麻美／金井隆之）の公演模様
◆お客様の声
「500円でランチが食べられ、それだけでなく素晴らしいコンサートを毎回聴かせてくれて感動しています！」（70代女性）
「千葉から毎回足を運んでいます。墨田区民ではありませんが、墨田区でこのような企画が行われていてとてもありがたいです。」（60代女性）
「本所地域プラザBIG SHIPは地域住民に寄り添ってくれている。若い演奏家から元気をもらっているようだ。」（70代男性）
◆演奏者の声
「演奏の場を与えてくれてありがたい。集客をBIG SHIPが行ってくれるので演奏に集中できる。」（30代男性）
「館の人が一緒になってコンサート作りに取り組んでくれる。下町のお客様は温かく、本番では一緒にコンサートを盛り上げてくれる。」（20代女性）
◆コロナ禍にあっての活動
2019年度後半は、新型コロナウイルスの影響により予定していた2つのコンサートを中止（延期）にせざるを得ませんでした。
2020年度はお客様や演奏者の協力を得ながら、観客数を減らす、換気する等、皆で感染対策を徹底しました。おかげさまで2019年度に中止としたコンサートを含め全6公演を無事に終了することができました。
またこれまで郵送のみで受け付けていた出演者募集の書類等を、昨年度（2020年度）よりオンラインでも申請可能にしました。
◆今後について
前出の田中氏は今後について次のように語っています。
「これほど若手演奏家を純粋に応援する取り組みは全国的にも珍しいと思います。それは山中館長はじめ、BIG SHIPの皆様のご理解あってのことです。
2021年度『演奏家の船出 応援コンサート』に若い演奏家からたくさんの応募が集まることを期待しています。
また募集では音楽のジャンルを問いません。ジャズやクラシック音楽だけでなく民族音楽や伝統音楽、激しいロックミュージシャンの方からの応募も楽しみです。地域住民の方に様々なジャンルの音楽をお届けできることは、地域プラザとして幸運なことと考えています。この取り組みを墨田区発で全国に広げていくことは私の夢の一つです。」
コロナ禍にあって演奏家の活動の場は限られ、経済的にも精神的にも苦しくなっています。
「演奏の船出 応援コンサート」はそのような演奏家のチャンスになるだけでなく、沈みがちな近頃にあって多くのお客様の”元気”にもなっているのです。
