公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団のプレスリリース
気鋭の作曲家への委嘱と再演を軸とし、1999年より毎年度開催している現代音楽シリーズ”Just Composed”。その選定委員を務める横浜みなとみらいホール館長 池辺晋一郎から本公演に寄せてメッセージが届きました。本公演の魅力の一端をご紹介します。
作曲家はどういったモチヴェイションで作曲をするか。雇い主や教会からの命令という時代があったし、またホールの開館記念とか何かのアニヴァーサリーなどもあっただろう。だが、優れた演奏家からの依頼、あるいはそうでなくても刺激を受けてということも少なくない。シュタードラーというすばらしい奏者がいたからモーツァルトのクラリネット協奏曲や五重奏曲が生まれた。クララという卓越したピアニストがいたから、シューマンはピアノの名品をたくさん作曲した(もちろん結婚もしたけれど)。
ところで、日本では合唱をやる人も合唱団も、多い。したがって、合唱作品も多い。しかしその大部分は、アマチュアが歌うためのトナール(調性的)なものだ。むろん、そのことで音楽の価値を云々するつもりはないが、時代に正面から向き合う現代音楽としての作品が数多くないことはたしかである。楽器という「道具」を用いるのとは異なり、人間の自前の声で複雑な音程や響きを駆使することのむずかしさを考えれば、これは当然とも言える。日本ではわずかに「東京混声合唱団」のみが挑戦をつづけてきた領域であった。
ところがそこに出現したのが「ヴォクスマーナ」だ。合唱でもあり、1人1パートゆえ重唱でもある。器楽分野でいうところの「ソロイスツ」だ。そのユニークさはまさに画期的。これまでの合唱の概念を変えた存在と言って過言でない。
朝日現代音楽賞や日本ミュージック・ペンクラブ音楽賞などこれまでの受賞は、日本の音楽シーンで高い評価をうけてきたヴォクスマーナとして、十分すぎるほどうなずけるものである。西川竜太氏という傑出した指揮者がいてこそ、傑出した企画が可能で、傑出した演奏が可能。今回、委嘱作品である桑原ゆうさんの新作をはじめ合唱の「未来」へ明るく力強い光を投げかける作品が並ぶ。このコンサートが横浜からの清新な発信になることは、まちがいがない。
◆Just Composed 2020 Spring in Yokohama ~現代作曲家シリーズ~ ・日時:3月21日(土)15:00開演(14:30開場) ・会場:横浜みなとみらいホール 小ホール ・出演:西川竜太(指揮)、ヴォクスマーナ(声楽アンサンブル) ・曲目:桑原ゆう/名づけのうた 「古事記」からの抜粋による(2019/委嘱新作・初演) 他 ・料金:全席指定3,000円、学生1,500円 ※好評発売中 ・URL:https://mmh.yafjp.org/mmh/recommend/2020/03/just-composed-2020-spring-in-yokohama.php |
◆関連レクチャー「白石美雪による Just Composed 2020の楽しみ方」 ・日時:3月14日(土)15:00開演(14:40開場) ・会場:横浜みなとみらいホール レセプションルーム ・出演:西川竜太(指揮者)、桑原ゆう(作曲家)、白石美雪(音楽学者) ・料金:無料※事前申込制(チケットセンターへお申し込みください) |
主催:横浜みなとみらいホール(公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団)
共催:横浜アーツフェスティバル実行委員会
【お問合せ先】
横浜みなとみらいホールチケットセンター TEL:045-682-2000(10:00-17:00)