【新国立劇場】《あの熱狂再び!今、新たな『カルメン』が生まれる 新国立劇場オペラ『カルメン』(7月3日初日)6月12日(土)前売開始》

文化庁のプレスリリース

新国立劇場(東京都渋谷区)では、オペラの中のオペラ『カルメン』を鬼才アレックス・オリエの新演出で上演します。2019年『トゥーランドット』で、ダイナミックな空間演出と衝撃的な解釈で話題を巻き起こした演出家オリエが、世界的指揮者大野和士と再びタッグを組み、新たな『カルメン』を世界へ発信します。現代的で知的で自由と勇気の女性カルメンの愛の悲劇。世界的に注目される新演出を、この夏、本公演に続く高校生のためのオペラ鑑賞教室公演、びわ湖ホール公演と全14回、2万人のお客様に向けて熱狂と共にお届けします。
【URL】https://www.nntt.jac.go.jp/opera/carmen/

 

『カルメン』セットプラン

自由と勇気の象徴カルメンの悲劇。鬼才アレックス・オリエが描く現代に通じる女の運命

 

アレックス・オリエ

『カルメン』新制作で演出を手掛けるのは、スペイン・バルセロナ出身の演出家アレックス・オリエ。アレックス・オリエはスペインの前衛的パフォーマンス集団ラ・フーラ・デルス・バウスLa Fura dels Bausの6人の芸術監督のひとり。大規模な野外イベントや演劇など広い分野で活動している演出家です。1992年のバルセロナ・オリンピックでは、同カンパニーのカルルス・パドリッサと“地中海、オリンピックの海”をテーマに開会式を共同演出。この開会式はクライマックスで聖火を灯した弓を70メートル先の聖火台に向かって放ち見事に点火させた演出で、「史上最も劇的なオリンピック開会式」と語り継がれています。

 

『カルメン』セットプラン

オリエは近年オペラの演出で特に活躍し、ザルツブルク音楽祭、パリ・オペラ座、モネ劇場、ミラノ・スカラ座など世界の著名歌劇場で話題作を発表しています。オリエの音楽的感性、大胆な発想と求心力、そしてダイナミックな空間演出は、19年にオペラ夏の祭典2019-20 Japan↔Tokyo↔Worldとして国内各地で上演され、2万人の観客を熱狂させた『トゥーランドット』で、日本でも証明済み。国内外の注目が集まることは必至です。
オリエの解釈では、カルメンは現代的で知的、勇気と反骨心を持って自由に生きる女性であり、ホセは独占欲が強く、嫉妬深く、拒絶を受け入れられない男です。こうした性格の二人が出会い、恋に落ちることはどこででも起こり得ること。現代の我々へ問うドラマ『カルメン』が、今誕生します。

新国立劇場会報誌「ジ・アトレ」アレックス・オリエのインタビューより
ビゼーのオペラでは、カルメンはたばこ工場の労働者として紹介されますが、本来、工場の外の彼女はフラメンコ歌手(カンタオラ)なのです。フラスキータとメルセデスと一緒にいる時、リリャス・パスティアの居酒屋で、そして隊長スニガの前でも、カルメンはアーティストとしてふるまうのです。ショーと居酒屋の世界こそ、私たちを『カルメン』の世界に導くものです。『カルメン』の物語を作り直すのに一役買った人物がいます。それはイギリスの歌手エイミー・ワインハウスです。エイミーの人生は若く感情的な女性の成功と没落のストーリーであり、自身を取り巻く環境の圧力に流され、カルメンと同様に悲劇的な終わりを迎えました。カルメンの行動力、自由への渇望、男との対等性、運命を自分で選択し決断する意志。カルメンの人生は彼女自身のものであり、彼女を屈服させる男などいないのです。

劇場で2万人、配信で17,000人が熱狂した2019年オペラ夏の祭典『トゥーランドット』衝撃の演出

『トゥーランドット』新国立劇場公演より 撮影:寺司正彦

2019年の『トゥーランドット』でオリエは、劇場に聳える壁と巨大な昇降装置を用いて近未来的なディストピアを出現させ、“権力”と“虐待”を基本コンセプトに演出。心を閉ざした女性が異国の王子と結ばれハッピーエンドに終わる『トゥーランドット』のストーリーを覆し、「虐待のトラウマに囚われた女性が愛の名の下に権力を求める王子の前で命を絶つ」という衝撃的なラストシーンで観客を圧倒しました。
この『トゥーランドット』はオペラ夏の祭典2019-20 Japan↔Tokyo↔Worldの第1弾として新国立劇場と東京文化会館の共同制作により東京文化会館、新国立劇場、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール、札幌文化芸術劇場hitaruと日本各地で上演、約2万人の観客が鑑賞し、国内外のメディアで話題沸騰となりました。さらに2020年4月、1回目の緊急事態宣言下で新国立劇場が期間限定で配信を行った「巣ごもりシアター」では約1万7千人が視聴、オペラやクラシック音楽のファンを超え、映画やサブカルチャー、アート、文芸ファンまでを衝撃と感動の渦に巻き込みました。巣ごもりシアター配信中には、ツイッター上に「神演出」「フェミニズムな新解釈で本当にすごい」「受け継がれる性暴力のトラウマ、女たちの連帯…この解釈が観たかった」「作り手の勇気と志に感動」「エグすぎてオイオイ泣いてしまった」と新鮮な感動の声があふれました。今日的な解釈で広く共感を呼んだ『トゥーランドット』に続き、オリエが現代に問う『カルメン』が間もなく開幕します。

オペラの中のオペラ、情熱漲るビゼーの『カルメン』
『カルメン』は世界中どこでも人気オペラの筆頭に挙がる人気作中の人気作。活気あふれる前奏曲、カルメンの登場で歌われる「ハバネラ」、ホセを誘惑する「セギディーリャ」、フラメンコを踊りながら歌われるスペクタクルな「ジプシーの歌」、華やかな「闘牛士の歌」など誰しもおなじみの名曲にのせ、自由奔放な女カルメンと一途な男ドン・ホセによる愛と死の運命のドラマが繰り広げられます。ビゼーの音楽にはフランス・ロマン派の魅惑的な響きと、スペインの民族色を取り入れた情熱的な音楽が融合し、観客を熱狂させます。
指揮には世界的指揮者で新国立劇場オペラ芸術監督の大野和士があたり、オリエとタッグを組んで、劇場を情熱の渦に巻き込みます。カルメン役にはフランス・オペラを得意とし、演技力にも定評のあるフランスのメゾ、ドゥストラック、ホセには日本のテノールの正統派スターとして、リリックな役からドラマティックな役へと活躍を拡げる村上敏明が登場します。

『カルメン』ものがたり
たばこ工場で働く美女カルメンは伍長のドン・ホセに興味を抱き、誘惑する。彼にはミカエラという許嫁がいただが、カルメンの魅力に負け、軍隊を脱走、カルメンの密輸団の一員となる。カルメンのホセへの愛は続かず、花形闘牛士エスカミーリョに心を移す。ホセはミカエラに請われ、危篤の母の元に駆けつけるため密輸団を離れる。闘牛の日、ホセは再びカルメンの前に現れ、復縁を迫るがきっぱりと拒絶される。逆上したホセは短剣でカルメンの胸を突く。

プロフィール
【指揮】大野和士 ONO Kazushi

東京藝術大学卒。1987 年トスカニーニ国際指揮者コンクール優勝。世界各地でオペラ公演及びシンフォニーコンサートで聴衆を魅了し続けている。90~96 年ザグレブ・フィル音楽監督。96~2002年バーデン州立歌劇場音楽総監督。92~99 年、東京フィル常任指揮者を経て、現在同楽団桂冠指揮者。02~08 年モネ劇場音楽監督。12~15 年アルトゥーロ・トスカニーニ・フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者、08~16 年フランス国立リヨン歌劇場首席指揮者を歴任。15年から東京都交響楽団、バルセロナ交響楽団音楽監督。オペラではミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、パリ・オペラ座、バイエルン州立歌劇場、グラインドボーン音楽祭、エクサンプロヴァンス音楽祭などへ出演。渡邉暁雄音楽基金音楽賞、芸術選奨文部大臣新人賞、出光音楽賞、齋藤秀雄メモリアル基金賞、エクソンモービル音楽賞、サントリー音楽賞、日本芸術院賞ならびに恩賜賞、朝日賞など受賞多数。紫綬褒章受章。文化功労者。17年にはリヨン歌劇場がインターナショナル・オペラ・アワード「最優秀オペラハウス2017」を獲得し、フランス政府より芸術文化勲章オフィシエ、リヨン市からリヨン市特別メダルが授与された。18年9月より新国立劇場オペラ芸術監督。

【演出】アレックス・オリエ  Àlex OLLÉ

バルセロナ生まれ。パフォーマンス集団ラ・フーラ・デルス・バウスの6人の芸術監督の一人で、同カンパニーは世界的な評価を確立した。カルルス・パドリッサと共同演出したバルセロナ・オリンピック開会式をはじめとする大規模イベントや、演劇、映画と多くの分野で活動している。近年ではオペラの演出で特に活躍し、ザルツブルク音楽祭、ウィーン芸術週間、マドリード・テアトロ・レアル、リセウ大劇場、パリ・オペラ座、モネ劇場、英国ロイヤルオペラ、イングリッシュ・ナショナル・オペラ、ザクセン州立歌劇場、ルールトリエンナーレ、ネザーランド・オペラ、ミラノ・スカラ座、ローマ歌劇場、オーストラリア・オペラなど世界中で活躍、『魔笛』『ノルマ』『仮面舞踏会』『イル・トロヴァトーレ』『ファウストの劫罰』『トリスタンとイゾルデ』『さまよえるオランダ人』『ペレアスとメリザンド』『ラ・ボエーム』『蝶々夫人』『青ひげ公の城』『消えた男の日記』『マハゴニー市の興亡』『火刑台上のジャンヌ・ダルク』など幅広い作品を手掛けている。新国立劇場では19年、東京文化会館共同制作『トゥーランドット』を演出した。

公演およびチケットの詳細については、新国立劇場ホームページをご覧ください。
公演情報WEBサイト https://www.nntt.jac.go.jp/opera/carmen/

*本公演は、新型コロナウイルス感染予防、拡散防止対策をとって上演いたします。
新国立劇場における新型コロナウイルス感染拡大予防への取り組みと主催公演ご来場の皆様へのお願い
https://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/23_017576.html

 

【新国立劇場2020/2021シーズンオペラ 『カルメン』
【公演日程】2021年7月3日(土)14:00/6日(火)18:30/8日(木)14:00/11日(日)14:00/17日(土)14:00/19(月)14:00
【会場】新国立劇場 オペラパレス
【スタッフ・出演】指揮:大野和士/演出:アレックス・オリエ/カルメン:ステファニー・ドゥストラック/ドン・ホセ:村上敏明/エスカミーリョ:アレクサンドル・ドゥハメル/ミカエラ:砂川涼子ほか
合唱:新国立劇場合唱団 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
【チケット料金】 S:27,500円 ・ A:22,000円 ・ B:15,400円 ・ C:8,800円 ・ D:5,500円・ Z(当日のみ):1,650円
【チケット前売開始】2021年6月12日(土)10:00~
【チケットのお求め】新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999 WEBボックスオフィス http://nntt.pia.jp/
※WEBボックスオフィスでは、ご自身で座席を選びながらチケットをご購入いただけます。各種割引チケットもお取り扱い中。
【アクセス】京王新線(都営新宿線乗入)初台駅中央口直結
【主催】新国立劇場

新国立劇場について

新国立劇場は、日本唯一の現代舞台芸術のための国立劇場として、オペラ、バレエ、ダンス、演劇の公演の制作・上演や、芸術家の研修等の事業を行っています。オペラ部門は2018年9月より世界的指揮者の大野和士が芸術監督に就任し、世界の主要歌劇場と比肩する水準のオペラ公演を年間およそ10本上演、高校生のためのオペラ鑑賞教室の実施等を行っています。
所在地:東京都渋谷区本町1-1-1

 

https://www.nntt.jac.go.jp/

【お客様からのお問い合わせ先】
新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10:00~18:00)

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