芸劇eyes番外編vol.3『もしもし、こちら弱いい派』公演関連企画体験型展示「かそけき声に目を凝らす」

公益財団法人東京都歴史文化財団のプレスリリース

会期  2021年6月29日(火)~7月4日(日)
時間  11:00~18:00(最終日は14:00まで)
会場  東京芸術劇場 アトリエウエスト(地下1階)
企画制作 かそけき声に目を凝らす」企画実行委員会
主催   公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
助成   文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等教科推進事業)
     独立行政法人日本芸術文化振興会

「弱いい派」って?
ここ数年『不寛容さ、身勝手な上から目線に対して、拳を振り上げて反対意見を唱えるのでなく、自らの弱さを肯定した上でそこにある価値をしなやかに示す作品』が若い演劇人の中で、顕著にみられるようになってきました。それらの共通点を「弱くていいよね」「ささやかですが、何か?」と作品全体が問いかける作風だとし、徳永京子氏が『弱いい派』と名付けています。

「『弱いい派』は糾弾や復讐、戦いではなく、毅然と、あるいは柔らかく、「弱いですけど、それが何か?」と問いかけて相手との関係をフラットにし、見下そう、切り捨てようとする先方を脱臼させる。立場は弱いと思われるのに、泣きも吠えもしない不戦勝の態度が「なぜそうしていられるんだろう?」と疑問を呼び、それが今の社会からすっかり失われてしまった想像力を押し広げるきっかけになればいい。“(震災)直後”よりも続く“その後”を生きていかなければならない私たちが、本当に戦わなければならないのはその時間であり、想像力はその長旅に耐える必須アイテムだからだ。」
(徳永京子、2018、『現代演劇のダイナミズム展』、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館)

演劇以外の応答の仕方の一つとして
この『弱いい派』に共通する流れを、演劇以外の方法でも表してみようと、いまある現実・社会に対しての眼差しを展示に発展させました。
今回の展示は「かそけき声は、壁よりも、その足下、気づかずに通りすぎたり、踏みつけられたりするような場所にあるのではないか」というイメージを出発点にしています。

「声」を「目」でとらえる体験型展示
展示会場内では「声」を「目」でとらえる工夫が凝らされています。来場者は薄暗くされた空間を懐中電灯で照らしながら、場内を歩いていきます。
立ち止まって「声」を眺めたり、かがみこんでじっと目を凝らしたり、音に耳を澄ましたり、通り過ぎたり…。それぞれの時間の過ごし方をお楽しみください。

「よわいい派」関連の展示物
7月の本公演で競演する3団体(「いいへんじ」「ウンゲツィーファ」「コトリ会議」)の過去作品の戯曲や小道具など、創作のヒントになったものや形作ったものをお借りして、展示します。
演劇公演を楽しむ助走になる展示でもあります。ご期待ください。

◆展示詳細:https://www.geigeki.jp/performance/event286/

【劇団紹介】
いいへんじ(作・演出:中島梓織)
2016年11月結成後、2017年6月旗揚げ。
早稲田大学演劇倶楽部出身の中島梓織と松浦みるを中心とした演劇団体。
答えを出すことよりも、わたしとあなたの間にある応えを大切に、ともに考える「機会」としての演劇作品の上演を目指しています。
個人的な感覚や感情を問いの出発点とし言語化にこだわり続ける脚本と、くよくよ考えすぎてしまう人々の可笑しさと愛らしさを引き出す演出で、個人と社会との接点を見出したいと考えています。
劇団HP:https://ii-hen-ji.amebaownd.com/   
Twitter:@ii_hen_ji
 
ウンゲツィーファ(作・演出:本橋龍)
2013年前身となる「栗☆兎ズ」結成後、2017年「ウンゲツィーファ」に改名。
劇作家「本橋龍」を中心とした人間関係からなる実体のない集まり。
創作の特徴はリアリティのある日常描写と意識下にある幻象を、演劇であることを俯瞰した表現でシームレスに行き来することで独自の生々しさと煌めきを孕んだ「青年(ヤング)童話」として仕立てること。
劇団HP:https://ungeziefer.site/   
Twitter:@kuritoz

コトリ会議(作・演出:山本正典)
2007年結成。
劇団の中核となる作家・山本正典は近未来を想起させるSF感あふれる壮大な設定の中に、現代社会における”ふつうの人”の持つ気持ちを反映させた物語を創作。その作品でもちいる言葉は、軽妙で笑えるが、詩情に満ちて切なくも響く。そして発話するテンポとボリュームを操り声や音を聴かせる演出を得意とする。
2016年におこなった地方3劇団協働の「対ゲキツアー」以降、単独ツアー公演をおもにした本公演と、イベント的な小規模公演、演劇祭では誰も狙わない”隙き間”を利用した神出鬼没な小作品を、規模によって変幻自在に上演している。
劇団HP:http://kotorikaigi.com/   
Twitter:@kotorikaigi

【公演情報】
芸劇eyes番外編 vol.3 『もしもし、こちら弱いい派―かそけき声を聴くためにー』
弱さを肯定する社会へ、演劇からの応答

公演日程:2021年7月22日(木・祝)~25日(日)
会場:シアターイースト(地下1階)
参加団体・上演作品:※3団体がショーケース形式でご覧になれます。
・いいへんじ   『薬をもらいにいく薬(序章)』
・ウンゲツィーファ『Uber Boy(仮)』
・コトリ会議   『おみかんの明かり』

https://www.geigeki.jp/performance/theater276/

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