【フェスは中止でオリンピックは開催…】大規模フェス中止に対する思いと開催に向けて私たちがすべきこととは

ゼネラルリサーチ株式会社のプレスリリース

この度、ゼネラルリサーチ株式会社(代表取締役:五條 寿朗、本社:東京都渋谷区)は、全国の20代~60代男女を対象に、「大規模フェス中止と東京オリンピック・パラリンピック開催」に関する調査を実施しました。

東京都を対象にした4回目の緊急事態宣言下での開催となった東京2020オリンピックですが、開幕後の7月28日には東京都の新規感染者数が1日として初めて3,000人を超え、また、全国の新規感染者数が1日として初めて9,000人を超えていずれも過去最多となるなど、感染拡大の“第5波”が深刻化しています。

東京2020オリンピックは開催に至りましたが、その一方で、8月に開催を予定していた「ROCK IN JAPAN FESTIVAL(ロック・イン・ジャパン・フェスティバル)2021」の中止が決定するなど、音楽フェスやフードフェスなどの中止が相次いでいます。

新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない中、大規模フェスの中止はやむを得ないとも言えますが、海外では集会やイベントの参加人数制限を撤廃する動きも出ています。

そこで、ゼネラルリサーチ株式会社では、全国の20代~60代男女を対象に、「大規模フェス中止と東京オリンピック・パラリンピック開催」に関する調査を実施しました。

◆詳細はこちら:https://general-research.co.jp/report37/

【調査結果のポイント】

  • 期待しているフェスと参加の意思
  • フェス中止はやむを得ないという方が多い一方で、我慢の限界に達しつつある方も少なくない
  • 海外では制限緩和の動きがあるものの、日本では不可能という方が半数以上
  • オリ・パラ開催によって『閉会後に開催されるフェスや大規模イベント開催条件の緩和』を期待する方も
  • 年代別|2022年以降のフェス開催に向けて私たちができること

【調査1:期待しているフェスと参加の意思】
はじめに、今年(2021年)開催されるフェスへの期待と参加予定について伺いました。

【図1】

「2021年の開催を楽しみにしているフェスを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『花火大会(58.5%)』という回答が最も多く、次いで『音楽フェス(フジロックフェスティバル ’21 など)(20.5%)』『フードフェス(まんパク2021 など)(19.3%)』『学園祭(4.1%)』と続きました。

年代別に見ると、若い年代ほど『音楽フェス(20代33.5%、30代25.6%、40代18.8%、50代15.4%、60代9.4%)』という回答の割合が高く、また、子育て世代にあたる30代、40代は、『フードフェス(20代21.7%、30代25.1%、40代20.6%、50代19.5%、60代8.9%)』という回答の割合が比較的高く、若者は音楽フェスを、ファミリー層はフードフェスを楽しみにしている方が多い傾向が見られました。

続いて、「そのフェスには参加する予定ですか?」と質問したところ、『感染状況などを見て判断する(46.6%)』という回答が最も多く、次いで『開催されても参加しない(41.0%)』『開催されれば必ず参加する(12.4%)』と続きました。

フェスの開催を楽しみにしてはいるものの、予断を許さない状況が続いている新型コロナウイルス感染拡大を鑑みると、参加を断念せざるを得ないという方も多い様子が窺えます。

年代別に見ると、20代、30代、40代の方は『感染状況などを見て判断する(20代51.2%、30代53.0%、40代44.4%)』という回答が最も多かった一方で、50代、60代の方は『開催されても参加しない(50代48.4%、60代45.8%)』という回答が最も多い結果となりました。

新型コロナウイルス感染症は高齢者の重症化リスクが高いと言われていますから、ワクチン接種が開始された現在でも、不要不急の外出を控えている中高年世代の方は多いのかもしれません。

【調査2:フェス中止はやむを得ないという方が多い一方で、我慢の限界に達しつつある方も少なくない】
感染拡大の“第5波”が深刻化してきていることなどから、今年開催予定の大規模フェスの中止を余儀なくされる事態が相次いでいます。

【図2】

そこで、「参加する予定だったフェスで中止が決定したものはありますか?」と質問したところ、『はい(28.6%)』『いいえ(71.4%)』という結果となり、参加予定のフェスが中止となってしまった方も少なくないことが分かりました。

では、中止が決定したフェスについてどのような思いでいるのでしょうか。

続いて、「中止となったことをどのように思いますか?(複数回答可)」と質問したところ、『感染拡大を防ぐためにはやむを得ない(73.3%)』という回答が最も多く、次いで『主催者やアーティスト・出展者のことを考えると残念で仕方ない(39.3%)』『我慢の限界に達しつつある(24.8%)』『経済的損失が計り知れない(22.8%)』『文化的損失が計り知れない(14.9%)』と続きました。

やはり、感染拡大を防ぐためには中止せざるを得ないというのが、多くの方に共通する思いと言えそうです。

年代別に見ると、20代、30代は『主催者やアーティスト・出展者のことを考えると残念で仕方ない(20代44.0%、30代41.1%、40代38.5%、50代39.3%、60代32.8%)』という回答の割合が高く、若い世代の方はコロナ禍での開催を実現するために尽力してきた方々のことを思う気持ちが強い様子が窺えます。

また、60代を除く年代で『我慢の限界に達しつつある(20代26.7%、30代28.6%、40代28.9%、50代23.2%、60代17.2%)』という回答が2割を超え、長期化する自粛生活に疲弊している方は少なくない様子も見えてきました。

では、withコロナへと突入したこれからの時代のフェスはどうあるべきなのでしょうか。

【図3】

そこで、「withコロナでもフェスを開催するにはどのようにすべきだと思いますか?(複数回答可)」と質問したところ、『1日あたりの来場者数を制限する(42.1%)』という回答が最も多く、いわゆる“3密”を避けるためやソーシャルディスタンスを確保するためにも、1日あたりの来場者数を制限したり、オンライン開催が可能なものはオンラインに切り替えたりするなどしてフェスの開催を願う方が多いようです。

年代別に見ると、年代が上がるほど『ワクチン接種証明書の提示などを参加者に義務化する(20代29.1%、30代34.4%、40代38.1%、50代40.0%、60代43.4%)』という回答の割合が高く、中高年の方は、海外では既に大規模イベントの来場者に対する実施例もあるワクチン接種証明書の提示などの義務化を望んでいる様子が窺えます。

【調査3:海外では制限緩和の動きがあるものの、日本では不可能という方が半数以上】
英イングランドでは7月19日から、新型コロナウイルス感染拡大に伴う法的規制の大半が解除され、集会やイベントの参加人数制限や、劇場や映画館の座席制限が撤廃されました。
イギリスでは現在、デルタ株による感染が拡大していますが、その一方で、成人の9割近くが1回目のワクチン接種を受けており、2回の接種を完了した人も7割を超えています。
(参照:イギリス政府公式WEBサイト → https://coronavirus.data.gov.uk/

また、英イングランドに先立ち、米ニューヨーク州やカリフォルニア州では6月15日からコロナ対策の規制を緩和するなど、海外では新型コロナウイルス関連の規制を緩和する動きが出ていますが、日本においてもそれは可能なのでしょうか。

【図4】

そこで、「海外では大規模イベントの制限を緩和する動きが出ていますが、日本でもそれが可能だと思いますか?」と質問したところ、『可能だと思う(45.3%)』『不可能だと思う(54.7%)』という結果となりました。

日本では、まだ大規模イベントの制限緩和は難しいと考える方が多いようです。

不可能だと思う理由とは何なのでしょうか。

前の質問で『不可能だと思う』と回答した方に、「日本での大規模イベントの制限緩和が不可能だと思う理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『今緩和すると感染再拡大のリスクが高まる(66.5%)』という回答が最も多く、感染拡大に歯止めがかからない中、制限緩和によってさらにリスクが高まると考える方は非常に多いようです。

また、日本国内でワクチン接種を受けた人の全人口に占める割合(※1)は、1回目の接種を終えた人が38.0%、2回目の接種を終えた人が27.0%(いずれも7月28日現在)ですから、『ワクチン接種など国や自治体のコロナ対応スピードが遅い(61.7%)』という理由で制限緩和は不可能だと思う方が多いのも当然と言えるのかもしれません。
(参照:首相官邸『新型コロナワクチンについて』 → https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html
(※1)全人口には、ワクチン接種の対象年齢に満たない子どもも含みます。

年代別に見ると、20代を除く年代で『国民のワクチン接種への意識がまだ低い(20代23.9%、30代31.7%、40代37.5%、50代34.5%、60代33.9%)』という回答が3割を超えた一方で、20代は2割台に留まり、最も低い結果となりました。

若い世代のワクチン接種に対する意識はまだまだ低いのが現状なのかもしれません。
大規模フェスの開催を実現するには、若い世代から中高年世代まで、国民一人ひとりの感染防止対策の意識を高める必要があると言えるでしょう。

【調査4:オリ・パラ開催によって『閉会後に開催されるフェスや大規模イベント開催条件の緩和』を期待する方も】
開幕前は開催自体を反対する声も多かった東京2020オリンピックですが、開会式を生中継したNHK総合の平均視聴率は関東地区で56.4%、関西地区で49.6%(ビデオリサーチ調べ)と、前回1964年のオリンピック開会式(関東地区61.2%)に迫る高視聴率となり、また、日本選手が連日金メダルを獲得するなど、開幕後は非常に大きな盛り上がりを見せています。

しかしながら、7月28日の新規感染者数は東京都で3,177人と、1日の発表として初めて3,000人を超えて過去最多となり、また、全国の新規感染者数は9,576人と、こちらも1日の発表として初めて9,000人を超えて過去最多となりました。
さらに、出場するために海外から来日した選手を含む大会関係者の感染も相次いでいます。

予断を許さない状況が続いていますが、東京オリンピック・パラリンピックの開催によって感染再拡大を懸念している方はどれくらいいるのでしょうか。

【図5】

そこで、「東京オリンピック・パラリンピックの開催によって感染再拡大が加速してしまうと思いますか?」と質問したところ、『とてもそう思う(50.6%)』『ややそう思う(34.3%)』『あまりそう思わない(11.0%)』『全くそう思わない(4.1%)』という結果となり、8割以上の方が、東京オリンピック・パラリンピックの開催によって感染再拡大が加速してしまうと見ていることが分かりました。

【図6】

続いて、「感染再拡大が懸念される中、開催へと踏み切ったことによって期待したいことを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、全ての年代で『期待したいことはない(20代48.3%、30代47.0%、40代44.8%、50代44.7%、60代57.6%)』という回答が最も多かったものの、20代、30代、50代の方は、『閉会後に開催されるフェスや大規模イベント開催条件の緩和(20代19.7%、30代20.9%、40代16.6%、50代18.6%、60代9.4%)』という回答の割合が比較的高く、コロナ禍での開催となった東京オリンピック・パラリンピックの成功が、フェスや大規模イベント開催の試金石となることを期待している様子も窺えます。

■全体の結果
『期待したいことはない(48.4%)』『国内経済の活性化(29.7%)』『コロナ禍でのオリ・パラ開催のロールモデルの構築(17.9%)』『閉会後に開催されるフェスや大規模イベント開催条件の緩和(17.1%)』『社会保障の充実(11.9%)』

【調査5:年代別|2022年以降のフェス開催に向けて私たちができること】
東京オリンピック・パラリンピックの開催によってフェスや他の大規模イベントに対する開催条件の緩和を期待する声も挙がりましたが、残念ながら、今年の開催を断念したフェスやイベントも数多く、また、現時点では開催予定のフェスなども、感染状況次第では中止となる可能性もあるでしょう。
では、来年(2022年)以降のフェス開催を実現するためには、私たちは何をすべきなのでしょうか。

【図7】

そこで、「2022年以降のフェス開催に向け、私たちにできることやすべきことを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、40代、50代、60代の方は『コロナワクチン接種の徹底(20代58.6%、30代51.6%、40代63.7%、50代67.4%、60代70.9%)』という回答が最も多かった一方で、20代、30代の方は『感染防止対策の再徹底(20代61.1%、30代55.8%、40代58.7%、50代54.0%、60代68.5%)』という回答が最も多い結果となりました。

先の調査では、若い世代のワクチン接種に対する意識は低い様子が窺えましたが、20代、30代の方の半数以上が『コロナワクチン接種の徹底』と回答していることから、決して意識が低い訳ではないものの、現在はワクチン接種の順番を待っている段階であることなどから、中高年の世代の方からは「関心が低い」ように見られてしまうのかもしれません。
少なくとも、ワクチン接種の徹底や感染防止対策の再徹底を図り、新型コロナウイルスの感染拡大という未曾有の事態を収束させたいと願っているのは、全ての年代の方に共通している思いと言えそうです。

■全体の結果
『コロナワクチン接種の徹底(62.4%)』『感染防止対策の再徹底(59.5%)』『危機意識の充足(45.5%)』『経済活動の維持・加速(26.0%)』『新たな価値観の創造(24.7%)』『文化活動の維持・加速(19.0%)』

【総括】フェスの中止はやむを得ないが、東京オリンピック・パラリンピックの成功が来年以降の開催実現のカギを握る
今回の調査で、みなさんのフェスに対する思いが見えてきました。
感染拡大の“第5波”が深刻化しており、大規模フェスの中止が相次ぐ中、オリンピック・パラリンピックの開催によって感染再拡大を加速させてしまうリスクがあることなどから、中止はやむを得ないという方は多いようです。

また、英イングランドではロックダウン政策の大半を解除し、大規模イベントへの参加人数制限を撤廃するなど、海外では新型コロナウイルス関連の制限を緩和する動きが出ていますが、日本は対応スピードが遅いことなどから、その動きに同調することは難しいと見ている方も多いことが分かりました。

デルタ株などの変異株への感染が急増し、収束の兆しが一向に見えないコロナ禍ですが、来年以降のフェスを無事に開催へと導くためには、私たち一人ひとりにできることを着実に行い、感染拡大を何としてでも抑えていかなければなりません。

その試金石とも言える東京オリンピック・パラリンピックですから、感染防止対策を再徹底した上で、無事に成功裏へと導く必要があると言えるでしょう。

ゼネラルリサーチでは、今後も引き続き調査を継続してまいります。

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■調査概要:「大規模フェス中止と東京オリンピック・パラリンピック開催」に関する調査
■調査期間:2021年7月21日(水)~2021年7月22日(木)
■調査方法:インターネット調査
■調査人数:1,059人(20代203人、30代215人、40代223人、50代215人、60代203人)
■調査対象:全国の20代~60代男女
■調査主体:ゼネラルリサーチ
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