株式会社毎日放送のプレスリリース
『京都知新』
2月16日(日) 午前6時15分放送
生き生きと躍動的に、そして細密に。高価な絵の具を使い色鮮やかに描かれた『雪中雄鶏図』。一方で、漫画のようなユーモラスな表情を見せる水墨画。
近年、圧倒的な人気を博している江戸中期の画家、伊藤若冲の作品です。若冲のコレクターであり、若冲没後220年を記念した『京都の若冲とゆかりの寺』と題した展覧会の監修も行うのが、今回の主人公、細見美術館 館長 細見良行さんです。今年1月~5月に、京都・大阪・日本橋・横浜の髙島屋を巡回するこの美術展で1月に開催した京都では、なんと6万人が来場しました。
良行さんは、昭和の実業家の家に生まれました。1998年、細見家三代が70年余りをかけで蒐集した日本美術コレクションを礎として、京都・岡崎に『細見美術館』を開館しました。当時、国内ではまだ日本美術を褒める風潮はなく、マスコミの関心は、西洋美術一辺倒。「印象派でなければ美術ではない」とされてきた逆風の中、あえて美術館を開館したのは、一人でも多くのひとに日本美術の魅力を伝え、広めたい。そんな気持ちからでした。
良行さんは、裏千家の茶人として茶会を開催するなど伝統文化の普及にもつとめています。驚くべき先見性と審美眼で蒐集された美術品が生きた道具として今も使われています。
若冲の他に、良行さんが力を入れて展覧会を開いてきたのが、俵屋宗達や尾形光琳に代表される『琳派』の作品です。これは、主に父・實(みのる)さんが蒐集してきました。開館から20年、若冲をはじめ日本美術にも関心がよせられるようになった2018年秋、「日本美術の凄さを世界中にアピールしたい」とヨーロッパ初公開となる国宝『風神雷神図屏風』や細見コレクション等を展覧し、パリから琳派の美を伝えることに成功しました。日本人のDNAに宿る美意識のすばらしさをどう発信していくか…
今春、岡崎公園内にリニューアルする『京都市京セラ美術館』。この開会記念展と連動し、良行さんは、また新たな企画を考えています。
【番組名】京都知新
【放送時間】2020年2月16日(日)あさ6時15分~6時30分 (関西ローカル)
【出演】細見美術館 館長 細見良行
ナレーター 升 毅
他
【INFORMATION】
細見美術館
京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
TEL:075-752-5555
WEBサイト
https://www.emuseum.or.jp/