所沢に日本の妖怪、世界のモンスターが集結!? 『世界妖怪会議』開催のご報告

株式会社KADOKAWAのプレスリリース

映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』公開記念。ところざわサクラタウンにて、荒俣宏、所沢市長がリアル登壇で、岩手県知事、徳島県副知事、鳥取県知事、フランス、ドイツ、チェコ、タイ、フィリピンの政府観光局関係者がリモートで集結。

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、株式会社KADOKAWAは、8月7日(土)、埼玉県所沢市の「ところざわサクラタウン」にて、「世界妖怪会議」を開催いたしました。今月13日公開の映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』の公開を記念して行われた本イベント。映画で描かれる世界妖怪会議、通称ヤミットを再現したイベントで、劇中では日本の妖怪と世界のモンスターが未来を語り合います。今回は、所沢、岩手県(達増拓也岩県知事)、徳島県(後藤田博徳島県副知事)、島根県(平井伸治鳥取県知事)、各国政府観光局をリモートでつなぎ、各地のご当地妖怪・モンスターのプレゼンに加え、妖怪コスプレで登場した荒俣宏の解説も入る非常に中身の濃い内容。予定していた90分を10分延長するほどの盛り上がりとなりました。会議の最後は狐面をかぶった藤本正人・所沢市市長が“ヤミット宣言”を採択し閉幕致しました。

「世界妖怪会議」
【日 時】 2021年8月7日(土)
【場 所】 ところざわサクラタウン ジャパンパビリオン ホールB 埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
【出 演】
・登壇者    荒俣宏、藤本正人(所沢市長)
・リモート  達増拓也(岩手県知事)、後藤田博(徳島県副知事)、平井伸治(鳥取県知事)、
登壇者  フレデリック・マゼンク(フランス観光開発機構 日本代表)、ミルドレッド・寺島(フランス観光開発機構)、西山晃(ドイツ観光局アジア地区統括局長/日本支局長)、シュテパーン・パヴリーク(チェコ政府観光局日本支局長)、ヤクブ・ヴァーレク(チェコセンター東京)、麻生理子(チェコ政府観光局PR&マーケティングマネージャー)、セークサン スィープライワン(タイ国政府観光庁東京事務所所長)、久保野加奈子(神田外語大学学生)、谷中彩来(神田外語大学学生)、 山本ジェニファー(フィリピン観光省東京支局PR&マーケティングマネジャー)

※イベントの模様は、8月13日(金)より、Youtube KADOKAWA映画チャンネルで公開予定
https://www.youtube.com/channel/UCHjj-qlJhYWDacFwnaewV6Q

イベントレポート
いよいよ8月13日より公開される、映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』の劇中にも登場する「ヤミット」を再現した「世界妖怪会議」が実施された。ヤミットとは、世界各地の妖怪たちが一堂に会する会議であり、劇中でも、日本のみならず、世界の妖怪たちが集う様子が描かれているが、今回の「世界妖怪会議」にも各国、各県の代表が集まり、各地の妖怪を紹介し、妖怪の生きる道について活発なディスカッションが行われた。

会場となったところざわサクラタウンのジャパンパビリオンホールには、映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』と舞台となった所沢市から、藤本正人所沢市長が狐面を着けて登壇。さらに映画の製作総指揮を務めた荒俣宏は「妖怪の道がない!これ(ステージへの階段)は人間の道だ、、」とステージをよじ登りながら登場。各国、各県の代表は、妖怪のコスプレや国を代表する衣装をまとってリモートでの参加となった。

会議の冒頭では、藤本市長による開会の挨拶が行われ、映画の舞台となった所沢が妖怪と縁のある土地であることを紹介。コロナ禍だからこそ、世界妖怪会議を通して人間とは何か、自然とは何か、日本とは世界とは、と思い起こしながら語り合えればと会議への思いをコメント。映画を見た後は、聖地マップを片手に所沢を訪れ、狭山丘陵や名所名跡をまわり映画の世界を堪能してほしいと語り、世界妖怪会議の開会を宣言。

続いて荒俣も、映画を作るにあたって一番考えたのは所沢のことだと話し、かつて武蔵野と呼ばれた所沢には、2万年の昔から妖怪がいたと所沢と妖怪の関連をアピール。さらに昨年大ブームになったアマビエに言及し、「令和は妖怪の時代です。(アマビエは)妖怪好きな人でも知らないですよ。そういうものが復活して、妖怪のご利益が重要視されるようなった。そういう時代の映画です。妖怪の文明を感じてほしい。」と話した。

開会宣言に続いて、参加者のプレゼンテーションがスタート。
岩手県からは達増拓也県知事が登場。遠野市のカッパ淵では「カッパ捕獲許可証」があればカッパを捕まえられることや、二戸市の緑風荘で有名な座敷童を紹介。さらに岩手の県名の由来は、悪さをしていた鬼が”もう悪さをしない”という誓いとして岩に手形を残したこと、それを喜んだ村人の踊りがさんさ踊りだと、現在も残る妖怪文化をアピール。柳田國男の遠野物語に描かれたような豊かな自然は今も残っていると語った。

これに対し荒俣も、「カッパの捕獲許可証持ってますよ。捕まえたことはないですが。絶滅危惧種だからあまり捕まえないでね。」とコメントした。

徳島県からは後藤田博副知事と徳島生まれの妖怪こなきじじいが登場。数多くの妖怪伝承地が残る、徳島西部・三好市山城町について紹介した。60種の妖怪と190か所の妖怪伝承地があり、児啼爺(こなきじじい)のふるさとであることを広く後世に残すために建てられた石像のほか、駅長である「木彫りの児啼爺」がお出迎えするJR大歩危駅、妖怪ヒダルガミをモチーフにした「ひだるラーメン」などの郷土料理、毎年11月に開催される「妖怪まつり」など町ぐるみで妖怪の伝承とPRに取り組んでいると語った。

続いて鳥取県からは平井伸治知事が鬼太郎のコスプレで登場、「ゲゲゲの知事太郎平井と申します」と挨拶。2005年公開の『妖怪大戦争』にも登場した妖怪・麒麟獅子を紹介したほか、世界で唯一妖怪の名前を冠した米子鬼太郎空港や、177体の妖怪ブロンズ像が並ぶ水木しげるロード、「ねずみ男駅」など駅名に妖怪の名前を付けた鬼太郎列車などを紹介した。荒俣は、水木しげるロードにブロンズ像が登場した当初を振り返り、23体だった妖怪像が117体まで増えた盛り上がりに触れ「妖怪が幸せを持ってくる証拠になりました!先進県ですね。」とコメントした。

さらに各国の代表もそれぞれの国に伝わるモンスターについてアピールした。
フランスからは、フランス観光開発機構から、在日代表フレデリック・マゼンク氏とミルドレッド・寺島氏が登場。フランスでは誰もが知るというモンスター、タラースクを紹介。1200年前に南フランスで活躍しており、ローヌ川に潜んで船を襲っていたという、亀の身体にライオンの顔、蛇のようなしっぽを持ち、火も吹くという怪獣が映し出されると、荒俣も「見たことない!」と驚いた様子を見せた。今でも大切な存在としてタラースクにまつわる祭りも毎年行われており、子供たちに川の危なさを伝えたり、自然を尊敬する意識は現在にも受け継がれ、多くの遺産や自然が美しいまま残される礎になっていると語った。

ドイツからは ドイツ観光局 アジア地区統括局長/日本支局長の西山晃氏が魔法使いの衣装で登場。ドイツだけでなくヨーロッパ全域で伝承があり負のイメージを持たれがちな魔女の中でも、箒に乗って空を飛ぶ明るいイメージの魔女はドイツのハルツ地方が発祥と紹介。ハルツ地方は木骨組の家など中世の街並みが残る地域で、毎年4月には魔女のお祭り、ヴァルプルギスの夜が開催されており、伝承が広まるきっかけとなったゲーテの代表作「ファウスト」でも描かれるように、ブロッケン山の山頂に魔女や魔法使いの仮装をした人が多く集まるにぎやかな祭りの様子をアピールした。荒俣も「(水木)しげる先生と行きました!どこを見ても魔女だらけだった」とにぎやかな街の様子を懐かしんだ。

続いてチェコの代表が映し出されると、チェコセンター東京のヤクブ・ヴァーレク氏の隣には緑色の髪と肌に大きく飛び出した目を持つモンスターの姿が。実はこのモンスターの正体はチェコの妖怪ヴォドニークに扮したチェコ政府観光局日本支局長のシュテパーン・パヴリーク氏。ヴォドニークは川や池、特に水車の近くを好んで住む妖怪で、緑の髪と肌、魚のような目を持ち、裾が必ず濡れている燕尾服を着ていると紹介。さらにはトランプや、柳の木の上で夜中に靴を修理するのが好きなど、ユニークな特徴も。悪い人間は溺れさせて、手に持った蓋つきのポットに魂を保管するという恐ろしいヴォドニークと、洪水から人々を守り、大漁をもたらすという良いヴォドニークがいると話した。荒俣もカッパとの共通点を指摘しつつ、「良いか悪いか区別はつかないけどいるというのは日本でも一緒。ある時はよくなりある時は悪くなる。自然と一緒ですから。自然の象徴じゃないですかね」と遠く離れた地ながら、共通点を持つ妖怪に感心していた。

タイのプレゼンでは、冒頭にタイ国政府観光庁東京事務所 所長のセークサン・スィープライワン氏が「ロマンチックな妖怪を紹介します。」と挨拶。プレゼンテーションは神田外語大学 外国語学部 アジア言語学科 タイ語専攻 2年の久保野加奈子さん、谷中彩来さんが行い、ナンナーク(メーナーク)という女性の霊を紹介。夫が戦争に出征している間に難産で子供と共に死んでしまった妻が、死んでなお夫の帰りを待ち続けたというエピソードは、今でも語り継がれ、実際に彼女の墓があるマハープット寺院は観光地としても有名で、この話をモチーフにした数多くの映画も存在するとアピールした。実は怖い話でもあると紹介した荒俣だったが、映画にすることで悲しい話として定着した例だと語り、「妖怪大戦争もナンナークを超えよう!」と意気込みを見せた。

最後にプレゼンテーションを行ったフィリピンからは、フィリピン観光省東京支局PR&マーケティングマネジャーの山本ジェニファー氏が登場。フィリピンの島々と同じくらいあるというモンスターの話の中から、ティクバランという胴と手は人間、頭と足は馬の形をした、スピードといたずらで有名なモンスターを紹介。晴れているのに雨が降ることを日本では「狐の嫁入り」と呼ぶが、フィリピンでは「ティクバランの嫁入り」と呼ぶことや、ティクバランと戦って勝つと背中に乗って一瞬で世界中、さらに異世界へも行けることなどを語った。荒俣も知らなかったというティクバランだが、フィリピンではかなり有名で、自然を大事にすべきという教えとして語り継がれていると話した。

各県・各国のプレゼンテーションが終わると、日本の妖怪を世界に打ち出すためにはどうアピールしていけばよいのかという議論に。チェコの代表からは「ヴォドニークがいるので、カッパはチェコでも人気になるんじゃないかと。カッパもかわいい見た目をしているので、一緒に冒険できれば面白い」という意見が上がった。これには荒俣も「ヴォドニークとカッパの対談とか聞きたいですね」と早くも次回の世界妖怪会議に期待を寄せた。さらにドイツからは、ローカルなモノである日本の伝承を他の国に伝えるには、全く異なる手段を取る必要があるとして、アニメやゲームといったメディアによってキャラクターが広まっていく可能性について意見が上がった。

各国の話を聞いた荒俣は「妖怪との付き合い方は違えど、妖怪自体には共通点がある。タラースクみたいな合体獣は日本でも鵺や八岐大蛇や玄武がいる。ナンナークも「雨月物語」の浅茅が宿と一緒。」と今回の会議が、妖怪と世界のモンスターたちの共通点に気付ける場になっていると語った。さらに「昔はおばあちゃんが口で伝えたりしていたけど、それがなくなった今、アニメやゲームで発信するというのは色んなところでできるのではないか」と今後の妖怪文化の広がりにも期待を見せた。

最後に、藤本所沢市長が再び登壇し「妖怪は家族を大切にします!妖怪は友達を大切にします!そして妖怪は子供たちと仲良くします!」とヤミット宣言を発し、世界妖怪会議は盛況のうちに幕を閉じた。

【「世界妖怪会議」についてのお問合せ先】
角川メディアハウス 田中:t-tanaka@kmh.kadokawa.co.jp、伊吹:y-ibuki@kmh.kadokawa.co.jp
菅野:h-sugano@kmh.kadokawa.co.jp

 

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