河出書房新社のプレスリリース
おのれの内部によるべき核がなければ、表現などという仕事はつとまりはしない。
その核が、私にとっては「死」だった。あの夏の日、私たちの手に残骸をゆだねた「死者たち」であった。
(エッセイ「死は御破算、それが核となって」より)
株式会社河出書房新社(東京都渋谷区/代表取締役社長小野寺優)より、春日太一責任編集『文藝別冊 深作欣二――現場を生きた、仁義なき映画人生』が本日2021年9月16日に発売となりました。
『文藝別冊 深作欣二』は、『仁義なき戦い』シリーズをはじめ、『柳生一族の陰謀』『復活の日』『蒲田行進曲』『バトル・ロワイアル』など数々のヒット映画を世に送り出し、『キイハンター』『傷だらけの天使』『必殺』シリーズ他ドラマ作品の演出を手掛けた、映画監督・深作欣二の実像とその作品世界の魅力に迫った総特集号。
深作組スタッフ、ゆかりの俳優総勢27名へのインタビューでは、各作品の製作背景、当時の撮影状況を振り返りながら、監督・深作欣二の映画に対する飽くなき情熱と熱気、人間・深作欣二の他を惹きつける魅力と人柄が口々に語られています。
深作作品を語る上で欠かせない存在、千葉真一さん生前最後となるロングインタビューも収録されています。
1953年東映入社から、2003年1月惜しまれながらこの世を去るまでの50年間、多くの傑作、問題作を残し、衝撃を与え続けた稀代のエンターテイナー深作欣二とは何者だったのか。時代劇・映画史研究家・春日太一氏が責任編集を務め、その核心に触れる様々な声、言葉をあつめた本書は、熱心な深作ファンは勿論、初めて作品に触れる方にもおすすめの一冊です。
- 内容紹介
『仁義なき戦い』シリーズで東映実録路線を決定づけ、その後も『蒲田行進曲』『忠臣蔵外伝 四谷怪談』『いつかギラギラする日』『バトル・ロワイアル』など、数々の問題作を世に送り出した映画監督・深作欣二。懐の深い人間観に支えられた飽くなき映画への情熱と、熱気溢れる撮影現場から、今なお新しい作品の魅力に迫る!
- 本書の主な内容
・書き下ろし、渾身の130,000字!!
春日太一「総論 現場に生きた、仁義なき映画人生」
・フカサクを誰よりも知る存在、千葉真一生前最後の貴重なロングインタビュー
千葉真一(俳優)「泣きたいんだよ、泣かせてくれよ」
・メディア出演が限られる志穂美の貴重な語りおろし!
志穂美悦子(俳優)「日本にいない女優になり続けろ!」
・悪役商会×フカサク
八名信夫(俳優)「撮影は命がけ、監督はそれが嬉しいんだよ!」
・「仁義なき戦い」制作秘話
高田宏治(脚本家)「作さんに『ちょっと冒険してみるけどええか?』って言うたのよ」
・大部屋俳優たちによる座談会が実現!
峰蘭太郎×白井滋郎×細川純一
「僕らのところへ直に来てくれた、初めての監督――東映京都撮影所所属俳優が語る深作欣二」
・『蒲田行進曲』の舞台裏
風間杜夫(俳優)「舞台どおりやってくれ、それを俺が撮る!」
・表現を巡る熾烈な攻防!
木村大作(カメラマン)「撮影で行った南極の思い出」
・『忠臣蔵外伝 四谷怪談』はいかにして生まれたのか?
佐藤浩市(俳優)「『四谷怪談』の伊右衛門を演りたかった」
・「必殺」シリーズ好きにはマスト!
石原興(カメラマン)「深作さんの勢いが『必殺』の成功を生んだ」
・名優が語る深作欣二
石橋蓮司(俳優)「監督、チェルノブイリに行くんですか!」
・『バトル・ロワイアル』の壮絶な舞台裏!
深作健太(プロデューサー/脚本/共同監督)「父・深作欣二 乱調のドラマツルギー」
など、盛り沢山の内容です!
- 本書目次
写真提供=深作健太
協力=ワイズ出版
【著者紹介】
春日太一(かすが たいち)
1977年東京都生まれ。時代劇・映画史研究家。日本大学大学院博士後期課程修了(芸術学博士)。著書に『天才 勝新太郎』『仁義なき日本沈没』『仲代達矢が語る 日本映画黄金時代』『あかんやつら』『なぜ時代劇は滅びるのか』『五社英雄』『役者は一日にしてならず』、共著に『文藝別冊 萩原健一』『文藝別冊 渡哲也』など。
【書誌データ】
書名:『文藝別冊 深作欣二——現場を生きた、仁義なき映画人生』
著者名:責任編集=春日太一
予価:本体1,620円(税込1,782円)
体裁:A5判/並製/320頁
ISBN: 978-4-309-98033-1
発売日:2021年9月16日
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309980331/