国立音楽大学がデジタル楽譜サービス 「Henle Library Campus Edition」を日本の大学で初めて導入

国立音楽大学のプレスリリース

国立音楽大学(読み:くにたちおんがくだいがく、所在地:立川市、学長:武田 忠善、以下「本学」)は、ピアノ楽譜の原典版などで定評のあるヘンレ社(注1)が運営するデジタル楽譜サービス「Henle Library Campus Edition」を日本の大学で初めて導入しましたのでお知らせいたします。
本サービスの導入は、アメリカのジュリアード音楽院、イギリスの王立音楽院等世界の名だたる音楽大学に続く導入となります。ヘンレ社が運営する「Henle Library」を図書館が機関契約することにより、学生、教員等がタブレット上で楽譜を無料で利用できるほか、様々な機能を活用して、オンラインでのレッスンや情報共有、キャンパス外での学修、楽譜への書き込みによる学修成果の蓄積や振り返りなどの効果が期待できます。

「Henle Library」はタブレット上で楽譜を利用できます (C)G. Henle Verlag

1.発表のポイント
●日本の大学で初めて「Henle Library Campus Edition」を導入しました。
●タブレット上で楽譜を利用できる他、様々な機能を活かして、オンラインでのレッスンや情報共有、キャンパス外での学修、学修成果の蓄積や振り返りなどに効果が期待できます。
●オンラインやキャンパス外での学修のサポートの重要性が高まる中、コロナ禍においても学びを止めることなく、さらに深化できるようなサポート体制を整えます。

2.発表内容
○導入の背景
本学では2020年4月、新型コロナウイルス感染拡大により学生の構内への立ち入りが原則として禁止となりましたが、同年5月11日からのオンライン授業の開始に伴い、5月7日より図書館資料の宅配貸出を行ってまいりました。この制度は、本学の在学生、教員を対象として、授業に必要な図書や楽譜を宅配便にて送付するもので、学生への貸出は大学負担により実施しました。学生たちの学びの機会を確保する本制度は多くの学生、教員が利用しましたが、コロナ禍をきっかけとしてオンラインを含む学外での学修サポートはその役割の重要度を増しています。

本学の附属図書館では、楽譜15万点、図書15万点を含む約40万点を所蔵する一方、オンラインデータベースや楽曲・映像配信サービスとも契約を結び、館内あるいは自宅からもアクセスできる環境を整えてきました。国内外のジャーナルや世界的に権威のある音楽辞典、著名なオーケストラ団体の演奏会をオンラインで視聴できるコンテンツなど、学生、教員の研究活動を支えるオンラインサービスの充実にも努めています。
この度の「Henle Library」の導入は、これまでの本学図書館サービスのさまざまな積み重ねのうえに成り立っているといえます。

○Henle Libraryの活用
ドイツに本社を置くヘンレ社は原典版楽譜に定評があり、音楽学習者にとって身近な楽譜の一つです。とりわけ、本学図書館においてはピアノの楽譜の貸出実績が豊富にあり、多くの学生、教員の研究活動を支えてきました。デジタル楽譜アプリ「Henle Library」はその役割をオンライン上に移し、これまでの紙の楽譜と同様、前書きや校訂報告書はそのままに、複数の運指の可能性の表示、メトロノーム機能等に加え、書き込んだ情報をグループでシェアするなど、オンラインレッスンや学生同士のグループ学修等においても十分に学修効果を高めることが期待できます。まずはピアノを専門とする教員・学生で運用を始めますが、効果を検証して今後全学での利用も視野に入れています。

本学図書館創設時から受け継がれてきた図書・楽譜・雑誌などの紙の資料と、オンラインデータベースや新たなメディアを併用しながら、学生・教員に幅広い選択肢を提供し、本学の基本的理念である「良識ある音楽家、教育家の育成」に貢献していく所存です。

3.用語解説
注1 ヘンレ社(G. Henle Verlag)…ドイツの楽譜出版社。1948年創業、本社はミュンヘン。独特の青色の表紙で知られ、高品質の原典版楽譜に定評があります。

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