【11/20 講演会】コロンビアで平和の種をまき続けて12年、羽田野香里さんが「日本文化をベースにした演劇」にこだわるわけ

特定非営利活動法人 開発メディアのプレスリリース

50年以上続いた紛争で国内避難民を世界で最も多く出している南米コロンビアに、日本語教師をしながら、12年にわたって平和教育をする日本人女性がいます。北海道出身の羽田野香里さんです。彼女が選んだ平和教育の手法は「日本文化をベースにした演劇」。講演会ではその活動について語ってもらいます。

50年以上続いた紛争で、およそ740万人(国民の15%)が国内避難民(海外ではなく、国内の別のところに逃れた人たち)となったコロンビア。この数は世界最多です。

世界最大の麻薬組織メデジンカルテルの拠点がかつてあった街が、コロンビア第2の都市メデジン。ここで12年前から、日本の文化を使って、「平和の種」をまき続ける日本人女性がいます。

メデジンの大学で日本語を教える羽田野香里さんです。といっても羽田野さんは単なる日本語教師ではありません。コロンビア人が日本文化に触れられるサークル「メデジン日本クラブ」を主宰しています。このメデジン日本クラブがすごいのです!

何がすごいのか? そのひとつがこれです。

メデジン日本クラブのメンバーを中心とするボランティア(コロンビアの大学生を中心に、高校生から社会人まで25人くらい)は毎年、クリスマスのシーズンに、平和教育につながる「サンタプロジェクト」を手がけています。

サンタプロジェクトとは、メデジンの児童養護施設や国内避難民が多く暮らすエリア、先住民保護区(レスグアルド)の子どもたちに向け、日本の神話や昔話などをベースにしたオリジナルの演劇を公演すること。演劇を通して、考えが異なるから争うのではなくて、お互いを認め合おうよといった価値観を伝えることを目指します。

羽田野さんは言います。

「コロンビアではいまだに、人々の心の中に根深い憎悪が影を落としています。異文化に触れることで、意見や価値観が違う人同士であっても理解し、尊重しあえるようになります。子どもたちの心の中に、劇を通して平和の種をまいていきたい」

貧富の差が激しいコロンビアでは、富裕層の家庭の子どもは海外旅行や留学へ行く半面、貧しい地域の子どもは半径数キロという狭い世界で生きています。貧しい子どもが異文化に触れる機会はほとんどゼロ。閉ざされた空間の中にいる子どもたちが「世界への好奇心」をもち、視野を広げることが平和への一歩につながる、というのが羽田野さんの信条です。

ただ残念なことに、コロナ禍の影響が続く今年は、みんなで集まって演劇の練習ができません。そこで、紙芝居を公演することにしました。公演の題材となるのは、日本神話に登場する、岩でできた洞窟である「天岩戸」。羽田野さんは「(外国人だけではなく)コロンビア人の若者たち自身が異文化を紹介し、楽しむ姿を見せることで、子どもたちに世界の広さとおもしろさを伝えたい」と話します。

平和教育に関心のある方、どこの組織にも属さないで平和教育を実践していきたい方、JICA海外協力隊でこれから派遣される方、日本に帰国して何をしようか迷っている方、ラテンアメリカに興味をおもちの方に特におススメです。

参加費の収益は100%、サンタプロジェクトの活動資金としてganasは寄付します(サンタプロジェクトを応援したい)。

*この講演会は厳密には、ganasが現在開講中の「グローバルライター講座」のアクティビティのひとつである「模擬記者会見」です。今回は特別に、受講者以外の方にも講演会として公開します。オブザーバーとしての参加になるため、質問はできません。ご容赦ください。

羽田野さんのお話のポイントを下に箇条書きでまとめました。

①コロンビアは決して怖い国ではない。やさしい人が多い国。だがメデジンを例にとると、0~6歳児の58%が何らかの支援を必要としているという実態がある。この比率はコロナ禍で高まっている。

②大半がキリスト教徒のコロンビア人にとって、クリスマスは家族が集い、絆を確認しあう大切な期間。なのに、親からの虐待、親の死亡・病気・ドラッグ中毒などの理由から、家族と一緒に過ごせない子どももいる。こうした環境に生まれた子どもたちに、ささいな喜びを届ける(心のプレゼントを贈る)のがサンタプロジェクト。

③サンタプロジェクトに賛同してくれる人たちに寄付してもらうクリスマスプレゼントは、児童養護施設の子どもたちなどに配る。プレゼントをめったにもらわない子どもたちにとって、プレゼントをもらう=気にかけてもらう行為。この気持ちは何よりも嬉しい。

④演劇(今年は紙芝居)をやると一口で言っても、公演に漕ぎつけるまでには山のようなプロセスがある。どの神話・昔話を題材にするのか、伝えたいメッセージは何にするのかなどを決め、オリジナルの台本を書き、劇の中で使う歌を選び、だれがどの役を演じるかを割り振り、練習し、大道具や衣装を作る。

⑤コロナ禍のなか、サンタプロジェクトをどう続けるか。去年はオンライン演劇に挑戦(プレゼントは届けられなかった)。今年は児童養護施設や国内避難民が多いエリアに赴いて紙芝居を上映する予定。

登壇者

羽田野香里さん(メデジン日本クラブ主宰者、EAFIT大学言語センターの日本語講師)
コロンビア・メデジンのEAFIT大学(La Universidad EAFIT)言語センター・日本語講師。メデジン在住12年。北海道出身。道内の児童養護施設に児童指導員として勤務後、2002年にJICAの日系社会青年ボランティアでパラグアイへ。任期終了後、青年海外協力隊でコロンビア・マニサレス市に派遣され、貧困地域の青少年の教育・更生を行うNGOで活動。その後フィリピンでの日本語教師を経て、2009年よりメデジンで日本語を教える。同年にメデジン日本クラブを立ち上げ、異文化交流を中心としたボランティア活動を継続中。

ケリー・ジョアナ・オカンポ・コバレダさん(大学生、メデジン日本クラブのコアメンバー)
メデジンのポンティフィシア・ボリバリアナ大学(UPB)で英語・スペイン語教育を専攻する大学生3年生。2019年度にEAFIT大学言語センターの日本語コースを修了。2019年度のコロンビア全国日本語弁論大会で最優秀賞を受賞し、国際交流基金の訪日研修(大阪)に参加。2016年から毎年サンタプロジェクトに参加し、日本とコロンビアの交流活動にも積極的に取り組んでいる。演歌と昭和歌謡が大好き。

日時

2021年11月20日(日)20時~22時30分

<タイムライン(予定)>
19:50 開場
20:00 開始
20:10 「コロンビアで平和の種をまき続けて12年、私が日本文化をベースにした演劇にこだわるわけ」(メデジン日本クラブ主宰者 羽田野香里さん)
21:00 質疑応答
*申し訳ございませんが、オブザーバー参加の方は質問できません。
22:30 終了

こんな方におススメ

・草の根の平和教育に興味がある!
・平和教育の具体的なやり方を知りたい!
・長く活動できるコツやモチベーションに関心がある!
・異国の地で平和教育を12年にわったって実践してきた経験者から直接話を聞きたい!
・日本語教師としての働き方の参考にしたい!
・日本語教師+αの活動に興味がある!
・日本文化の活用方法を知りたい!
・旅行で行っただけでは絶対にわからないコロンビアの知られざる事情について知りたい!
・コロナ禍が落ち着いたらコロンビアに行きたい!
・JICA海外協力隊でこれから派遣されるので知識をためておきたい!
・JICA海外協力隊で派遣が終わったあとの生き方について考えたい!

会場

オンライン(Zoomを使います)

*当日の1時間前までには、ZoomのURLをPeatixのアカウントにお送りします。

定員

80人(先着順)

*〆切は11月18日(木)です。
*定員に達した時点で締め切らせていただきます。

参加費

・一般:650円
・ganasサポーターズクラブのパートナー/サポーター:無料

*オブザーバーとしての参加になりますので、質問はご遠慮ください(グローバルライター講座の受講者は記事を書きますので、そのために必要な「質問をすること」を優先します)。
*キャンセルされても参加費は返金できません。ご了承ください。
*サンタプロジェクトを応援する趣旨から、収益は100%、サンタプロジェクトの活動資金としてganasは寄付します。
*ganasサポーターズクラブにまだ入っていらっしゃらない方はこの機会にどうぞ。ganasの活動を単にサポートしていただくだけでなく、さまざまな特典(お得に学べたり、途上国に関心がある人同士で交流したりも)もご用意しております。同時入会でも、参加費は無料となります。

申し込み方法

下のPeatixのページからお申し込みください。お申し込みはご入金をもって完了します。定員に達した時点で締め切らせていただきます。
https://peatix.com/event/3074332/view

主催

特定非営利活動法人開発メディア(ganasの運営団体)

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