株式会社NHK出版のプレスリリース
- これまでのあらすじ
武蔵国血洗島村の富農の家に生まれ、尊王攘夷の志士から徳川慶喜の家臣となった渋沢栄一。
心ならずも幕臣の身分となり鬱屈した思いを持て余していたやさき、慶応3(1867)年開催のパリ万国博覧会の幕府使節団の随員として渡欧、滞在先で江戸幕府瓦解の報を受ける。
急遽帰国した栄一は、静岡で隠棲する慶喜と再会し、そばで支えることを決意。さらにパリで学んだ、民間の資本を集める「合本(がっぽん)」の仕組みを試すため、「商法会所」を設立するが、突然、明治新政府から仕官を命じられて東京へ。 まだ武士の習わしから抜け出せない政府の中で、「改正掛(かいせいがかり)」を立ち上げて改革を推し進める――。
- 『青天を衝け 四』見どころ
最終巻となる第4巻では、栄一が新政府において次々と新たな制度を打ち出し、一定の成果を挙げたのちに官を辞し、民の立場で実業の一線に立つ決意をするところから物語が始まります。
のちに「西の五代、東の渋沢」とならび称されることとなる五代友厚をして、「政府はやっかいな獣の集まりだったが、商いは、魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)している」と言わしめた商人の世界に、栄一は果敢に飛び込んでいくことになりますが、その船出はまさに前途多難。日本初の合本銀行・第一国立銀行を開業し、総監役に就いたものの、三井組とともに共同株主となっていた小野組が破綻し、銀行は破産の危機を迎えます。そのとき栄一がくだした非情な決断とは。
さらに、栄一の生涯最大のライバルとなる三菱商会創立者・岩崎弥太郎が登場。海運業でのしあがり、政府の要職に就く大隈重信へ接近しようともくろむ弥太郎は、民の力で日本の近代化を目指す栄一にとって大きな壁となって立ちはだかります。次第に影響力を強める三菱と、新たな海運会社を立ち上げて真っ向勝負を挑む栄一。ここに海運業界の天下分け目の大一番が繰り広げられることとなりますが、はたしてその結末は?
一方、生涯のあるじと定めた徳川慶喜のもとを折にふれ訪れていた栄一は、幕府を終焉に導くことになってしまった慶喜の真の思い、またその偉業を正しく世に伝え広めたいと、慶喜自伝の編纂を思い立ちます。単なる主従の関係を超えた、明治以降も変わらない二人の絆が丁寧に描かれていきます。
やがて銀行業を中心に多岐にわたる産業に携わり、またホテルや学校設立などの事業にも関わった栄一は、最愛の妻・千代の死や西郷隆盛・伊藤博文など新政府で共に励んだ人々との別れを経験し、古希を機にほとんどの役職を退きます。晩年にかけては民間外交に尽力し、日米親善・日中親善を通して世界平和の実現を目指します。
時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも“青天を衝く”かのように高い志を持って未来を切り開いた渋沢栄一の人生も、いよいよクライマックス。近代日本のあるべき姿を最後まで追い求めた栄一の姿を、ぜひドラマと小説版でお楽しみください!
- 商品情報
出版社:NHK出版
発売日:2021年11月20日
定価:1,540円(本体1,400円+税10%)
判型:四六判 並製
ページ数:272ページ
ISBN:978-4-14-005719-3
URL: Amazon→https://www.amazon.co.jp/dp/414005719X/ref
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