公益財団法人東京二期会のプレスリリース
公益財団法人東京二期会は、政府発表の「新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置」に伴う海外からの入国禁止を受けて、2022年2月上演予定であった『影のない女』の上演を中止する運びとなりました。加えて『影のない女』の代替公演として『フィガロの結婚』を2022年2月9日(水)〜13日(日)に上演することをお知らせします。
東京二期会オペラ劇場『フィガロの結婚』2016年公演より (撮影:堀衛)
東京二期会オペラ劇場『フィガロの結婚』2016年公演より (撮影:三枝近志)
- 東京二期会オペラ劇場『影のない女』公演中止となった経緯
新型コロナウイルス・オミクロン株の世界的な感染状況が悪化の一途をたどっている中、2021年11月29日に政府において水際対策強化に係る新たな措置が公表されて以来、私どもの2月公演『影のない女』外国人スタッフも来日の見通しが立たない状況となっています。
現状、今月末までの入国禁止が発表されておりますが、当面の水際対策延長の方針が表明され、仮に今後入国を許される状況となっても、待機期間が必要とされることが確実視されております。
この『影のない女』は、演出家ペーター・コンヴィチュニー氏としても初めて手掛ける作品であり、東京でワールドプレミエを迎えた後ドイツ・ボン歌劇場で上演という、氏の演出作品として、そして、東京二期会としても初の取組でした。そのため、演出家、指揮者、ドラマトゥルク、舞台美術デザイナー、照明デザイナーが12月上旬には来日を予定し、待機期間の後、長期に渡る準備を行う段取りとなっておりました。しかしながら、うち一人として来日予定を見通せないというのが現在の状況です。
これを受け、演出家、指揮者、他プランナー、共同制作先であるボン歌劇場、そして東京二期会は、再三に渡り上演の可能性及びその方法について検討、議論を重ねましたが、最終的に2月上演予定は実現不可能であるとの結論に達しました。
『影のない女』のご鑑賞を予定されていたお客様には、ご期待に沿うことができなくなりましたことを深くお詫び申し上げます。
- 『影のない女』代替公演| 宮本亞門演出モーツァルト『フィガロの結婚』
この度、『影のない女』のオペラ公演を楽しみにして下さっているお客様に舞台をお贈りできないかと考え、私どもの大切なレパートリーより、宮本亞門演出のモーツァルト『フィガロの結婚』を上演することといたしました。
東京二期会の『フィガロの結婚』は、宮本亞門の二期会演出デビュー作品として2002年に初演。これまでのオペラ演出の概念を覆すスピード感と躍動感あふれる舞台で人気を博し、連日満席となった伝説的なプロダクションです。
指揮は、今秋宮本亞門演出『魔笛』高崎、札幌公演を指揮し、11月東京二期会『こうもり』においても絶賛を博した川瀬賢太郎が務めます。管弦楽は、来年創立50周年を迎える新日本フィルハーモニー交響楽団です。
2022年は、宮本亞門二期会演出デビュー20周年にあたり、二期会創立70周年記念公演として7月に『パルジファル』を予定しております。宮本亞門×東京二期会の記念の年に、7月公演とあわせてお贈りいたします。
- 『フィガロの結婚』あらすじ
舞台はスペイン・セビリャに近いアルマヴィーヴァ伯爵邸。
伯爵の従者フィガロはスザンナとの結婚を目前に控えている。スザンナに御執心な伯爵はそれが面白くなく、領主の初夜権復活を目論んでいた。その一方では伯爵夫人が伯爵からの自分への愛が去ってしまった事を嘆き、スザンナと結託して伯爵をおびきよせる手紙を書く。その手紙でおびき出された伯爵は、スザンナになりすました夫人を自分の妻とも知らず口説いてしまう。さらに伯爵を騙そうと、フィガロが伯爵夫人のふりをしたスザンナを口説き始め、嫉妬にかられた伯爵は、フィガロを捕まえて人々の前で怒りを露にする。しかしスザンナの服装をした伯爵夫人の登場で事の真相が知れ、自らの浮気のしっぽをつかまれた伯爵は、ついには観念して夫人に許しを乞う。お互いに和解して、大騒動だった一日は幕を閉じる。
- 『フィガロの結婚』指揮 川瀬賢太郎 Kentaro Kawase プロフィール
(c)Yoshinori Kurosawa
1984年東京生まれ。2007年東京音楽大学音楽学部音楽学科作曲指揮専攻(指揮)を卒業。これまでに指揮を広上淳一など各氏に師事。06年10月に行われた東京国際音楽コンクール
<指揮>において2位(最高位)に入賞。11年4月名古屋フィルハーモニー交響楽団指揮者に就任。14年4月より神奈川フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者に就任。卓越したプログラミングを躍動感あふれる演奏で聴衆に届けている。
オペラにおいても、『班女』『魔笛』『アイーダ』等を指揮、目覚ましい活躍を遂げている。
名古屋フィルハーモニー交響楽団正指揮者、神奈川フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者、オーケストラ・アンサンブル金沢常任客演指揮者、三重県いなべ市親善大使。15年渡邉暁雄音楽基金音楽賞、16年第14回齋藤秀雄メモリアル基金賞、第26回出光音楽賞など各賞を受賞。東京音楽大学作曲指揮専攻(指揮)特任講師。
本年は東京二期会『こうもり』を指揮して好評を博したほか、2021グランドオペラフェスティバルin Japan『魔笛』(宮本亞門演出)高崎、札幌公演を指揮。
- 『フィガロの結婚』演出 宮本亞門 Amon Miyamoto プロフィール
2004年東洋人初の演出家としてニューヨークのオンブロードウェイにて『太平洋序曲』を上演し、トニー賞4部門ノミネート。東京二期会とは、モーツァルト『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』(文化庁芸術祭大賞受賞)の「ダ・ポンテ3部作」等を手掛ける。
13年オーストリア・リンツ州立劇場『魔笛』にて欧州オペラ初演出を果たし、15年東京二期会にて日本初演。これまでに6 万人以上の観客動員数を記録している。フランス国立ラン歌劇場と東京二期会との共同制作により『金閣寺』を公演(18年フランス、19年東京二期会)し好評を博した。また、故高田賢三氏が衣裳を手がけた『蝶々夫人』を19年に初演し、翌年以降ザクセン州立歌劇場(ゼンパーオーパー・ドレスデン)、サンフランシスコ歌劇場、デンマーク王立歌劇場と巡演の予定。フランス国立ラン歌劇場で、20年『パルジファル』を新演出。来たる翌年7月に同プロダクション東京二期会公演が開催される。
- 東京二期会クラウドファンディング挑戦中~最高の舞台を創りつづけるために、ご支援のお願い~
東京二期会は、11月8日より今年第2弾となるクラウドファンディングを行っています。
2020年春から続くコロナ禍の影響で、収入が大きく減る一方で、感染拡大防止等の対応で経費は増大し、運営状況はますます厳しさを増す中、高い質のオペラ公演を継続できるように、多くの方にクラウドファンディングを通してご支援をお願いしてきました。同時に、感染防止対策を徹底し安心安全な公演開催のノウハウも積み重ねてきました。
しかし、今回、世界的なオミクロン株の感染拡大の影響を受けての政府からの「新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置」は、私どもにとって極めて大きな打撃となってしまうことが想定されています。
突然の公演の中止、振り替えという未曽有の事態にあたって、払い戻しのみならず、想定外の莫大な経費がかかることになります。一年以上にわたるコロナ禍において、東京二期会は、これまでも多くの方にご支援をいただき、懸命に公演を続けてきましたが、今回の事態により、過去最大の危機を迎えています。
今後も、オペラ歌手とお客様が出会う最高の舞台を創造し、提供させていただけるよう、あらためて皆様にあたたかいご支援をお願いいたします。
■テーマ:東京二期会オペラ公演開催支援のクラウドファンディング
~オペラ歌手とお客様が出会う、最高の舞台をこれからも~
■クラウドファンディング募集期間と目標額(第2弾)
期間:2021年11月8日(月)~2022年1月24日(月)
目標額:10,000,000円
ご支援対象公演:『こうもり』『フィガロの結婚』『エドガール』『パルジファル』
■お問合せ先:公益財団法人東京二期会 マーケティング部
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷1-25-12
TEL:03-3796-1831(二期会チケットセンター内) FAX:03-3796-4710
Email:donation@nikikai.net
〈寄付金受付サイト〉
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