【美術家・森村泰昌×文楽人形遣い・桐竹勘十郎】日本を代表する美術家と人間国宝による奇跡の新作公演

森村桐竹人間浄瑠璃プロジェクト実行委員会のプレスリリース

「⼈間浄瑠璃」は、⽇本を代表する美術家の森村泰昌と、世界に誇る伝統芸能・⼈形浄瑠璃⽂楽の⼈形遣いであり、⼈間国宝の桐⽵勘⼗郎が共作する⼀連のプロジェクトです。
森村が書き下ろした脚本「新・鏡影綺譚」に、⼈形浄瑠璃⽂楽において第⼀線で活躍する鶴澤清介が作曲、三味線を演奏し、⽵本織太夫が語り、森村が⼈形となって、勘⼗郎が森村の「⼿」を⾃ら製作し遣います。
「かたち」に「いのち」をあたえ、遣う/遣われるという関係性から創出する新たな表現の可能性を追求します。

【主旨・見どころ】
◆日本を代表する美術家と人間国宝による奇跡の新作

「人間浄瑠璃」は、日本を代表する美術家の森村泰昌と、世界に誇る伝統芸能・人形浄瑠璃文楽の人形遣いであり、人間国宝の桐竹勘十郎が共作する一連のプロジェクトです。
美術家の森村泰昌は、美術史上の名画の人物や映画女優、歴史的人物等に扮する写真・映像作品「セルフポートレート」で国内外から高く評価されてきました。桐竹勘十郎は、立役、女形、チャリまで幅広い役を演じ、その高い技術と表現性は多数の受賞歴を有し、常に伝統芸能の新たな試みにも精力的に取り組んでいます。
この両者による新作は、人間浄瑠璃という主題を掲げ、「芸といふものは実と虚との皮膜の間にあるもの也。」という近世人形浄瑠璃を確立した近松門左衛門の芸術論を進化させ、わが国が誇る伝統文化と現代芸術の共創によって未来を志向するものです。

◆人間浄瑠璃「新・鏡影綺譚」
森村は「人間とは何か」「人形浄瑠璃とは何か」を探究するために、オリジナルの床本「新・鏡影綺譚」を書き下ろしました。
本作は、1987年、二世桐竹勘十郎の一周忌に際し、三林京子と三世桐竹勘十郎(当時は吉田簑太郎)の姉弟による追善公演(ホフマン物語「鏡影綺譚」)から着想されました。
このオリジナルの床本に、人形浄瑠璃文楽において第一線で活躍する鶴澤清介が作曲、三味線を演奏し、竹本織太夫が語り、森村が人形となり、勘十郎が森村の「手」を自ら製作し遣います。「かたち」に「いのち」をあたえ、遣う/遣われるという関係性から創出する新たな表現の可能性を追求します。
 

◆希望の“黒浄瑠璃”
森村が“黒浄瑠璃”と称する漆黒の空間が、本作の特徴の一つです。主人公である人形師の苦悩や心の内に広がる無限の世界と、闇の世界からやって来る悪鬼。暗闇の世界から生まれ、滅していく彼らが舞う深黒の舞台を、鏡や眼球、火の輪、瑠璃の音色や千条の光といったモチーフが彩ります。
太夫・三味線・人形という人形浄瑠璃文楽の形式を重視しながらも、シンプルで現代的な舞台空間において、人間の深淵な精神世界を覗き見るような作品となることでしょう。 “黒浄瑠璃”は全世界的な災禍を祓うような現代の状況において、人間の想像力こそが暗闇を照らす希望の光明となることを企図しています。

◆「大阪中之島美術館」開館記念公演
本新作舞台公演は、2022年2月2日(水)に大阪・中之島に新しく誕生する「大阪中之島美術館」の開館記念公演として発表します。大阪・中之島は堂島川と土佐堀川に挟まれた東西約3kmの中州であり、古くは天下の台所として賑わい、「心中天網島」「女殺油地獄」「曽根崎心中」等の舞台になった文楽の聖地ともいえる歴史的な街です。本プロジェクトは、国際的な文化・学術拠点であり水都大阪を象徴する中之島の複数の機関や個人によって推進しています。美術館の空間に、屋外劇を彷彿させるトラスで組まれた仮設舞台を出現させ、エスタブリッシュされた伝統芸能になる以前の芸能のある姿を意図した創作に挑みます。

【公演概要】
◆あらすじ
ことのほか人形を愛する人形師がいた。名前を今日十郎という。気にいった人形を作りたいと、日々、人形作りにあけくれていた。今日十郎はあるとき夢を見る。…生玉神社で美しい女にめぐり遭う。名前をお京という。(床本より)
苦悩を抱える人形づくりの匠・今日十郎、氏素性の知れぬ謎の女・お京、闇の世界からやって来る悪鬼、それらを覆う漆黒の闇の世界、鏡の異世界、瑠璃の音色や千条の光で織り成される物語。

日  程:2022年2月26日(土)14時/19時、27日(日)11時/16時  計4回公演
会  場:大阪中之島美術館 1階ホール(〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島4-3-1)

床本・出演 森村泰昌
作  曲  鶴澤清介
太  夫  竹本織太夫
三 味 線  鶴澤清介 鶴澤清公 鶴澤清允
人  形  桐竹勘十郎(人間国宝)
      吉田勘彌 吉田簑一郎 吉田一輔 吉田簑紫郎 桐竹紋吉 吉田簑太郎
      桐竹勘次郎 桐竹勘介 吉田玉延 吉田簑悠 桐竹勘昇 豊松清之助
囃  子  望月太明藏社中

チケット(各回200席程度、自由席)  
料金(税込):
 先行販売 8,000円(2021年12月13日10時〜1月15日23時55分)
 一般販売 10,000円(2022年1月16日10時〜)
購入方法:
 オンラインチケットシステム「Peatix」よりご購入ください(クレジット/コンビニ決済)
 https://ningenjoruri.peatix.com
 ※予定枚数が完売次第、販売を終了いたします

◆特典スペシャルブックレット付  
人間浄瑠璃「新・鏡影綺譚」
「新・鏡影綺譚」オリジナル床本、プレトーク「人間浄瑠璃事始め」(森村泰昌、桐竹勘十郎、平田オリザ、石黒浩、松岡正剛)の併録本を進呈。
定  価:1,500円(税別)※予定。
※全公演チケットに付録されるほか、公演終了後はモリムラ@ミュージアム等にて販売予定。

【特設ウェブサイト】  
https://www.ningenjoruri.com/

主  催:森村桐竹人間浄瑠璃プロジェクト実行委員会
共  催:アートエリアB1運営委員会、大阪中之島美術館、
クリエイティブアイランド中之島実行委員会、モリムラ@ミュージアム
制作協力:公益財団法人文楽協会
協  力:大阪大学21世紀懐徳堂、独立行政法人日本芸術文化振興会国立文楽劇場、
     株式会社松岡正剛事務所、株式会社百間、近江ARS
特別協賛:東京建物Brillia
協  賛:京阪電気鉄道株式会社
助  成:全国税理士共栄会文化財団

【関連企画】  
◆オンライントーク
人間浄瑠璃『新・鏡影綺譚』記念企画
森村泰昌×桐竹勘十郎 対談

美術家の森村泰昌が脚本「新・鏡影綺譚」を書き下ろし、〝黒浄瑠璃〞と称する本作では、全世界的な災禍を祓うような現代の状況において、人間の想像力こそが暗闇を照らす希望の光明となることを願います。新年早々、本公演を記念し対談企画を開催します。
日  時:1月12日[水]18:30〜20:00
     ※オンラインライブ配信(アーカイブの視聴はできません)
出  演:森村泰昌(美術家)、桐竹勘十郎(人形浄瑠璃文楽人形遣い)
進  行:木ノ下智恵子(大阪大学21世紀懐徳堂、人間浄瑠璃プロジェクトプロデューサー)

◆オンライントーク
人間浄瑠璃『新・鏡影綺譚』記念企画
「森村×勘十郎+森村×正剛 対談」

1月に配信する森村泰昌・桐竹勘十郎の対談を再配信。
さらに第二部では、芸能の神様として知られる蝉丸、文楽の生みの親である近松門左衛門、近世から脈打つ創造の醍醐味について、知の巨人・編集工学者の松岡正剛と、森村が熱く語ります。
日  時:2022年2月上旬予定
料  金:2,000円
チケット:https://ningenjoruri.peatix.com (2022年1月16日発売)
※チケット購入者へ配信URLをお送りいたします
※森村泰昌×桐竹勘十郎の対談は1月12日の制作発表を収録配信します。
主  催:森村桐⽵⼈間浄瑠璃プロジェクト実⾏委員会、近江ARS(近江アルス)
会場協⼒:三井寺、中⼭事務所
企画協⼒:株式会社百間、株式会社松岡正剛事務所

◆展覧会 │ モリムラ@ミュージアム(M@M)第6回展
「森村泰昌×桐竹勘十郎 二人展 お手を拝借!!」

大阪・北加賀屋にある森村泰昌の個人ミュージアムにて二人展を開催。伝統芸能と現代美術という、一見するとかけ離れた領域をになう両者が手をたずさえ、互いの拠点・大阪の地で共鳴します。
日  時:2021年11月19日(金)〜2022年4月24日(日)
     金・土・日曜日12:00〜18:00
会  場:モリムラ@ミュージアム(〒559-0011 大阪府大阪市住之江区北加賀屋5-5-36 2F)
入 場 料:一般・大学生 600円、高校生・中学生 200円、小学生以下 無料
主  催:モリムラ@ミュージアム
共  催:森村桐竹人間浄瑠璃プロジェクト実行委員会
特別協力:千島土地株式会社

【プロフィール】  

森村泰昌
1951 年大阪生まれ。大阪市在住。1985 年 ゴッホの自画像に扮するセルフポートレイト写真を発表。以降、「自画像的作品」をテーマに制作を続ける。1989 年、ベニスビエンナーレ/ アペルト88に選出され、以降国内外で多数の展覧会を開催。近年の主な個展では、「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020 ―さまよえるニッポンの私」(原美術館、2020)、舞台公演では、2019 年、能の舞台形式を取り入れた「野生“能”」を神戸と京都で上演。

 

桐竹勘十郎
1953年大阪生まれ。父は二世桐竹勘十郎。1967 年、文楽協会人形部研究生となり三世吉田簑助に入門、吉田簑太郎と名のる。翌年、大阪毎日ホール「壇浦兜軍記」で初舞台。師匠からは女形の芸を、父からは立役の芸を学び、多種多様な役をこなす。2003年、父の名跡であった桐竹勘十郎を襲名。実力・人気を兼ね備え、子どもや新しいファン開拓のため、新鮮な視点で作・演出を担うこともある。2021年10月重要無形文化財保持者(各個認定)いわゆる人間国宝に認定。
 

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