サファリ・Pの新作演劇公演 2都市ツアーを京都・東京にて上演 サファリ・P 第8回公演『透き間』  イスマイル・カダレ『砕かれた四月』より “名も声も姿も残らなかった人々の語る戦争”に耳を傾ける

合同会社stampのプレスリリース

合同会社stamp(所在地:京都府)は、2022年3月にサファリ・Pの新作演劇公演を京都・東京にて上演いたします。

『透き間』公演チラシ

宣伝デザイン:山口良太(slowcamp) 宣伝写真:中谷利明

京都公演      :2022年3月4日(金)~5日(土)
          京都府立文化芸術会館
東京公演 芸劇dance:2022年3月11日(金)~13日(日)
          東京芸術劇場 シアターイースト

■企画概要
【あらすじ】
<殺し合いが義務付けられた世界で。>
人殺しを免除してもらおうと市役所に相談にやってきた男。しかし窓口の職員は冷淡に陳情をはねつける。諦めずに通ううち、職員もまた、この掟に翻弄されてきたことがわかり……。

<“名も声も姿も残らなかった人々の語る戦争”に耳を傾ける
サファリ・Pの新作演劇公演 2都市ツアー>
京都を拠点に活動する劇団 サファリ・Pは、この度新作『透き間』を、京都(2022年3月4日~5日、京都府立文化芸術会館)および東京(2022年3月11日~13日、東京芸術劇場 シアターイースト)の2都市で上演します。
サファリ・Pは、パフォーマーに俳優とダンサーが混在していることを活かし、身体と最小限の舞台美術、最小限のテキストのみを使用し、文字だけで立ち上がっていた原作世界の、意外な、しかし間違いなくそこにある要素を立ち上げることを得意とするカンパニーです。
これまでにテネシー・ウィリアムズやアゴタ・クリストフ、江戸川乱歩らの作品に取り組んできたサファリ・Pが今回取り上げるのは、アルバニアの代表的な作家イスマイル・カダレの小説『砕かれた四月』(Ismail Kadare, Prilli i Thyer)。約2年間の準備過程の中で、バルカン半島に住む人々への聞き取りや、研究者を招いての研究会を行い、また2021年1月には『砕かれた四月 -プロトタイプ-』と題して、その中間的な成果をTHEATRE E9 KYOTOにて発表してきました。
本作は、カダレの小説を出発点としつつも、それを原作として舞台化するのではなく、山口茜によるオリジナル作品として書き下ろされます。原作に描かれる死に見つめられた男、傷痍軍人であった山口自身の祖父、本作の準備過程で行ったコソボ紛争体験者の若者との対話。これらの交錯する物語を通して、“名も声も姿も残らなかった人々の語る戦争”に耳を傾けることはできないかという問いに向き合います。

■演出家・山口茜コメント
<死者の語る戦争>
『砕かれた四月』は、古から続く掟(カヌン)により仇討ちが義務付けられた場所で、死を宣告された男と、彼を想う既婚女性との出会いと別れを描いた小説のタイトルである。2020年から2021年にかけて、サファリ・Pは、この小説をモチーフに創作した小作品を発表した。この小説に惹かれたのは、現代もまだ、この掟が続いているからだ。小説を読み込むうち、死に見つめられた若い男とそれを取り巻く人間模様が、日本の特攻隊と似ていることに気がついた。
2020年夏には、20年前におきたコソボ紛争を実際に体験した若者と、戦争を体験していない私たち日本人との対話を行った。そこで私は、必死で目新しいことを聞き出そうとしている自分に気付いてしまう。正直にいって、実際に経験した人の話であるにもかかわらず、そのどれもが、書物で読んだことのあるものだった。それは私にとって「刺激的」ではなかった。そのことに失望すると言う私の情けなさと、戦争の加害・被害は、不思議と似通るのだと言うこと、この2点が明らかになった。
そこでようやく気がついた。
私たちの知る戦争は、主に生き残った人によって語られたものだ。あるいは死んでしまったとしても、遺書や写真を遺した人々の名や声や姿、それを私たちは戦争と呼んでいる。しかし実際にはほとんどの亡くなった人々が、ただ死んでいった。彼女ら、彼らは何も遺さないので、私たちは何が起きたのか、知ることができない。
今、私たちの課題は、名も声も姿も残らなかった人々の語る戦争に、耳を傾けることではないか。しかし死んだ人は、語らない。では私たちは一体、何に耳を傾けるのか。声なき声に耳をすまし、姿なき姿に目を凝らし、もう誰も呼ぶことのない名を口にする、とはどう言うことか。
私には、傷痍軍人として帰国しながら、死という猿轡をかまされた祖父がいる。彼は何も語らず、語ることを許されず、廃人のように死んでいった。そのことが今の私の生につながっている。彼に取材してみてはどうだろうか。
死に見つめられた男、目新しく残虐で酷く悲哀に満ちた言葉を求める私、そして語らない祖父。この作品はこの3つのクロストークで進んでゆく。

■公演概要
◎京都公演:2022年3月4日(金)~5日(土)
3月4日(金) 15:00/19:00
3月5日(土) 13:00
*受付開始、ロビー開場は開演の60分前、開場は30分前

会場:京都府立文化芸術会館
〒602-0858 京都市上京区寺町通広小路下ル東桜町1

●JR京都駅から
市バス「A2」から市バス4系統・17系統・205系統にて「府立医大病院前」下車スグ前。所要時間約25分。
●阪急河原町駅から
市バス「G・F」のりばから3系統・4系統・17系統・205系統にて「府立医大病院前」下車スグ前。所要時間約10分。
●三条京阪から
市バス「A3」から37系統、「A2」から59系統にて「府立医大病院前」下車スグ前。所要時間約10分。
●京阪神宮丸太町駅・出町柳駅から
それぞれ「出口3」より徒歩12分。出町柳駅からの場合は、市バス3系統・4系統・17系統、京都バス21系統・41系統もご利用いただけます。「府立医大病院前」下車スグ前。

◎東京公演:2022年3月11日(金)~13日(日)
3月11日(金) 14:00/19:00 ★
3月12日(土) 13:00
3月13日(日) 13:00
*受付開始、ロビー開場は開演の60分前、開場は30分前

★ポストパフォーマンストーク実施
ゲスト:小澤英実(東京学芸大学准教授)

会場:東京芸術劇場 シアターイースト
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1

●JR・東京メトロ・東武東上線・西武池袋線 池袋駅西口より徒歩2分。駅地下通路2b出口と直結。

【チケット】整理番号付き自由席
<チケット販売開始>
芸劇先行(WEB先着/東京のみ):1月22日(土)10:00
一般発売(京都・東京)    :1月29日(土)10:00
一般            :前売 3,500円 当日 4,000円
U25            :前売 2,500円 当日 3,000円
*未就学児入場不可(託児サービスあり)
*U25は公演当日要年齢証明書
*車いすで観劇をご希望の方は『透き間』制作部までお問合せください。

<取り扱い>
●チケットぴあ
Pコード: 510-396(京都)/510-397(東京)
店頭  : セブン-イレブン
Web  : https://t.pia.jp/

●東京芸術劇場ボックスオフィス(東京のみ)
電話: 0570-010-296(ナビダイヤル)(休館日を除く10時~19時)
窓口: 休館日を除く10時~19時
Web : https://www.geigeki.jp/ti/ *24時間受付(メンテナンスの時間を除く)

【観劇サポート】
●託児サービス(要予約)
<京都公演 [無料・定員2名(先着順)]>
対象公演:3月5日(土) 13:00
対象年齢:生後1歳から小学校入学前のお子さま
予約方法:2月24日(木)までに『透き間』制作部までお問合せください。

<東京公演 [有料・定員制]>
対象公演:全日程
対象年齢:生後3ヵ月から小学校入学前のお子さま
予約方法:以下、東京芸術劇場Webサイトの託児サービス情報より
     詳細をご確認のうえ、土曜・日曜・祝祭日を除く
     お預かり日一週間前までにお電話にてご予約ください。
     https://www.geigeki.jp/rent/kids/index.html

株式会社ミラクス ミラクスシッター
[電話] 0120-415-306(土・日・祝祭日を除く平日9:00-17:00)

●ポータブル字幕機サービス(日本語)(要予約)
上演中、セリフや音響の情報をお客様のお手元でご覧いただけるタブレットを貸し出しいたします。
対象公演:京都公演 3月5日(土) 13:00/東京公演 3月12日(土) 13:00
予約方法:ご観劇日前日までに『透き間』制作部までお問合せください。
※限定数(先着順)
※タブレットから光が漏れる都合上、最後列をご案内いたしますことご了承ください。

【クレジット】
上演台本・演出  山口茜
作曲       増田真結
振付       足立七瀬
出演       高杉征司・芦谷康介・達矢・佐々木ヤス子・大柴拓磨
舞台監督     大鹿展明
舞台美術     夏目雅也
照明       池辺茜
音響       森永恭代
衣装       鷲尾華子
宣伝デザイン   山口良太(slowcamp)
宣伝写真     中谷利明
記録写真     松本成弘
制作       合同会社syuz’gen・中筋和調・合同会社stamp
提携       東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団) *東京公演のみ
助成       芸術文化振興基金
企画/製作/主催 合同会社stamp
京都芸術センター制作支援事業

芸術文化振興基金/東京芸術劇場/京都芸術センター ロゴ

■舞台写真
『砕かれた四月』プロトタイプ 2021年1月上演@THEATRE E9 KYOTO
撮影:松本成弘

舞台写真1

舞台写真2

舞台写真3

■プロフィール
<山口茜>
劇作家、演出家。合同会社stamp代表社員。
2003年、第10回OMS戯曲賞大賞を受賞。2007年、若手演出家コンクール2006最優秀賞を受賞。2007年から2009年までの2年間、文化庁新進芸術家海外留学制度研修員としてヘルシンキ(フィンランド)に滞在。帰国後、活動を再開する。2012年文化庁芸術祭新人賞を受賞。2013年、龍谷奨励賞を受賞。2015年、利賀演劇人コンクール優秀演出家賞一席受賞。
アトリエ劇研アソシエイトアーティスト(2015年度~2017年度)、セゾン文化財団シニアフェロー(2016年度~2018年度)、龍谷大学非常勤講師(2010年~)、高槻シニア劇団恍惚一座講師(2012年~)。

<サファリ・P>
2015年7月、利賀演劇人コンクール2015にて『財産没収』(作:テネシー・ウィリアムズ)を上演。優秀演出家賞一席を受賞。メンバーは高杉征司、芦谷康介、達矢、佐々木ヤス子、池辺茜、森永恭代、山口茜の7名(2022年1月現在)。パフォーマー(俳優・ダンサー)・技術スタッフ(照明・音響)・演出部(演出家・ドラマトゥルク)からなる劇団。
これまでは、主に既成戯曲・小説から作品を立ち上げてきた。物語に底流する作者の生い立ち、時代背景などを重視してテキストを紐解き、その中から選び抜いた最小限のテキストを抽出。パフォーマーに俳優とダンサーが混在していることを活かし、身体と最小限の舞台美術、最小限のテキストのみを使用し、文字だけで立ち上がっていた原作世界の、意外な、しかし間違いなくそこにある要素を立ち上げることを得意とする。
2019年6月、FEMART Festival 7thに招待され、ODA Theatre(コソボ共和国プリシュティナ)にて『悪童日記』を上演。2019年10月、瀬戸内国際芸術祭秋会期にて『悪童日記』を上演。

[WEB] http://stamp-llc.com/

[SNS] Twitter : https://twitter.com/stampllc
Facebook : https://www.facebook.com/stampllc
Instagram: https://www.instagram.com/stampllc/

【サファリ・P活動歴】
2016年3月 第一回公演『DESIRE LINE -欲望線-』
   4月 第二回公演『悪童日記』
   8月 第三回公演『財産没収』
   12月 第四回公演『財産没収』
2017年10月 合同会社stamp(ゴウドウガイシャスタンプ)設立
2019年2月 第五回公演『悪童日記』
   6月 Kosovo FEMART Festival 7th 『悪童日記』コソボ公演
   8月 第六回公演『怪人二十面相』
   10月 瀬戸内国際芸術祭2019 秋会期参加『悪童日記』
2021年1月 第七回公演『砕かれた四月』-プロトタイプ-
   10月 HITOMIホールプリズムステージ カウンターテナー藤木大地
      歌曲の調べ&モノオペラ『ひとでなしの恋』

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