文化庁のプレスリリース
世界中で不動の人気を誇る傑作オペラ『椿姫』は、華やかなパリ社交界を舞台に高級娼婦ヴィオレッタの純愛と哀しい運命を描き、「乾杯の歌」など名曲揃いの人気作品です。フランスの演出家・デザイナー、ヴァンサン・ブサールによる美しく洗練されたプロダクションは、誇り高く生き抜いた女性の姿を鮮やかに描き出し、圧倒的感動を誘います。世界の著名劇場で活躍する中村恵理、イタリアを中心に躍進中のM.デソーレ、G.ミシュケタら旬の歌手が揃い、瑞々しい愛の悲劇を繰り広げます。
【URL】https://www.nntt.jac.go.jp/opera/latraviata/
パリ社交界に咲いた真実の愛。世界中で愛される悲恋の物語。
世界中で不動の人気を誇る、オペラの代名詞的作品『椿姫』。ガラ・コンサートの定番曲「乾杯の歌」やヴィオレッタの超絶技巧のアリア「ああ、そは彼の人か~花から花へ」、「プロヴァンスの海と陸」など、誰しも耳にしたことのある名曲の数々が、高級娼婦ヴィオレッタの愛と哀しい運命を物語ります。
演出のヴァンサン・ブサールは色彩にこだわる洗練されたビジュアルの舞台に定評があり、この『椿姫』でもその美的センスを発揮。巨大な鏡を用いた効果的な舞台で心象風景を描出し、男性社会に誇り高く生きる女性の姿を印象付けます。
舞台は巨大な鏡で囲まれ、高さ12mもの巨大なシャンデリアが飾られ、幻想的な雰囲気に包まれています。ヴィオレッタの生きた19世紀を象徴するパリ・オペラ座ガルニエの風景や、ヴィオレッタ=芸術の象徴として常に存在するアンティークのピアノ、貴婦人の差す傘や渡り鳥と、人物の心象を表す象徴的なアイテムが次々登場し、観る者をヴィオレッタの生きた世界へ引き込んでいきます。パリで製作された、一点一点に趣向の凝らされたドレスの数々も大きな見どころです。
オペラファン必見の中村恵理のヴィオレッタとフレッシュな共演者
悲劇のヒロイン、ヴィオレッタに出演するのは、英国ロイヤルオペラ、バイエルン州立歌劇場などの著名劇場で世界のプリマドンナとして活躍する中村恵理。ヴィオレッタは近年レパートリーの中核に据えている役で、ドラマティックな感情表現が持ち味の中村恵理のヴィオレッタには、心揺さぶられること間違いありません。
アルフレードにはイタリアで躍進中の新進テノール、マッテオ・デソーレ、ジェルモンにはイタリアの主要劇場で活躍する実力派ゲジム・ミシュケタが出演します。指揮は元ポーランド国立歌劇場音楽監督で、精緻な音楽創りが高評価を得ているアンドリー・ユルケヴィチです。
『椿姫』ものがたり
パリの高級娼婦ヴィオレッタは、富豪の息子アルフレードからの求愛にためらいながらも、真摯な愛に心を開く。二人は郊外で一緒に暮らすが、アルフレードの父ジェルモンがヴィオレッタを訪れ、アルフレードの妹の縁談のためにも二人の関係を終わらせるよう頼む。ヴィオレッタは涙を飲んで身を引く。これを裏切りと捉えたアルフレードは夜会で彼女を罵倒するが、やがて誤解と分かった時には既に遅く、ヴィオレッタはや病床で愛するアルフレードの腕に抱かれ息絶える。
新国立劇場『椿姫』ダイジェスト映像
https://youtu.be/BunFHJFPgkM
<プロフィール>
【指揮】アンドリー・ユルケヴィチ / Andriy YURKEVYCH
リヴィウ音楽大学を卒業し、ポーランド国立歌劇場、シエナ音楽院、ペーザロで研鑽を積む。96年からリヴィウ国立オペラ常任指揮者となり、『アイーダ』『ナブッコ』『イル・トロヴァトーレ』『椿姫』『オテロ』『蝶々夫人』『トスカ』『カルメン』やロシア・オペラなどを指揮する。オデッサ・オペラ・バレエ総指揮者、ポーランド国立歌劇場音楽監督・ワルシャワ大劇場音楽監督を歴任、現在、モルドバ国立オペラ・バレエ首席指揮者。ローマ歌劇場『ファルスタッフ』、サンフランシスコ・オペラ『連隊の娘』、バイエルン州立歌劇場、シュトゥットガルト州立劇場『セビリアの理髪師』、モンテカルロ歌劇場『ランスへの旅』、モネ劇場『運命の力』『ボリス・ゴドゥノフ』、ザンクトガレン歌劇場『スペードの女王』、ギリシャ国立歌劇場『清教徒』、ナポリ・サンカルロ歌劇場『マリア・ストゥアルダ』、ワルシャワ大劇場、バイエルン州立歌劇場、モルドバ国立オペラ『エウゲニ・オネーギン』、ウィーン国立歌劇場、チューリヒ歌劇場、テアトロ・レアル『ロベルト・デヴリュー』など多くのオペラを指揮している。新国立劇場では19/20シーズン開幕公演『エウゲニ・オネーギン』を指揮した。
【演出・衣裳】ヴァンサン・ブサール / Vincent BOUSSARD
1999年コメディ・フランセーズにて演出家デビュー。ベルリン州立歌劇場、バイエルン州立歌劇場、フランクフルト歌劇場、ハンブルク州立歌劇場、アン・デア・ウィーン劇場、スウェーデン王立歌劇場、モネ劇場、サンフランシスコ・オペラ、エクサンプロヴァンス音楽祭、インスブルック音楽祭など各地の歌劇場や音楽祭に登場。演出作品は、パーセル『ディドとエネアス』、ヘンデル『テオドーラ』、カヴァッリ『エリオガバロ』などのバロック・オペラ、メノッティ『マリア・ゴロヴィン』、ブノワ・メルニエ『春の目覚め』などの現代オペラのほか、『偽の女庭師』『カプレーティ家とモンテッキ家』『カルメン』『蝶々夫人』『サロメ』『アドリアーナ・ルクヴルール』『キャンディード』など多岐に渡る。最近では、ストラスブール・ラン歌劇場『椿姫』、ザルツブルグ復活祭音楽祭『オテロ』、リセウ大劇場『カプレーティ家とモンテッキ家』、ザンクトガレン歌劇場『ローエングリン』などを演出。『春の目覚め』でディアパソン・ドール賞を受賞している。
【ヴィオレッタ】中村恵理(ソプラノ) / NAKAMURA Eri
大阪音楽大学、同大学院修了。新国立劇場オペラ研修所第5期修了。2008年英国ロイヤルオペラにデビュー。翌年、同劇場の『カプレーティ家とモンテッキ家』にネトレプコの代役として出演し、一躍脚光を浴びる。カーディフ国際声楽コンクールにて、歌唱賞・オーケストラ賞の両部門で本選進出。10~16年はバイエルン州立歌劇場専属歌手となり、『フィガロの結婚』『魔笛』『ホフマン物語』『ヘンゼルとグレーテル』『ボリス・ゴドゥノフ』などに主要キャストとして出演。英国ロイヤルオペラに『フィガロの結婚』スザンナ、『ウェルテル』ソフィー、『トゥーランドット』リューなどで客演に招かれるほか、ベルリン・ドイツ・オペラ、ザルツブルク州立劇場など客演多数。16年『チェネレントラ』クロリンダでウィーン国立歌劇場にデビュー。19年には台中国家歌劇院の『神々の黄昏』ヴォークリンデに出演。12年度アリオン賞、15年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、17年第47回JXTG音楽賞洋楽部門奨励賞受賞。新国立劇場では『フィガロの結婚』バルバリーナ(03、05年)、スザンナ(07、17年)、06年『イドメネオ』イーリア、07年『ファルスタッフ』ナンネッタ、19年『トゥーランドット』リューなど出演多数。21年12月には『蝶々夫人』タイトルロールに出演し絶賛された。
【アルフレード】マッテオ・デソーレ(テノール) / Matteo DESOLE
サッサリ出身。モデナで学び、2015年にボローニャ歌劇場『マクベス』マルコムでデビュー後、ヨーロッパ各地の劇場に次々にデビューしているテノール。最近では、ローマ歌劇場、フェニーチェ歌劇場、フィレンツェ歌劇場、ホランドパーク・オペラ『椿姫』アルフレード、カリアリ歌劇場『ルチア』エドガルド、クラーゲンフルト歌劇場、バーリ・ペトルッツェッリ歌劇場『ラ・ボエーム』ロドルフォ、フィレンツェ歌劇場『つばめ』ルッジェーロ、モデナ、フェッラーラ、レッジョ・エミリアで『ジャンニ・スキッキ』リヌッチョ、ミラノ・スカラ座『フランチェスカ・ダ・リミニ』『群盗』、ジェノヴァ・カルロ・フェリーチェ歌劇場『シモン・ボッカネグラ』、などに出演している。新国立劇場初登場。
【ジェルモン】ゲジム・ミシュケタ(バリトン) / Gezim MYSHKETA
アルバニア出身。パルマで学び、2006年のAsLiCoコンクールで優勝。マルセイユ歌劇場『ルチア』エンリーコ、ヴェローナ・フィラモニコ劇場『マリア・ストゥアルダ』グリエルモ・セシル卿、ベルリン・ドイツ・オペラ『カルメン』エスカミーリョ、ハンブルク歌劇場『椿姫』ジェルモンなどで成功し、欧州の著名劇場で活躍中。シュトゥットガルト州立歌劇場には13年に『ファルスタッフ』フォードでデビューした後、『椿姫』、『ラ・ボエーム』マルチェッロ、『カルメン』、『ファウスト』ヴァランタン、『フィガロの結婚』アルマヴィーヴァ伯爵、『清教徒』リッカルドに出演。ライプツィヒ歌劇場では16年『椿姫』ジェルモンに出演後、『蝶々夫人』『ルチア』に出演。最近ではボローニャ歌劇場、トリノ王立歌劇場『カヴァレリア・ルスティカーナ』アルフィオ、ライプツィヒ歌劇場『椿姫』『ラ・ボエーム』『カルメン』、チューリヒ歌劇場『運命の力』、ザクセン州立歌劇場『カルメン』、カリアリ歌劇場『マクベス』タイトルロール、モンペリエ歌劇場『ファルスタッフ』フォードなどに出演。新国立劇場初登場。
公演およびチケットの詳細については、新国立劇場ホームページをご覧ください。
公演情報WEBサイト https://www.nntt.jac.go.jp/opera/latraviata/
*本公演は、新型コロナウイルス感染予防、拡散防止対策をとって上演いたします。
新国立劇場における新型コロナウイルス感染拡大予防への取り組みと主催公演ご来場の皆様へのお願い
https://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/23_017576.html
新国立劇場2021/2022シーズンオペラ 『椿姫』
【公演日程】2022年3月10日(木)19:00/13日(日)14:00/16日(水)14:00/19日(土)14:00/21日(月・祝)14:00
【会場】新国立劇場 オペラパレス
【スタッフ・出演】指揮:アンドリー・ユルケヴィチ/演出:ヴァンサン・ブサール/ヴィオレッタ:中村恵理、アルフレード:マッテオ・デソーレ、ジェルモン:ゲジム・ミシュケタ、フローラ:加賀ひとみ、ガストン子爵:金山京介、ドゥフォール男爵:成田博之、ドビニー侯爵:与那城 敬、医師グランヴィル:久保田真澄、アンニーナ:森山京子 ほか
合唱:新国立劇場合唱団、管弦楽:東京交響楽団
【チケット料金】 S:27,500円 ・ A:22,000円 ・ B:15,400円 ・ C:8,800円 ・ D:5,500円・ Z(当日のみ):1,650円
【チケットのお求め】新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999 WEBボックスオフィスhttp://nntt.pia.jp/
※WEBボックスオフィスでは、ご自身で座席を選びながらチケットをご購入いただけます。各種割引チケットもお取り扱い中。
【アクセス】京王新線(都営新宿線乗入)初台駅中央口直結
新国立劇場について
新国立劇場は、日本唯一の現代舞台芸術のための国立劇場として、オペラ、バレエ、ダンス、演劇の公演の制作・上演や、芸術家の研修等の事業を行っています。オペラ部門は2018年9月より世界的指揮者の大野和士が芸術監督に就任し、世界の主要歌劇場と比肩する水準のオペラ公演を年間およそ10本上演、高校生のためのオペラ鑑賞教室の実施等を行っています。
所在地:東京都渋谷区本町1-1-1
https://www.nntt.jac.go.jp/
【お客様からのお問い合わせ先】
新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10:00~18:00)