ピアニストとの一体感を実現する次世代のコンサートグランドピアノ ヤマハ コンサートグランドピアノ『CFX』新モデルを発売

ヤマハ株式会社のプレスリリース

ヤマハ株式会社(以下、当社)は、当社アコースティックピアノの最上位にあたるコンサートグランドピアノ『CFX』の新モデルを3月2日(水)から全世界で受注開始します。

ヤマハ コンサートグランドピアノ『CFX』ヤマハ コンサートグランドピアノ『CFX』

当社は1902年(明治35年)にグランドピアノの製造を開始してから、本年で120周年を迎えます。コンサートグランドピアノについては、1950年に初代モデルを発表して以降、多くの世界的なピアニストの協力を得て製品の改良を続けてきました。

このたび発売する新『CFX』は、2010年に発売したコンサートグランドピアノ『CFX』の次世代モデルとして、約12年の歳月をかけて開発した製品です。「私と、響き合う。」を製品のコンセプトに掲げ、「演奏者がピアノと一体になり、意のままに謳い奏でる」ことのできるピアノを目指しました。打鍵した時に生じる伝達エネルギーのロスを最小限に抑えることで一体感のある演奏を実現する新たな設計思想「ユニボディコンセプト」のもと、独自の木材改質技術「A.R.E.」(※1)を施した曲練支柱(まげねりしちゅう)や、振動効率性を向上させた響板を採用するほか、各パーツの素材や構造、加工方法を最適化しました。新『CFX』の発売により、今後、コンサートピアノ市場における販売台数のトップシェアを目指します。

<概要>
1.演奏者との一体感を実現する新たな設計思想「ユニボディコンセプト」を採用
2.独自の木材改質技術「A.R.E.」(※1)を施した曲練支柱で、温かく深みのある音色を実現
3.新設計の響板構造により振動効率性を向上、中低音に響き・伸び・太さを付加
4.新仕様の駒形状により、音域間のバランスとスケール感を向上
5.ハンマーの製作方法を刷新するとともに、弾き応えのあるタッチを実現
6.フレームの剛性最適化、かつ軽量化により開放的な響きを獲得
7.孔(あな)のあいたデザインの譜面板をヤマハコンサートグランドピアノで初の標準仕様として採用

品名/品番/希望小売価格/受注開始日
ヤマハ コンサート グランドピアノ/CFX/23,100,000円(税抜21,000,000円)/3月2日(水)

  • 初年度販売予定数(国内):15台

<主な特長>
1. 演奏者との一体感を実現する新たな設計思想「ユニボディコンセプト」を採用
演奏者の意思を感じているかのように楽器が反応し、一体となって響き合うピアノを目指して、約12年に及ぶ歳月をかけて開発しました。世界中の一流ピアニストとのネットワークを持ち、日頃から演奏者のリアルな声に耳を傾ける楽器開発部門が、楽器としてのあるべき姿を一から検証。すべてのパーツが巧みに合わさることで、ピアノの中の「隔たり」を可能な限りなくすという新たな設計思想「ユニボディコンセプト」のもと、各パーツの素材や構造、加工方法などを最適化。演奏者が打鍵に込めた想いをもれなく伝えることができるピアノが完成しました。

2. 独自の木材改質技術「A.R.E.」(※1)を施した曲練支柱で、温かく深みのある音色を実現

音の伝わり方に大きく影響する曲練支柱には、音質に温かみと深みが出るブナ材とマホガニー材を使用し、一体となって振動をスムーズに伝えることができるように設計しました。さらに、当社独自の木材改質技術「A.R.E.」(※1)を施すことで振動減衰の抑制に成功しました。骨組みとなる直支柱は、緻密な機械加工の後、手作業による最終調整を行い、曲練支柱の状態に合わせて隙間なく組み込んでいます。

3. 新設計の響板構造により振動効率性を向上、中低音に響き・伸び・太さを付加

ピアノの心臓部とも呼ばれ、振動を楽器全体に伝える役目を果たす響板には、ヨーロッパスプルースの厳選素材を使用。湾曲構造(クラウン)の設計を変更することで振動効率性を高め、中低音の響き・伸び・太さがより豊かになりました。さらに響棒の幅、高さなどを変更することで、幅広いダイナミックレンジを獲得しました。

4. 新仕様の駒形状により、音域間のバランスとスケール感を向上

性質の異なるメープル材を組み合わせ、強さと質感を兼ね備えた練り駒を採用しています。響板の設計変更に伴って、次高音部の駒形状および弦長を新規設計することで、音域間のバランスを最適化しました。また、駒全体の厚みと弦の圧力バランスを最適化することで、音のスケール感向上にもつなげています。

5. ハンマーの製作方法を刷新するとともに、弾き応えのあるタッチを実現

ハンマーにドイツ製の良質なフェルト、ハンマーウッドに自然な発音で伸びの良いウォルナットを採用。フェルトの加工方法や貼り込み型の形状、貼り込み時の温度を刷新することで、弱打から強打、低音から高音といった音色のグラデーションと豊かな色彩感を実現しました。
アクション機構は、打鍵された力がもれなく伝わるよう、各パーツの接点部を最適化。鍵盤とアクションの接点位置変更や、新形状の部品の採用により、初動の摩擦を低減。弱打では指に吸い付き、強打では弾き応えのあるタッチを実現しています。

6. フレームの剛性最適化、かつ軽量化により開放的な響きを獲得

自社工場で1台ずつ手込め方式で鋳造しているフレームは、剛性を最適化し、かつ軽量化を実現。新たなリブ形状、飾り輪の配列が、より開放的な響きを生み出します。

7. 孔のあいたデザインの譜面板をヤマハコンサートグランドピアノで初の標準仕様として採用

室内楽などの楽譜を使用する演奏でも、自然な音抜けを感じられる「孔あき譜面板」を、当社のコンサートグランドピアノで初めて標準仕様として採用しました。孔の数やデザインも、音抜けに最適となるよう考慮されています。

<開発の背景>
2010年に発売した「The CF Series」(CFシリーズ)の最上位モデルである『CFX』は、国内70カ所以上のコンサートホールに納入されているほか、数々の国際コンクールでの公式ピアノにも採用され、多くのピアニストから支持されています。

その新世代モデルの開発に当たっては、演奏者の視点に立った開発を進めるために、ピアノ開発部門を核として、研究開発チーム、要素技術開発チームなど約60名による体制で設計に臨みました。木材改質技術「A.R.E.」(※1)や、最先端のデジタル技術を駆使したシミュレーションなど、当社が持つ多様な技術が応用されています。また、開発の過程では、約100名に及ぶピアニストの貴重な意見を反映し、30台を超える試作を経て新モデルを完成させました。

こうして作り上げた設計を基に高品質なピアノを生み出すのが、当社の熟練技術者です。グランドピアノ工場には限られた技術者しか立ち入ることのできない「特器工程」があり、そこには、各工程におけるスペシャリストたちが集結。時間や環境とともに生き物のように変化する木材や羊毛などの天然素材の状態を見極め、適切な加工を施し、最良の状態を引き出したピアノ作りを行っています。

製品仕様の詳細は、製品サイトをご参照ください。
https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/pianos/grand_pianos/cfx_02/index.html

<注>
1)「A.R.E.」とは、Acoustic Resonance Enhancementの略で、短期間で木材を熟成させ、長年使い込まれた楽器のような鳴りを生み出す、当社独自の画期的な木材改質技術です。温度、湿度、気圧を高精度にコントロールする専用の装置で処理することで、新しい木材を長年使い込まれた楽器のような深みのある音が出る木材へと変化させます。またA.R.E.はその処理過程で薬剤などを一切使用しない、環境面への負荷が低い技術です。これまでピアノの他、ギターやバイオリンなどの弦楽器でもこの技術が活用されています。

ヤマハ コンサートグランドピアノ『CFX』ヤマハ コンサートグランドピアノ『CFX』

ヤマハ コンサートグランドピアノ『CFX』ヤマハ コンサートグランドピアノ『CFX』

<イベント情報>
本製品による演奏をお聞きいただける「ヤマハ New CFX コンサートツアー」(ピアニスト 若林顕)を全国7カ所で開催予定です。

開催日/会場
2022年8月5日(金)/名古屋 電気文化会館 ザ・コンサートホール
2022年9月29日(木)/札幌 札幌市教育文化会館 小ホール
2022年11月15日(火)/仙台 宮城野区文化センター パトナホール
2022年12月15日(木)/福岡 福岡市健康づくりサポートセンター あいれふホール
2022年12月21日(水)/東京 ヤマハ銀座店 ヤマハホール
2022年12月25日(日)/大阪 フェニックスタワー ザ・フェニックスホール
2023年1月21日(土)/広島 広島市南区民文化センター ホール

詳細は以下リンク先にてご確認ください。
https://jp.yamaha.com/news_events/2022/pianos/cfx_tour.html

ヤマハ グランドピアノ 製品情報サイト
https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/pianos/grand_pianos/
ヤマハ 企業情報サイト/ニュースリリース
https://www.yamaha.com/ja/news_release/

※文中の商品名、社名等は当社や各社の商標または登録商標です。
※このニュースリリースに掲載されている情報などは、発表日現在の情報です。
発表日以降に変更される場合もありますので、あらかじめご了承ください。

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