株式会社キョードーメディアスのプレスリリース
内館牧子の大ベストセラー小説「すぐ死ぬんだから」が朗読劇として上演される。主演は泉ピン子。さらに、ピン子が自ら声をかけた村田雄浩が加わって、主人公の忍ハナとその夫・岩造、夫婦を取り囲むあらゆる登場人物たちを、二人で演じ分けることになる。
「若い頃から朗読劇に憧れていた」というピン子にとっては、ようやく念願が叶った形だ。「朗読劇というのは芸術性の高いイメージがあって、カッコいいなと思っていました。でも、やらないと思われていたのか、まったく話がこなかったんです。それで、最後に一度くらいやりたいなと思っていたところ、この話をいただいた。しかも、内館さんの原作を拝読したら、この忍ハナという役が、自分でも『私以外にいないでしょ』と思うほど私にぴったり。これは絶対にやりたいと思ったんです」。相棒として泉から誘われた村田も、原作を一読して「面白い」と唸った。「主人公がずっと本音でしゃべっていて、老齢を迎えた女性の思いが赤裸々に見えてくる。その姿がまた、あまりにもピン子さんにオーバーラップして、ピン子さんが演じるなら面白くならないわけがないと確信しました」。
主人公のハナは痛快な存在である。78歳になってもオシャレを楽しみ、やりたいことをやって、言いたいことを言う。いきなり訪れた夫の死と、それをきっかけに明らかになる夫の秘密に打ちのめされながらも、自分はどう生きるべきか、とことんもがいていく。「ハナの思いはすごく理解できるし、読んで本当にスカッとしました」と大いに共感するピン子。村田が「男のほうの気持ちもよくわかるし、この夫婦の子どもや孫まで描かれているので、どの年代の方が観てもわかる瞬間があって楽しいんじゃないでしょうか。ピン子さんと僕がお世話になった橋田壽賀子さんが書かれていたホームドラマのように、家族のコミュニケーションの大切さが伝えられる、素敵なお話だと思います」と付け加える。
8月の開幕に向けて本読みも始まった。「台本から目を離したらどこを読んでいたかわからなくなって大変。本番で『どこ読んでたっけ?』って聞くかもしれない(笑)」とピン子は言うが、村田曰く「途中で本を持って動き出して、改めてピン子さんのパワーを感じた」そうだ。現段階で、東京を皮切りに12月まで上演予定の今作は、場所も期間もさらに増えそうな勢いである。「泉ピン子を育てたのは、『おしん』や『渡る世間は鬼ばかり』を観てくださった方々。だから、こちらからいろいろなところに出向いて、『ありがとうございます』と言いたいと思っているんです。そして、いずれ私が死んだあとも、『ピン子ちゃん来たよね』と思い出してもらえたらこれ以上うれしいことはありません。これは私の“終活”。元気なうちに全国を回って、感謝を込めて演じたいと思います」とピン子が言えば、「こういう先輩がいると頑張ろうという気持ちになります」と村田。物語からも、それを朗読する二人からも、大きなパワーが受け取れる公演になりそうだ。
公演名:朗読劇 泉ピン子の「すぐ死ぬんだから」
出演 泉ピン子 村田雄浩
原作:内館牧子『すぐ死ぬんだから』(講談社文庫)
上演台本・演出 笹部博司
作曲 宮川彬良
主催「すぐ死ぬんだから」製作委員会
©内館牧子・講談社/「すぐ死ぬんだから」製作委員会
上演日程
8月4日〜14日[東京]あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)
8月17日[富山]オーバード・ホール(富山市芸術文化ホール)、8月27日[福岡]久留米シティプラザ、8月28日 [熊本]熊本城ホール、8月29日[鹿児島]宝山ホール、9月9日[大阪]箕面市立文化芸能劇場、10月6日[神奈川]相模女子大学グリーンホール、11月2日[東京]かめありリリオホール
公演ホームページ https://ml-geki.com/sugushinundakara2022/
チラシデザイン チャーハン・ラモーン
写真 ©️平賀正明
衣裳(泉ピン子) YUKIKO HANAI