株式会社KADOKAWAのプレスリリース
日本の文化振興に寄与するための事業を手掛ける公益財団法人 角川文化振興財団(理事長:角川歴彦)は、「バチカンと日本 100年プロジェクト」の関連プログラムのひとつとして、長崎出身のカトリック信徒、平山政十が巨額の私財6億円を投じて製作した、1931年の無声映画「殉教血史 日本二十六聖人」の活動弁士、楽団付上映イベントを 2022年4月2日(土)、ゆかりの深い長崎のカトリック浦上教会にて開催しました。
カトリック浦上教会で上映中の「殉教血史 日本二十六聖人」 国立映画アーカイブ所蔵
- 活動弁士の語りとギター、フルートの生演奏とともに来場者約200人が固唾をのんで観賞!
1597年に長崎県長崎市・西坂の丘で殉教した、国内のカトリック信仰のシンボルとして有名な日本二十六聖人。彼らの壮絶な運命をドラマチックに描いた1931年製作の歴史超大作「殉教血史 日本二十六聖人」の上映イベントが、公開時と同じく活動弁士、楽団付という演出で、ゆかりの深い長崎市の浦上教会にて開催されました。
当時、6億円という巨額の私財を投じ、ローマでの撮影ロケも敢行して製作したのは、長崎出身のカトリック信徒、平山政十。彼は本作を日本国内での公開だけでなく、アメリカやヨーロッパでの上映にも踏み切るなど、並々ならぬ心血を注ぎ、アメリカのカトリック雑誌「The Lamp」(1932年)では、“アメリカで初めて公開された日本映画” として紹介され、全米約200個所で上映、およそ15万人が観賞したといわれています。
今回の上映イベントでは、公開された昭和6年当時同様、活動弁士、楽団の生演奏付で、しかも教会内で実施するという普段めったに見ることのできない趣向を凝らした演出で開催。活動弁士の澤登翠さんの語りと無声映画専属楽団カラード・モノトーン・デュオのギター・湯浅ジョウイチさんとフルート・鈴木真紀子さんの調べにのせた壮大な歴史ドラマに、約200人の観客は固唾をのんで見入っていました。
活動弁士の澤登翠さん
無声映画専属楽団カラード・モノトーン・デュオ ギター・湯浅ジョウイチさん(右)とフルート・鈴木真紀子さん(左)
カトリック浦上教会
- 二十六聖人の列福や核兵器問題など画期的な研究成果を発表!
4月10日長崎ブリックホールにて【公開シンポジウム】開催!
カトリック浦上教会での「殉教血史 日本二十六聖人」の映画上映に続き、「バチカンと日本 100年プロジェクト」のメインプログラムの一つとして、ヴェールに包まれていたバチカンと日本の450年を紐解く公開シンポジウム「バチカンに眠る日本の記憶 ―文化と交流の450年・教皇の知り得た日本―」 を、2022年4月10日(日)10時より、長崎県長崎市の長崎ブリックホールにて開催いたします。
- バチカンに眠る日本の記憶―文化と交流の450年・教皇の知り得た日本―
バチカン図書館やバチカン文書館には、潜伏キリシタン時代の日本に関する報告史料や、20世紀前半のローマ教皇庁と日本政府の外交関係史料など、さまざまな史料が存在すると言われてきましたが、多くは未解明のままです。
元文化庁長官で多摩美術大学理事長の青柳正規氏を代表とする、総勢10名を超える研究チームには、バチカン・教皇庁文化評議会(Pontificium Consilium de Cultura)の後援のもと、これまで日本の研究者には許可されていなかった資料が特別に開示され、新たな発見に結実しはじめています。研究分野は多岐にわたります。
今回の長崎でのプログラムは、昨年11月に東京で開催された公開シンポジウムをさらにバージョンアップ。昭和天皇とバチカン政府との関係を示す文書の発掘や長崎二十六聖人の列福成立を紐解く研究、バチカンと核兵器問題など、日本には記録が残っていない、長崎とバチカンに関わる貴重な研究成果も多く盛り込まれ、まさに歴史的瞬間に立ち会える絶好の機会となります。
日時:2022年4月10日(日) 10:00 ~18:00(終了予定) 【9:30開場】
会場:長崎ブリックホール 長崎県長崎市茂里町2-38
http://www.brickhall.jp/
入場料:3,000円(税込) 定員:先着300名様
(座席は自由席となります。感染対策として、お帰りの際にご連絡先のご提出をお願いしております)
※後日オンライン配信もいたします。
お申し込み:下記サイトよりお申込みください。
https://www.ticketpay.jp/booking/?event_id=37795
お申し込み締め切り 4月9日(土)23:59
サイトでのお申込みが出来ない方は下記事務局までご連絡ください。
現金書留にて対応いたします。
電話番号 03-5565-3565(平日10時~17時/土日祝除く)
- ~公開シンポジウム長崎会場 プログラム概要~
●挨拶 10:00~10:25
・・・川村信三(上智大学教授)/角川歴彦(角川文化振興財団理事長)/岡田誠司(在バチカン特命全権大使)/大石賢吾(長崎県知事) 他
●シンポジウムによせて ビデオレター 10:25~10:40
ローマ市民権とド・ロ神父 ・・・青柳正規(多摩美術大学理事長、橿原考古学研究所長、東京藝術大学特任教授、東京大学名誉教授、日本学士院会員)
バチカンと日本の歩み
・・・デ・メンドンサ枢機卿 (Card. José Tolentino de Mendonça)
●基調講演 10:40~11:05
教皇たちと日本 バチカンから見るキリシタン遺産
・・・川村信三(上智大学教授)
●プログラム 第1部 いま甦るバチカンの記憶 (各25分) 11:05~11:55
1.バチカンに眠る史料 バチカン図書館・文書館の歴史とその特徴 11:05~11:30
・・・原田亜希子(帝京大学講師)
2.平戸地方キリシタンの信仰様相 かくれキリシタン信仰から見えてきたこと 11:30~11:55
・・・中園成生(平戸市生月町博物館・島の館学芸員)
(休憩: 11:55~12:50)
●プログラム 第2部 新地平への窓 (各25分) 12:50~17:00
◆ 近世 12:50~14:45
1. 長崎から世界へ 長崎二十六殉教者列福成立の立役者たち 12:50~13:15
・・・小俣ラポー日登美(京都大学 人文科学研究所 白眉特定准教授)
2. 日欧を結ぶ音信と旅路 鎖されゆく「扉」と2人のポルトガル人イエズス会士 13:15~13:55
(共同発表)
・・・阿久根晋(日本学術振興会特別研究員PD、京都府立大学非常勤講師)
・・・木﨑隆嘉(東京大学・慶應義塾大学ほか非常勤講師)
3. バチカン文書館所蔵のシドッチ関係史料をめぐって 13:55~14:20
・・・浅見雅一(慶應義塾大学教授)
4. マレガ資料群をめぐる交流とキリシタン研究の可能性 14:20~14:45
・・・大友一雄(国文学研究資料館名誉教授)
(休憩: 14:45 ~ 14:55)
◆ 近現代 14:55 ~ 17:00
1. 長崎・五島・天草地方をはじめとするキリスト教建築の諸相 14:55~15:20
・・・山田由香里(長崎総合科学大学教授)
2. バチカン文書が物語る日本との外交関係 日本宣教に生涯を捧げたT.A.フォルカード(1816-1885) 15:20~15:45
・・・大瀬高司(跣足カルメル修道会日本総長代理)
3. バチカン「アニマ・ムンディ」民族学博物館蔵のジャパニーズコレクションの諸相 寛文~延宝期の十三尊仏画を例として(1661-1681) 15:45~16:10
・・・ミシェル・ゴ-ヴァン(Michel Gauvain)(バチカン布教民族博物館非常勤研究員)
4. バチカンと核兵器問題 唯一の被爆国日本との特別な関係 16:10~16:35
・・・松本佐保(日本大学教授)
5. バチカン使節がみる近代日本の天皇(1905-1945) 16:35~17:00
・・・アレクザンドラ・フォン・トイッフェンバッハ(Alexandra von Teuffenbach)(教会史研究者)
(休憩・舞台転換: 17:00~17:10)
●プログラム 第3部 ディスカッション (45分) 17:10~17:55
・・・司会/川村信三(上智大学教授)
※タイトル、内容は変わることがあります。
詳しくはプロジェクトサイトにて
https://vj100.jp/event/