株式会社emir heartのプレスリリース
女優のアナンダ・ジェイコブス(NHK大河ドラマ「八重の桜」「マッサン」映画「テルマエロマエ」等)と俳優の真野マモル(映画「ブルーバーズの詩」等)がダブル主演、恵水流生監督の映画『牙の曲線』が、2022年末に公開される。また本日を持って予告編が初公開となる。原作は“映像化不可能な幻作”として反響が広がり、さらに米国のプリンストン大学で、日本文学を研究する人々の間でも読まれ世界へ広まった小説「マンモスの牙」小山右人著 第28回新潮新人賞受賞。
主人公は超新星(スーパーノヴァ)のあだ名持つフランスからやって来た若い女性。空中に潜む鍵を探るため全身の末端まで神経を張り詰め、窮屈なポーズを取り、「人生にとって最も大切な謎を解く鍵を探している」と言う。とりわけ日本文化の雰囲気と豊かな自然に直感を受け、彼女はやって来た。限られた時間の中、危険な罠さえ潜り抜け、閃きを感じれば場所を選ばず、例の不思議な仕草に身をよじり始めるのだ。
緩慢なギクシャクした動きは、カマキリの関節の動きをも連想させるが、当人にとってはそれどころではない、秘密の宝を手に入れられるかどうかの瀬戸際に追い詰められている心境なのだという。やがて彼女は、その謎を解く核心のひねりを、マンモスの牙のえも言われぬ曲線の優美さに見いだすのだが・・・。
原作は小説「マンモスの牙」小山右人著で、第28回新潮新人賞受賞。従来の小説では成り立ち得ない世界を切り開いた驚きが評価された。米国のプリンストン大学で、日本文学を研究する人々の間で多く読まれ世界へ広まっていく。
難解な小説はまず文学を深く理解する人々の心で咀嚼され、長い時を経て世に浸透していくと予想していた。しかし思いのほか早く時代の要請に目覚めさせられ映画化にまで至った、と著者は語る。
原作著者の小山右人は、医学生時代に人体解剖学の実習で、指導教官の三木茂夫先生のゲーテ形態論に根差した進化論に深い感銘を覚えた。自然と一体となる愛情を基礎に、人体の内に古代の海の生物から現代に至る形態の変遷が刻まれているのを目の当たりにした感動は忘れられない。神秘的でもある教えは彼にこびりつき、20年余りを経て、博物館のマンモスの化石の前に彼が佇んだ時、小説の主要部分として溢れ出すまでに熟しており、その後とめどなく一気にまとめあげられた。
映画「牙の曲線」ーー地球が丸いことを知らない人はいない。が、マンモスの牙についてはどうか。その曲線が類まれな優美さで、宙に潜む、人生の謎を解く鍵を指していたと言ったら、すぐに納得する人はいるだろうか。 しかし彼女は、たった一人でそのことを明かしてみせた。
21世紀にもかかわらず、愚かな戦争さえ止められない人間の無力さに、全世界が失望に覆われる昨今。彼女が一人静かに突き進めてきた人間の深奥の探求に、注目が集まる時が訪れた。
人間を深奥から徹底的に模索する一人の女性の真摯な探求が、 世界の意味をほんの少し変質させ、戦争をしらけさせてしまう力を発揮しないと言い切れるだろうか。
きっかけは常に些細なところから訪れる。まずマンモスの牙の曲線が、人生の謎を解く鍵を指し示していたという発見に、虚を突かれた感覚がもたらされる。
新進気鋭の映画監督、恵水流生氏は、目ざとくこの作品が内包する驚きを直感し、試行錯誤してきた写真の技の粋を注ぎ込んだ。
<脚本・原作> 小山右人
<監督> 恵水流生
<出演者> アナンダ・ジェイコブズ、真野マモル、
優羽苗、ソフィ・愛、山下ケイジ、小山右人、
中嶌大輔、樋川ルミ
<撮影監督> 今井哲郎
<録音> 竹内勝一郎
<衣装> 恵水流生
<小道具> 貴志友美子
<メイク> 香坂寛子
<編集・音楽> 水流ともゆき
謎めいた女性、超新星(スーパーノヴァ)の謎解きを中心に繰り広げられる《斬新な不思議さに触れる驚き》をお楽しみください。
予告編
映画「牙の曲線」ーー地動説が万人の認識になるまで、人類はどれほどの犠牲と時を強いられたことか。マンモスの牙が、何万光年もの星座煌めく宇宙に聳え、人生の謎を解く鍵を指し示していたとは、まだこの映画を見た人以外で知る者もない。
小説「牙の曲線」(映画シナリオ風、kindle 版)小山右人著 AESTHETICS ÉDITIONS,2021,ASIN:B09CLYKLJF