ソニー企業株式会社のプレスリリース
2024年の完成を目指すGinza Sony Park(銀座ソニーパーク)は、昨年末より「Park Live」を再始動、建て替え工事中の現場から実験的なライブパフォーマンスをお届けしています。
今回出演したアーティストは、自身のYouTubeチャンネルでの弾き語り動画や生配信が好評、3月30日に2ndアルバム「光を投げていた」をリリースした、今、注目のシンガーソングライター・小林私。衣装やカメラワークにも拘った、普段の配信とは異なる小林私の世界観をYouTube Liveで生配信しました。ライブ本番の様子はSony Park公式YouTubeチャンネルのアーカイブからご覧いただけます。URL:https://youtu.be/E8LddTIyndg
■ 2022年4月16日(土) Park Live 実施概要
日時:2022年4月16日(土) 21:00~
配信:YouTube(Sony Park公式チャンネル)
出演者:小林私
視聴無料
ライブ本番の様子はSony Park公式YouTubeチャンネルのアーカイブからご覧いただけます。
https://youtu.be/E8LddTIyndg
【ライブレポート/ライター 石井恵梨子】
地下駐車場に隣接した空間の、剥き出しの配管と真っ白な背景。廃墟のようであるが、ライトで照らし出せばSFチックな近未来空間にもなっていく。建て替え工事中のGinza Sony Parkはそんなところだった。黒い背景のライブハウス無観客配信よりは断然演出のしがいがある。ただし、本当に剥き出しの空間だから、ただボーッと立っていては何も始まらない。要は、いかにこれが派手なステージであるかを見立てる能力。アーティストに求められるのはそこである。
YouTube配信から注目を集めたシンガー小林私。普段は自宅から普段着で届ける即興の弾き語り。オリジナル曲もあればカバーもあり、とりとめのないお喋りが続く日もある。配信に関しては慣れたものだろうが、こういう特別空間にポンと置かれた時に彼はどうなるのか。新曲「biscuit」から始まって即座にわかったのは、この人はスターになる、ということだった。
自分の意思に関係なく持っていかれる感じ。あるいは、ドラマティックな小林劇場に否が応でも引き込まれていく体験。生で見る小林私は、昭和歌謡の匂いをまとったメロディの上に矢継ぎ早な言葉を乗せ、波瀾万丈のスリルを作り上げていく圧倒的なスター歌手であった。随所に差し込まれる低音のガナリ声と、その直後に生まれるファルセットの対比もエロティックだし、後半の転調はドラマをさらに盛り上げる効果を生む。高波に飲まれるような3分間。一曲だけで、Ginza Sony Parkはすっかり彼専用の特設ステージに変わっていた。
続く「HEALTHY」では、光の十字が小林の顔を斜めに切り取っていく美しいライティング。深い陰影が小林の端正な顔を引き立てる。この日のためのグリーンのスーツもよく映えている。ただ、一番印象的だったのは本人の圧倒的な声量だ。自宅配信では気づきにくいが、マイクとの距離がこれだけ離れてもここまで出るのかと驚く声量を、彼は巧みにコントロールしている。後半のタメ、繰り返す〈HEALTHY〉の言い回しに宿るケレン味など、役者魂すら感じる唱法だ。ギターひとつ、歌声ひとつ。裸同然のスタイルで、ここまで派手にかぶく才能には近年お目にかかったことがない。
しかしMCが始まれば小林は一瞬で素に戻る。とりとめなく軽口を叩き、リアルタイム・チャットの声にはスマホ片手にすぐ反応。呆れるほどに頭と口の回るYouTuberの姿だ。このギャップはなんだろうかと思う。SF空間に舞い降りたスターのごとくに振る舞いながら、彼はトークでそれを打破していく。「特殊な空間」のためのカメラワークや演出を、トークによって「配信なんて俺や視聴者とって当たり前」と定義し直していく行為。ここに世代の常識があるのだろう。新たな世代によって定義されていく配信ライブのかたちを感じた。
カーマインに染まった空間でわざと品なくガナってみせるロカビリー風の「日暮れは窓辺に」。ゆったりとした一語一句が染み入るバラード「スープが冷めても」。曲調は違っても小林のオーラは変わらない。何より凄いのは歌から放たれる毒気だ。オーガニックな有機物ではない、危険な毒だとわかっているのに、自分からそこに当たりに行きたくなる色っぽさ。ギターの弦を叩きつけハードに歌い上げる「目下II」が終わる頃には「あっちぃ」の一言。スタート当初は「さみー」から始まったライブだったが、たった一人のめくるめく歌声によって現場の温度は確かに上昇していた。
ラストは逆光に照らされての「共犯」。卑屈な本音を畳み掛ける内容で、正論ばかり主張しない後ろ暗さも小林にはよく似合っている。健全で安心なものが、1+1=2のように正しいとは限らないから音楽は面白い。いびつでアンバランスゆえに惹かれることもある。歌とMC、ルックスと振る舞いのずれ。
それら強烈なギャップも込みで今の小林私は存在している。黙っていればいくらでもクールに魅せることができた今回の舞台だが、その枠におとなしく収まるタマではないところが、このスター歌手の一番面白いところなのだろう。
■ プロフィール
小林私
1999年1月18日、東京都あきる野市生まれ。
多摩美術大学在学時より、本格的に音楽活動をスタート。
シンガーソングライターとして、自身のYouTubeチャンネルを中心に、オリジナル曲やカバー曲を配信。楽曲をコンスタントに発表し続け、チャンネル登録者数は14万人を超えている。
2021年には1stアルバム「健康を患う」がタワレコメン年間アワードを受賞。過去行ったワンマンライブのチケットは全てソールドアウトしている。
2022年3月には自らが立ち上げたレーベルであるYUTAKANI RECORDSより2ndアルバム「光を投げていた」をリリース。
・ Twitter
https://linktr.ee/kobayashiwatashi
・ Instagram
https://www.instagram.com/yutakani_records/
・YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCFDWRdFhAFyFOlmWMWYy2qQ
■ Park Liveについて
Ginza Sony Parkでは2018年のスタートから、250組を超えるアーティストと共に、ライブパフォーマンスを通じて、音楽との偶発的な出会いを演出するPark Liveを実施してきました。Park Liveは、ライブハウスともクラブとも一味違う、音楽と触れ合う新たな場を目指しています。
Stay homeが掲げられた2020年4月からは、オンラインでのライブ配信を通じて開催。YouTubeチャンネルでは、一部のアーティストを除きアーカイブ動画も公開しています。
※過去の全出演アーティスト一覧は、こちら。https://www.sonypark.com/parklive/
■ Ginza Sony Parkについて
Ginza Sony Parkは、ソニービル設立当初からの「街に開かれた施設」というコンセプトを継承し、ソニービル解体工事の途中2018年8月9日にオープンしました。年間を通して驚きや遊び心が感じられる様々なイベントやライブなどのプログラムを実施する、都会の中にある「変わり続ける実験的な公園」として、3年間で854万人のお客さまにご来園いただきました(2021年9月末時点)。
現在は建て替え工事を進めており、2024年に新・Ginza Sony Parkが完成する予定です。
また2022年3月23日、工事中のGinza Sony Parkに隣接する西銀座駐車場の地下1階に実験的POP-UPスペース「Sony Park Mini」をオープン。わずか10坪ほどの小さなスペースにて、年間を通して30以上の様々な分野のクリエイターやアーティストの作品や制作過程の鼓動を感じるプログラムをお届けします。
Sony Park 公式Webサイト・SNSアカウント
Web:https://www.sonypark.com/ ※ 3月16日よりURLを変更しました。
Instagram:https://www.instagram.com/ginzasonypark/
Twitter:https://twitter.com/ginzasonypark/
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YouTube:https://youtube.com/ginzasonypark/
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