東京フィルハーモニー交響楽団、7月に俊英・出口大地と木嶋真優のタッグでハチャトゥリアン・プログラム

東京フィルハーモニー交響楽団のプレスリリース

東京フィルハーモニー交響楽団は、指揮者・出口大地、ヴァイオリニスト木嶋真優を迎え、2022年7月定期演奏会を7月7日(木)、10日(日)、12日(火)に開催します。アルメニアと日本の外交関係樹立30周年でもある今年、アルメニアの国民的作曲家ハチャトゥリアンの有名な『剣の舞』や交響曲第2番『鐘』ほか、オール・ハチャトゥリアン・プログラムでお届けする貴重なコンサートです。

 公益財団法人 東京フィルハーモニー交響楽団(東京都新宿区、理事長:三木谷浩史)は、2022年7月の定期演奏会を7月7日(木)、10日(日)、12日(火)に開催いたします。

東京フィルハーモニー交響楽団2022年7月定期演奏会

 指揮は、東京フィル初登場、日本デビューとなる若手・出口大地。昨2021年ハチャトゥリアン国際コンクール指揮部門で日本人として初めての第1位、同年クーセヴィツキー国際指揮者コンクール最高位ならびにオーケストラ特別賞を受賞。いま最も勢いに乗る若手が「自身の人生を変えた」というハチャトゥリアン国際コンクールで指揮した交響曲第2番『鐘』ほか、オール・ハチャトゥリアン・プログラムを引っ提げて3公演を指揮。
 

 前半プログラムでは「剣の舞」の激しいリズムで著名なバレエ音楽『ガイーヌ』より抜粋5曲、そして溢れる才能と親しみやすいキャラクターで各界から愛されるヴァイオリニスト木嶋真優をソリストに迎えてヴァイオリン協奏曲をお届けします。名匠ザハール・ブロンに師事した木嶋の華麗な演奏にも注目が集まります。
後半の「交響曲第2番『鐘』」は同作曲家の傑作として名高い作品。第二次世界大戦さなかの1943年に書かれ、悲痛な感情をまといながらも最後には希望を感じさせる作品です。演奏される機会は多くありませんが、今こそ聴くべき作品と言えるでしょう。

 2022年は西コーカサスに位置しハチャトゥリアンのルーツでもあるアルメニア共和国と日本の「外交関係樹立30周年」の記念の年。ソヴィエト政権下に生き、ソ連人民芸術家の称号をも獲得したハチャトゥリアンは、その作品で高揚と没入、哀しみと幸福、祈りや葛藤といった人間の普遍的な心を故郷コーカサス民謡の色彩あふれるパレットで描き、国民から敬愛を集めました。 

作曲家アラム・イリイチ・ハチャトゥリアン(Aram Ilich Khachaturian)

指揮者・出口大地より

世界最古のキリスト教国、アルメニア。街中や大自然の中に時が止まったように点在する太古の教会、ゴツゴツとした岩山の周囲に広がる緑の原野と湖……。まるでロールプレイングゲームの世界観を抜き出したようなこの国をルーツに持つハチャトゥリアン。世にも珍しいオール・ハチャトゥリアンのプログラムは、彼が指揮者として日本のオーケストラと共演した作品をテーマとしています。

音楽の源泉を「民謡とリズム」と語り、自身の性格を「エネルギッシュで善良」と表現したその個性はそれぞれ『ガイーヌ』とヴァイオリン協奏曲に投影され、交響曲第2番『鐘』は盟友ショスタコーヴィチをして「悲劇的な源泉がきわめて高揚した最初の作品」と言わしめた、平和への祈りと葛藤が詰まった大作です。そんな彼の喜怒哀楽を揃えたプログラム、東洋的な旋律や和太鼓を彷彿とさせる血沸き肉躍るリズムは、必ず日本人の琴線にも触れると信じています。

19歳まで音楽教育を受けずに育ち、日本をはじめ世界で活躍したアルメニア人作曲家兼指揮者ハチャトゥリアンと、同じく法学部から回り道して音楽の世界に入り、彼の名を冠するコンクールでアルメニアデビューを飾った日本人指揮者の私。そんな二人の織り成すちょっぴり奇妙で不思議な運命のあやとり糸が、アルメニアと日本の「はしご」となれば幸いです。

 この記念すべき年に、日本の若き音楽家たちが、国と国との友情の証ともなる3つの作品を奏でます。ご期待ください。

 

  • 《東京フィルハーモニー交響楽団 7月定期演奏会》詳細

◇日時・会場
7月7日[木]19:00開演 東京オペラシティ コンサートホール

7月10日[日]15:00開演 Bunkamura オーチャードホール
7月12日[火]19:00開演 サントリーホール

◇出演
指揮:出口大地
(2021年ハチャトゥリアン国際コンクール第1位、クーセヴィツキー国際指揮者コンクール最高位入賞)
ヴァイオリン:木嶋真優*
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

◇曲目
ハチャトゥリアン/バレエ音楽『ガイーヌ』より
 アイシェの目覚めと踊り / 山岳民族の踊り / ガイーヌのアダージョ / 剣の舞 / レズギンカ
ハチャトゥリアン/ヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン:木嶋真優)*
ハチャトゥリアン/交響曲第2番『鐘』

◇チケット価格(全席指定・消費税込) 
SS席¥15,000 S席¥10,000 A席¥8500 B席¥7,000 C席¥5,500 G席¥2,200
※G席は7/12公演のみが対象です。残席状況はお問合せください。
◇チケット問合せ
東京フィルチケットサービス 03-5353-9522 (平日10時~18時/土日祝休)
東京フィルWEBチケットサービス https://www.tpo.or.jp/ (24時間対応・座席選択可)
※来場前に必ず当団の実施する新型コロナウイルス感染予防策をご一読のうえ、徹底いただきますようお願い申し上げます。
https://www.tpo.or.jp/information/detail-20211119-01.php
 

  • 関連情報

▶2022年7月定期演奏会 公演情報/特設ページ
https://www.tpo.or.jp/information/detail-20220612.php

▶アルメニアと日本の友情の架け橋 俊英が紡ぐオール・ハチャトゥリアン・プログラム(文=林 昌英)
https://www.tpo.or.jp/information/detail-20220612-01.php

▶[特別記事]アルメニア探訪~アルメニア・日本外交関係樹立30周年 | 7月定期演奏会
https://www.tpo.or.jp/information/detail-20220624-01.php

▶出口大地・動画メッセージ

 

  • 出演者プロフィール

出口大地 指揮 Daichi DEGUCHI, conductor

指揮者 出口大地 (C)hiro.pberg_berlin

 第17回ハチャトゥリアン国際コンクール指揮部門にて日本人初の優勝。クーセヴィツキー国際指揮者コンクール最高位及びオーケストラ特別賞。これまでにコンツェルトハウス・ベルリン管弦楽団、アルメニア国立交響楽団、カルロヴィ・ヴァリ交響楽団など数多くのオーケストラを指揮。2021年にはベルリン放送交響楽団の公演にてヴラディーミル・ユロフスキ氏のアシスタントを務めた。
 大阪府生まれ。 関西学院大学法学部卒業後、東京音楽大学作曲指揮専攻(指揮)卒業。2022年ハンスアイスラー音楽大学ベルリンオーケストラ指揮科修士課程修了予定。指揮を広上淳一、田代俊文、三河正典、下野竜也、クリスティアン・エーヴァルト、オペラ指揮をハンス・ディーター・バウムの各氏に師事。またネーメ、パーヴォ、クリスティアン・ヤルヴィ、ドナルド・ラニクルズ、ヨハネス・シュレーフリ、井上道義、沼尻竜典各氏らのマスタークラスにオーディションを経て招待され薫陶を受ける。
https://daichideguchi.wixsite.com/daichideguchi

木嶋真優 ヴァイオリン Mayu KISHIMA, violin

ヴァイオリニスト 木嶋真優 (C)KINYA OTA(MILD)

 2016年第1回上海アイザック・スターン国際ヴァイオリン・コンクールにて優勝。
 2000年第8回ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール・ジュニア部門にて日本人として最年少で最高位を受賞。2011年ケルン国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で優勝、あわせてその優れた音楽的解釈に対しDavid Garrett賞も受賞した。2012年春にはケルン音楽大学を首席で卒業。2015年秋には同大学院を満場一致の首席で卒業し、ドイツの国家演奏家資格を取得、2016年秋には神戸市より神戸市文化奨励賞を授与された。
 レコーディングは、ウラディーミル・アシュケナージから強い推薦を受け、「アシュケナージ&NHK交響楽団」の“ツィガーヌ”に参加。2020年12月にはキングレコードより新譜CD「seasons」をリリース。
 現在日本とヨーロッパに拠点を置き、リサイタル、オーケストラとの共演、室内楽など幅広く活動を行なっている。2002年度文化庁海外派遣研修員。
 使用楽器はNPO法人 イエロー・エンジェル、宗次コレクションより特別に貸与されたAntonio Stradivari 1699 ”Walner”。
http://miy-com.co.jp/artists/mayu-kishima/

東京フィルハーモニー交響楽団 管弦楽 Tokyo Philharmonic Orchestra

東京フィルハーモニー交響楽団 (C)上野隆文

 1911年創立。日本で最初に100周年を迎えた、日本で最も古い歴史と伝統を誇るオーケストラ。約160名のメンバーをもち、シンフォニーオーケストラと劇場オーケストラの両機能を併せもつ。名誉音楽監督にチョン・ミョンフン、首席指揮者にアンドレア・バッティストーニ、桂冠指揮者に尾高忠明、大野和士、ダン・エッティンガー、特別客演指揮者にミハイル・プレトニョフ、アソシエイト・コンダクターにチョン・ミンを擁する。定期演奏会や「渋谷/平日/休日の午後のコンサート」など、クラシック音楽を広く普及させる自主公演の他、新国立劇場のレギュラーオーケストラとしてオペラ・バレエ演奏、『NHKニューイヤーオペラコンサート』『ブラボー!オーケストラ』『名曲アルバム』『題名のない音楽会』『東急ジルベスターコンサート』『NHK紅白歌合戦』などの放送演奏により、全国の音楽ファンに親しまれる存在として高水準の演奏活動と様々な教育的活動を展開している。2020~21年のコロナ禍における取り組みはMBS『情熱大陸』、NHK BS1『BS1スペシャル 必ずよみがえる~魂のオーケストラ 1年半の闘い~』などのドキュメンタリー番組で取り上げられた。
1989年にBunkamuraオーチャードホールとフランチャイズ契約を締結。また、東京都文京区、千葉県千葉市、長野県軽井沢町、新潟県長岡市と事業提携を結び、各地域との教育的、創造的な文化交流を行っている。昭和62年度芸術祭賞、平成7年度芸術祭大賞、平成16年度芸術祭優秀賞、また「音楽の未来遺産」三善晃管弦楽作品シリーズ3公演のライヴCD「三善晃の音楽」(カメラータ・トウキョウ/平成20年10 月)が平成20年度芸術祭優秀賞を受賞した。他に、昭和59年度に第8回音楽之友社賞と第8回ゆとりすと賞(味の素社)、平成13年度ミュージック・ペンクラブ賞(クラシック部門/日本人アーティスト)、2021年「OPUS KLASSIK 2021」交響曲部門(20-21世紀)などを受賞している。
◇公式ウェブサイト http://www.tpo.or.jp/
◇Facebook https://www.facebook.com/TokyoPhilharmonic
◇Twitter https://twitter.com/tpo1911
◇Instagram https://www.instagram.com/tokyophilharmonicorchestra/
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