公益財団法人東京都歴史文化財団のプレスリリース
沖縄戦に動員された少女たちに着想を得て創作された今日マチ子の漫画「cocoon」を原作に、マームとジプシーと音楽家・原田郁子が舞台化する本作。2013年2015年2回の上演を経て、7月9日より東京芸術劇場プレイハウスを皮切りに、約7年ぶりに新演出で上演される。東京芸術劇場では、本公演にて視聴覚に障害がある方へ舞台説明会やポータブル字幕機の提供の鑑賞サポートや有料の託児サービスを実施します。
◆マームとジプシー『cocoon』東京芸術劇場公演における鑑賞サポートについて
1. 聴覚に障害のあるお客様のためのポータブル字幕機提供サービス
上演中にセリフや効果音などの情報をお手元でご覧いただけるポータブル字幕機を無料でお貸出しします。
【対象公演】7月13日 水曜日 19時
18時00分(予定)受付開始・字幕機貸出し
※手話通訳者と要約筆記者が立ち会います。
19時00分 開演
2. 視覚に障害のあるお客様のための舞台説明会舞台装置や登場人物などについて、開演前にスタッフがご説明します。
【対象公演】
7月16日 土曜日 13時
11時45分(予定) 受付開始
11時50分(予定)舞台説明会開始
12時30分(予定)ロビー開場
13時00分 開演
【会場】
東京芸術劇場 プレイハウス
【料金】
S席 6,000円
※本公演は、チケットはご本人・介添者共に定価でのご案内となります。(障害者割引は適用されません。)
【定員】
各回10名(先着順・介助者含む)
【お申込み締切】
字幕機提供:7月3日 日曜日 17時
舞台説明会:7月6日 水曜日 17時
【お申込み方法】
下記いずれかの方法で東京芸術劇場ボックスオフィスにお申込ください。
① TEL:0570-010-296(休館日を除く10時~19時/ナビダイヤル)
② FAX:03-5944-8651
③ MAIL:ticket#geigeki.jp(※#は半角の@マークに置き換えてください。)
※件名に「『cocoon』字幕機 または 舞台説明会」と明記してください。
お申し込みの際は下記情報をお知らせください。
① 氏名 ※視聴覚に障害のある方が対象となります。
② 介助者の有無
③ 介助者氏名 ※介助者が必要な方、補助犬をお連れになる方はお申込み時にお伝えください。
④ 連絡先(電話・メールアドレス・FAX番号)
⑤ チケット購入希望の有無
⑥ コミュニケーション方法(手話通訳または要約筆記) ※字幕機お申込みの方のみ
【公演チケットについて】
公演ご鑑賞にあたっては、別途チケットのご購入が必要です。
本サービスお申込みとともに、チケットのご購入も東京芸術劇場ボックスオフィスで承ります。
既にチケットを入手されている方は、ボックスオフィスにて本サービスのみをお申込みいただけます。
※受付の際に障害者手帳をご提示ください。
※チケット料金お支払いとお引取方法により、所定の手数料が発生する場合がございます。
※当日ご来場出来なくなった場合や、開演時刻に間に合わない場合は、必ず東京芸術劇場ボックスオフィスへご連絡ください。
◆託児サービス(有料)
劇場でのコンサート・演劇などをご鑑賞の際は、東京芸術劇場5階の託児室にてお子様をお預かりいたします。
東京芸術劇場 託児室(東京芸術劇場 5階)
対象年齢:生後3ヵ月から小学校入学前のお子さま(定員あり)
予約方法:土曜・日曜・祝祭日を除くお預かり日一週間前までにお電話でご予約ください。
株式会社ミラクス ミラクスシッター
電話 0120-415-306(土曜・日曜・祝祭日を除く平日、午前9時から午後5時まで)
ご予約の際「東京芸術劇場の託児予約の件で」とお問い合わせください。
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<公演概要>
現在、そのあとの世界をどうして生きるか
2013年夏、演劇作家・藤田貴大率いるマームとジプシーは漫画家・今日マチ子「cocoon」を原作に、沖縄戦に動員される少女たちに着想を得て作品を製作、発表いたしました。少女たちの賑やかな日常が戦争によって否応なしに死と隣り合わせの日々へと変わっていく様子を、切実さを持って描きました。初演では演劇界のみならずあらゆるジャンルのクリエイター及び観客より激賞を受けました。そして、2015年には東京芸術劇場とマームとジプシーが新たにタッグを組んで、沖縄含む全国6都市ツアーを開催し、その翌年には、本作にて藤田が第23回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞しました。ついに今夏、再演から約7年の月日を経て、待望の上演が決定。マームとジプシー設立15周年を迎えるこの年にMUM&GYPSY 15th anniversary year vol.2と銘打ち、沖縄から北海道まで全9都市を巡ります。
現代の沖縄に流れる時間
2013年「cocoon」に取り組み、沖縄に出会った藤田は、その後も頻繁に沖縄へ足を運び、「今」という時間を見つめました。2022年2月には、那覇文化芸術劇場なはーとのこけら落としプログラムとして、藤田の最新作「Light house」を劇場と共同で製作し、発表。その製作期間中には、ソーセージ・チーズ・ビール・パン屋などの製造業の方々、小書店・カフェのオーナー、沖縄の雑誌編集長、那覇でホテルを経営する建築家の方々など、現地で実際の営みの場を持つ方との対談を実施。また、沖縄在住の方を対象としたZoomワークショップを開くなど、沖縄に住む方々と出会い、多くの対話の場を設けました。こういった時間を重ねて生まれた作品「Light house」では、人々の記憶や歴史の断片を「水の流れ」と結びつけて舞台を展開させました。インタビューや書籍・資料からの情報だけでなく、「Light house」を経て、藤田自身が体感した現代の沖縄に流れる時間も含め、改めて「cocoon」という作品を描きます。
2020年より2022年の上演に向けて続けた作業
2020年夏、全6都市を巡るツアーの開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大予防の観点より全都市の公演を中止いたしました。そこから約2年、今年の上演に向けて作業を続けてきました。その断片をcocoon works として公演特設サイトで公開しています。「cocoon」公演特設WEBサイト:http://mum-cocoon.com
公演に寄せてー藤田貴大
いつだってずっと、もう何年も。どこか内側に在るシーンというシーンは、眼裏で目まぐるしくリフレインしている。最速のスピードを持って、脳内を駆けめぐる。
あの季節の、あの湿度のなかを走りつづけている。もしくは、歩いている。校舎のなかを。休み時間、教室から教室へ。廊下を、歩いている。なんともない日々の眺め。しかし、その平穏さが一変する瞬間。いつのまにか忍びよっていた影に気づかずに、ある瞬間。いとも簡単に内側は壊されて、破裂した。
わたしたちは、終わることのない”cocoon”のなかを生きている。生きるしかない。
どういう音のなかで。どんな感触を持って。わたしたちは歩くだろう。走るだろう。旅にでたわたしたちは、どこでだれと出会って。なにを想うだろう。出会っただれかのなにかに、触れることはできるだろうか。
現在、変わることのなかったこの世界を生きて。あのあとの、そのあとの世界をどうして生きるのかという問いに抗いながら、でもやはり生きて。なにを想像するだろう。
もうとっくに内側は、空想の繭は破裂している。外に放り出されて、ただ立ち尽くして。なにを見つめて。耳を澄ませて。想像するか。
歩いて、そして走る。届くはずのない足音がここまで届いている気がするから。
2022.4.25 藤田貴大
MUM&GYPSY 15th anniversary year vol.2
「cocoon」
原作:今日マチ子(「cocoon」秋田書店)
作・演出:藤田貴大(マームとジプシー)
音楽 原田郁子
出演
青柳いづみ 菊池明明 小泉まき
大田優希 荻原綾 小石川桃子
佐藤桃子 猿渡遥 須藤日奈子
高田静流 中島有紀乃 仲宗根葵
中村夏子 成田亜佑美
石井亮介 内田健司 尾野島慎太朗
[東京]
2022年7月9日-17日|東京芸術劇場 プレイハウス
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1
*JR・東京メトロ・東武東上線・西武池袋線 池袋駅西口より徒歩2分。駅地下通路2b出口と直結しています。
<日時>2022年7月9日-17日
7月9日(土)19:00
7月10日(日)18:00
7月11日(月)休演日
7月12日(火)19:00
7月13日(水)19:00〇
7月14日(木)13:00★
7月15日(金)13:00
7月16日(土)13:00◎/18:00★
7月17日(日)13:00
※全日程でヒアリングループ(磁気ループ)を作動します。
*★=7月14日13時、16日18時の回はアフタートークあり
*〇=7月13日19時の回は聴覚に障害があるお客様のためのポータブル字幕機提供いたします。
*◎=7月16日13時の回は視覚に障害があるお客様のための舞台説明会を実施いたします。
ツアースケジュール
[長野]2022年7月23日-24日|サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)小ホール
[京都]2022年7月30日-31日|京都芸術劇場 春秋座(京都芸術大学内)
[愛知]2022年8月6日-7日|穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
[福岡]2022年8月14日|北九州芸術劇場 中劇場
[沖縄]2022年8月20日-21日|那覇文化芸術劇場なはーと 小劇場
[埼玉]2022年9月2日-4日|彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
[北海道・伊達]2022年9月17日|だて歴史の杜カルチャーセンター
[北海道・士別]2022年9月23日|あさひサンライズホール
公演概要は各劇場のHPをご覧ください。
プロフィール
今日マチ子 Machiko KYO
東京都出身。東京藝術大学、セツ・モードセミナー卒。自身のブログで、ほぼ毎日更新している1ページのショートマンガ『センネン画報』が単行本化され注目を集める。2005年に第1回「ほぼ日マンガ大賞」入選。2006年と2007年に『センネン画報』が文化庁メディア芸術祭「審査委員会推薦作品」に2年連続で選出。2010年に『cocoon 』、2013年に『アノネ、』がそれぞれ、文化庁メディア芸術祭「審査委員会推薦作品」に選出。2014年に『みつあみの神様』で手塚治虫文化賞新生賞、2015年に『いちご戦争』で 日本漫画家協会賞大賞(カーツーン部門)を受賞。その他の作品に『みかこさん』『みつあみの神様』『ぱらいそ』『百人一首ノート』『夜の大人、朝の子ども』『Distance わたしの#stayhome日記』など多数。
藤田貴大 Takahiro FUJITA
マームとジプシー主宰/演劇作家。1985年生まれ。北海道伊達市出身。2007年、演劇ユニット「マームとジプシー」を旗揚げ。以降全作品の作・演出を担当。2011年6月~8月にかけて発表した三連作「かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。」で第56回岸田國士戯曲賞受賞。13年、15年に太平洋戦争末期の沖縄戦に動員された少女たちに着想を得て創作された今日マチ子の漫画「cocoon」を舞台化。同作で16年、第23回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。著書に『おんなのこはもりのなか』、『Kと真夜中のほとりで』、『mina-mo-no-gram』(今日マチ子との共著)『蜷川幸雄と「蜷の綿」』(蜷川幸雄と共著)他。20年7月初の小説集「 季節を告げる毳毳は夜が知った毛毛毛毛」(河出書房新社) を上梓。http://mum-gypsy.com
原田郁子 Ikuko HARADA
1975年福岡生まれ。1995年にスリーピースバンド『クラムボン』を結成。歌と鍵盤を担当。
1999年にシングル「はなれ ばなれ」でメジャーデビュー。バンド活動と並行して、さまざまなミュージシャンとの共演、共作、ソロ活動も精力的に行っており、舞台音楽、CM歌唱も多数ある。
これまでにソロアルバム「ピアノ」(2004年)、「気配と余韻」「ケモノと魔法」「銀河」(2008年)を発表。
2010年、吉祥寺の多目的スペース&カフェ『キチム』の立ち上げに携わる。
2013年より劇団『マームとジプシー』の舞台「cocoon」、「めにみえない みみにしたい」、「かがみ まど とびら」の音楽を担当。2020年11月公開映画『青い、森』の主題歌を担当。2021年6月、新曲「アップライトピアノ」をYouTube「キチム – kichimu」チャンネルで映像公開。10月には寺尾紗穂との共作「傘の向こう」を配信リリースした。 クラムボン http://www.clammbon.com/