※本記事は、KSOM株式会社による寄稿記事です。
韓国の人気男性アイドルグループBTSが米音楽チャートビルボードで1位を獲得したニュースが記憶に新しい昨今、K-POPの世界規模での人気上昇、活躍が止まるところを知りません。アイドルやアーティストのグローバル化を推進するK-POPと、国内、もしくはアジアでの活躍に止まることが多いJ-POPのその違いはどこにあるのでしょうか?
K-POPが世界にファンを広げられる理由
K-POPが世界的にファンを広げることができる理由は、アーティストの置かれた環境や、考え方によるものが多く存在します。例えば「競争率」。K-POP界では毎年約100組のアイドルグループが誕生し、その多くが2年以内にいなくなると言われています。時代を反映したグループにするためのコンセプト作りが重要視され、ガールズグループのWeeeklyが環境保護をテーマにした楽曲を発表するなどはとても象徴的な出来事です。これだけ時代とのマッチングを重視するからこそ、世界の流れにもシンクロするクオリティが生まれているのです。
他にも「ファンとの関係性」があります。ファンが一丸となって楽曲のチャートインを狙ったり、ファンが該当広告を出したり、自分たちで撮影した写真をSNSで広げたり、さらには公式映像にいろんな言語で字幕をつけ、世界中の人が楽しめるようにする活動まで行われています。こういった熱狂的なファンとの関係を作ることが世界規模で見ても広がりの起点になっていることは間違いなさそうです。
そして「メンバーの多様性」もあります。韓国のアイドルグループは多国籍です。BTSやBIGBANGを見ていると、多国籍であることが世界の舞台で成功する必須条件ではありませんが、多種多様な文化を取り入れていくグローバルな感覚は不可欠と言えそうです。
J-POP、グローバル化における課題
前提として、長い間、J-POPはグローバル化を目指す必要がなかったという事情はあります。すでに世界規模の市場規模を国内で持ち合わせていたため、多様なアーティストが存在します。ファン目線では、「コンテクストの違い」が挙げられます。J-POPではアイドルやバンドのように成長し成り上がっていくストーリーに価値や共感を見出しがちです。その背景があった上で、どういう心情で曲を作ったかなどに注目が集まる日本の特徴は、海外の人には伝わりにくい点があります。
そして最後に重要なのが、「フリーミアム思考」です。K-POP界ではコンテンツを無料解禁する考え方が浸透していることで、ファン発信のアイドル作品や、字幕をつけて再発信することも黙認されています。これによりグローバルな広がりが期待できます。しかし、J-POP界では著作権保護の観点が強く、なかなかこれが実現していかないことがネックになっています。
欧米諸国から日本が学ぶべき打開策、スロットをはじめとしたIP展開
様々な事情や背景が複雑に絡まっているものの、J-POPのクオリティと多様性の魅力が世界で広がっていくためには、認知を獲得していくことが重要です。韓国ではLINEスタンプコラボやNFT、メタバースなどデジタルを活用してアーティストの存在を広げようとしています。欧米諸国でも、アーティストの打ち出し方の一つとしてデジタルIP展開を行っています。例えば、イングランドのロックバンド「MOTÖRHEAD」やアメリカのロックバンド「Guns N Roses」は、オンラインスロットとのコラボレーションで非認知層にもアプローチし、新たなファンの獲得を狙っています。日本でも、ロックバンド「BOΦWY」のデビュー40周年を記念し、『パチスロBOΦWY』が発売されるなど、手法としては取り入れられました。デジタル時代の昨今、若い世代を中心としたオンラインゲーム、オンラインスロットそしてオンラインカジノ日本の急成長が期待されるなか、カジノとJ-POPのコラボレーションを取り入れるなど、こういった戦略をグローバル展開においても活用していくことが第一歩になりそうです。
日本のポップカルチャーを輸出しよう
日本は観光大国になることを一つの柱にしています。そういう大きな文脈で捉えると、日本のポップカルチャーを世界展開していくことは、日本に海外の観光客を呼び込むことにもつながります。日本の漫画やアニメ、原宿カルチャーが世界で認知を広げているように、音楽においても世界のファンを獲得していけることを期待したいものです。