山奥なのに人が集まる！不思議な古民家カフェの女店主が菓子職人になった理由

兵庫県西脇市にある山間の集落に、古民家カフェの「つむぎ菓子店」があります。店主で菓子職人の岩﨑朝美さんが手作りするのは、安心安全な食材にこだわったケーキやクッキー、マフィンにスコーン。ご近所さんや遠方からのお客さんたちが、古民家カフェでゆったりとした時間を過ごしています。

　兵庫県三木市生まれの岩﨑さんは、オーケストラに所属する叔父の影響で幼い頃から音楽に親しみ、小学５年生からクラリネットを習い始めます。プロの演奏家を目指す最中に事故に遭い、２年にわたる療養生活を送ることに。心が折れた岩﨑さん。音楽の道を断念し、元々好きだった古民家カフェ巡りもやめてしまったと振り返ります。

そんな岩﨑さんの心を再び奮い立たせたのは、地域の古民家を再利用するコンペでした。「行けないのなら、自分で作ればいいんだ」と、コンペに臨み、１０組のプレゼンの中から岩﨑さんのアイデアが採用されたのです。古民家を自身でリノベーション。行動の自由が利かなかった療養中の経験から、バリアフリーにこだわり、だれもが訪れることのできる古民家カフェを２年前にオープンしました。

　オープン後は、近隣の農家さんや様々な人たちとの交流を通してメニューの幅を広げてきた岩﨑さん。１０年前に手放したクラリネットを再び手に取り、猛練習。かつての恩師とコンサートも開催しました。さらに、親しくする農家さんのお米を使い、新たなカフェメニュー作りに挑みます。いったい、どんなメニューが誕生するのでしょうか？　岩﨑さんの挑戦に密着します。
（岩崎さんの「崎」は「たつさき」）

その他の写真