公益財団法人東京都歴史文化財団のプレスリリース
リラックス・パフォーマンスの「リラックス relaxed」は“寛容な”という意味。少し音をたてても、身体が動いても、大丈夫。発達障害や自閉症、聴覚障害などでホールでの音楽鑑賞に不安がある方も、安心して一緒に楽しめる公演です。
Music Program TOKYO Workshop Workshop! コンビビアル・プロジェクト
東京文化会館 リラックス・パフォーマンス~世代、障害をこえて楽しめるコンサート~
長引くコロナ禍や不安定な社会情勢など、この東京においても様々な社会課題をいかに解決し、持続・共生可能な社会へシフトしていくかが問われています。
芸術文化とウェルビーイングをすべての人に届け、誰もが自分らしく生き生きと暮らせる社会の実現に向けて、東京文化会館(公益財団法人東京都歴史文化財団)では、障害や年齢、社会的背景にかかわらず多様な人々が音楽やアート活動に参加し、共に楽しめることを目的にした「コンビビアル・プロジェクト」を推進しています。
その一環として、2022年11月19日(土)に「東京文化会館 リラックス・パフォーマンス」を開催します。
リラックス・パフォーマンスは、通常の公演と異なり、障害・世代などをこえてあらゆる人が安心して音楽を楽しめる公演です。リラックス・パフォーマンスの「リラックス relaxed」は“寛容な”という意味があり、欧米で近年定着してきている公演形態です。
発達障害や自閉症などにより劇場や音楽ホールでの従来の音楽鑑賞に不安がある方、「鑑賞マナーが厳しくて行きにくい」と思われる方や、クラシック音楽が初めての方、4歳以上のお子様、聴覚に不安のある方も一緒にお楽しみいただけるように、様々な工夫やサポートを用意しています。
○客席の照明を完全に暗くしません。
○上演中に休憩が必要になった場合は、客席外に出ることができます。
○公演の約3週間前に、プログラムとご家族・介助者のためのガイドをウェブサイトに公開します。
○初めての方にもわかりやすいナビゲート付きの公演です。
○難聴・失聴の方向けに、身体で音楽を感じられる体感音響席やヒアリングループ席があります。
○手話通訳があります(受付や場内のほか、舞台上のトークの通訳あり)。
○4歳から入場可能です。
〈特徴〉
1.日英の音楽家とろう俳優が舞台でコラボレーションします。様々なコミュニケーションの在り方をお楽しみください。
2.チラシとプログラムは、TOKYO SOCIAL DESIGNとアーティスト佐々木卓也さんと協働し、製作しています。
3.障害のある当事者や社会福祉の専門家の皆さんと対話しながら作り上げている公演です。
4.新進メディアアーティスト設楽明寿さんによるデフアートの写真作品展示を行います。
【公演情報】
https://www.t-bunka.jp/stage/16006/
日時:2022年11月19日(土)14:00~15:00(13:15開場)休憩なし
会場:東京文化会館 小ホール(JR上野駅公園口前)
【出演】
東京音楽コンクール入賞者を含む新進気鋭のピアニスト2名の他、イギリスで先駆的な取組みを行う室内管弦楽団マンチェスター・カメラータのメンバーと、多方面で活躍するろう者の俳優をゲストに迎えます。ナビゲーターは、音楽と人をつなぐ東京文化会館ワークショップ・リーダーが担当します。
ピアノ:
北村明日人(第17回東京音楽コンクールピアノ部門第2位)
高倉圭吾
ゲスト出演:
アミーナ・フサイン(マンチェスター・カメラータ首席フルート奏者)
ナオミ・アタートン(マンチェスター・カメラータ首席ホルン奏者)
河合祐三子(俳優/ろう通訳者)
ナビゲーター:伊原小百合(東京文化会館ワークショップ・リーダー)
手話通訳:加藤裕子、小徳良枝、瀬戸口裕子、南里清美、山崎薫
【曲目】
2台のピアノによる迫力ある演奏をお届けします。また、マンチェスター・カメラータの2名との共演もあります。
チャイコフスキー(ラフマニノフ編曲):組曲『眠れる森の美女』 Op.66a 第5曲 ワルツ
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
フォーレ:組曲『ドリー』 Op.56より 第3曲「ドリーの庭」
ホルスト:組曲『惑星』 Op.32より 第4曲「木星(ジュピター)」
J.S.バッハ:カンタータ『わが楽しみは、元気な狩のみ』 BWV208より 第9曲 アリア「羊は安らかに草を食み」
ミヨー:組曲『スカラムーシュ』より 第3楽章「ブラジルの女」
モーツァルト:2台ピアノのためのソナタ ニ長調 K448より 第3楽章 アレグロ・モルト
サン=サーンス:組曲『動物の謝肉祭』より 第14曲 フィナーレ
【チケット】
指定1,100円
(車椅子席、車椅子移乗席、体感音響席、ヒアリングループ席〈受信機貸出あり/貸出なし〉あり)
東京文化会館チケットサービスで販売中。
※車椅子席、車椅子移乗席、体感音響席は電話・窓口のみ取扱い。
【体感音響席・ヒアリングループ席のご案内】
本公演では、聴覚に障害のある方とご家族、介助者が一緒にご鑑賞できるシステムをご用意しております。
○体感音響席
体感音響システム「ボディソニック」は、振動装置が組み込まれたポーチとザブトンクッションです。これらのシステムを使用すると、振動が身体に伝わり、聴覚に障害のある方(補聴器を使っている難聴、または途中失聴の方)も、ヘッドフォンやヒアリングループ(磁気ループ)からの音と一緒に全身で音楽を楽しむ事ができます。生まれつき耳の聞こえないろうの方は、振動によってのみ音楽を楽しむことができます。
[提供:パイオニア株式会社]
○ヒアリングループ席
「ヒアリングループ」(「磁気誘導ループ」、「磁気ループ」とも呼ばれます)を用いると、マイクを通した音声を直接補聴器や人工内耳へ伝えることができ、声や音楽をクリアに聞くことができます。ループの音は補聴器や人工内耳のTモード、または専用受信機で聞くことができます。
お使いの補聴器や人工内耳がTモードに対応しているか、またTモードに切替る操作方法については、ご自身で予めご確認のうえ、チケットをご購入ください。(メーカーや機種によっては、Tモードに対応していません。)
※専用受信機の貸出をご希望の方は、「受信機貸出あり」のチケットをご購入ください。数に限りがございますので、予めご了承ください。
『あらゆる人が音楽で交流できる社会をめざして』
東京文化会館ではアートによる多元共生社会の実現に向けて、社会包摂につながる様々な取り組みを行っています。
https://www.t-bunka.jp/about/on_stage.html