都心のオフィスビルにアーティストが滞在し、まちと、ビジネスと、イノベーションを起こす「アートアーバニズム」のパイロットプログラム 「YAU(ヤウ)」 の第2期が再始動

三菱地所株式会社のプレスリリース

大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり3団体(*1)のNPO法人大丸有エリアマネジメント協会、三菱地所株式会社により組成された「有楽町アートアーバニズムプログラム」実行委員会は、まちがアートとともにイノベーティブな原動力を生み出す実証パイロットプログラム「有楽町アートアーバニズムプログラムYAU」(以下、YAU)の第2期活動を10月から再始動します。  *『YAU』公式サイト:https://arturbanism.jp/

第2期では、前回と同じ有楽町ビル10階にある約1,200㎡のオフィス空間を活用した共同スタジオを再開。今回は特に、大学や企業、団体とアーティストの連携を積極的につくることに重点を置き、アートとビジネスの協働の可能性をさらに探求します。第1期の検証結果から、社会・経済との接点のなかでアーティスト支援や文化振興を進めるには、目的やターゲットが異なる複数のプログラムやお互いに影響し合う相乗効果が重要であると考え、第2期では①アート&ビジネスのコミュニティ形成プログラム、②アートのエコシステムを実現する支援人材育成プログラム、③アートへの関心の芽を育てるスクールプログラム、の3つを中心に実施します。

YAUは、アーティストの創造性とその営みをビジネスの街に呼び込み、アーティストとビジネスパーソン、そして企業が出会い触発されることで、都市のクリエイティビティ向上とイノベーション創出を図る「アートアーバニズム(*2)」をコンセプトとした実証パイロットプログラムです。

2022年2~5月に実施したYAU第1期(*3)では、オフィスビルの中にアーティストの共同スタジオを設置し、まちとアートについて学びを深める「スクール」や「トーク」、次世代を担う若手アーティストに専門家によるアドバイスを提供する「相談所」を展開し、アーティストがビジネス街の中で活動・交流するベースを築きました。さらに、その成果展として「YAU TEN」を開催し、広く一般に活動を公開して交流しました。4ヶ月の実証期間中にスタジオを利用したアーティストは300人を超え、アーティストの創作活動や交流の場となるプラットフォームがこれまで無縁と思われていたビジネス街で成立すること、ビジネス領域との共感・協働の可能性が充分にあることが検証できました。第1期を踏まえ、取り組みをより一層具体化し、同エリアでアーティストと企業の協働を継続的に起こすために、両者を結ぶ接点づくりの強化や、両者をつなぐマネジメント人材の育成強化、これを日常的に運営する組織設立の必要性といった、これから実行すべき課題も見えてきました。

大手町・丸の内・有楽町エリア(以下、大丸有エリア)では、ビジネス街における「アートアーバニズム」を実践し、アーティストとワーカー・企業の交流を促進することで、都市のマインドを変え創造と革新を起こしていく先導的な取り組みを今後も進めてまいります

 

 

 ©YAU  HAJIME KATO  TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH PROJECT ©YAU HAJIME KATO TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH PROJECT

 

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  • 開催概要

【名称】有楽町アートアーバニズムプログラム YAU
【開催期間】2022年10月〜2023年秋(予定)
【開催場所】YAU STUDIO(有楽町ビル10階)
【主催】「有楽町アートアーバニズムプログラム」実行委員会
(NPO法人大丸有エリアマネジメント協会、三菱地所株式会社)
【共催】東京都(一部プログラムを実行委員会との共同事業として実施)
【企画】YAU プロジェクトチーム深井厚志、森純平、東海林慎太郎、⾦森千紘、小森あや、株式会社フロントヤード、TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH PROJECT、一般社団法人ベンチ、SNZ(シノバズ)
【助成】国土交通省
【協力】一般社団法人 大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会、株式会社アトム(A-TOM Co., LTD.)、エコファニ
【公式サイト】  https://arturbanism.jp

  • 実施内容

YAU第2期では、第1期と同様にアーティストスタジオ・コワーキングスペースの運用は継続し、アーティストの創作活動の拠点をまち中に創出します。第2期のハイライトは、アーティストと多様なセクターの連携構築を一層深めていくアクションです。その一環として、東京都との共同事業、東京藝術大学との連携を行います。複層的な本取り組みは、主に3つのプログラムから展開します。

 

①   定期的なトークセッションやイベントの開催を通じた、アート&ビジネスの核となるコミュニティの形成
②   企業をはじめ多様なセクターのつながりを支援する、コーディネーター人材の育成
③   ワーカーをはじめ一般層のアートへの関心の芽を育てるスクールプログラムの実施(内容検討中)

これらのプログラムは、YAU独自企画のほか、YAUに参加する各事業主体と連携企画も予定しています。
 

 

 

 

 

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  • 東京都との共同事業:アート&ビジネス、コーディネーター育成事業について

YAU第2期では、一部のプログラムを東京都との共催事業として実施します。

東京都が2022年3月に打ち出した「東京文化戦略2030」では、推進プロジェクトの一環として、芸術文化

 

関係の情報収集や交流の場となる新たな拠点を構築するため、アーティストと企業のマッチングや芸術文化関係者・企業との窓口等の整備、アーティストと企業等を結び付けるコーディネーターの育成などを掲げています。

一方で、大丸有エリアで展開している「アートアーバニズム」は、都心のビジネス街の都市活動に、アートがもつ「創造性」というパワフルな原動力を結集し、アーティストとワーカーが高め合っていくことで社会全体のクリエイティビティ向上を図る魅力的な都心づくりを目指しており、両者の構想は共通しています。企業が集積しアートを推進する大丸有エリアでは、アートとビジネスのコミュニティ形成や支援人材の育成等を実証する場として有効であり、ビジョンが一致していることから、今般共同事業として「アート&ビジネス、コーディネーター育成事業」を実施することとなりました。

■開催概要
【名称】アート&ビジネス、コーディネーター育成事業
【実施期間】2022年10月〜2023年3月(東京都令和4年度事業)
【開催場所】YAU STUDIO(有楽町ビル10階)を中心とした大丸有エリア
【主    催】東京都、「有楽町アートアーバニズムプログラム」実行委員会
(NPO法人大丸有エリアマネジメント協会、三菱地所株式会社)

①   アート&ビジネスコミュニティ形成プログラム
アーティストと企業・ビジネスパーソンが出会い、交わることで、アーティストにとって新たな可能性を拓くことにつながり、企業・ビジネスパーソンのクリエイティビティを高める機会となります。そうしたコミュニティ形成のために、「YAU SALON」というトークセッションや交流会を定期的に実施します。そこから発展する、アーティストとの協業、アート×ビジネスにまつわる様々な相談を受け止める「相談所」も開設します。更には、つながった企業とアーティストが協働する場としての「実証ルーム」の設置も予定しています。

【「YAU SALON」について】
本プログラムでは、アーティストとビジネスパーソンをはじめ、パフォーマー、キュレーターやアートマネージャーなど、芸術文化活動に従事する様々な背景をもつ人々を迎え入れ、大丸有エリアを中心に積極的に交流を深める場として「YAU SALON」を創出していきます。アートと社会・ビジネスの越境的取組が展開されていくことを目指し、様々な領域の方々が集い、これからの社会を語るコミュニティを目指します。

【現在決定しているプログラム】
●第1回 2022年10月26日(水)…「アートが社会のエコシステムに介入する。YAU=実験場としての役割」
齋藤精一氏(パノラマティクス主宰)×井上成(三菱地所)
●第2回 2022年11月9日(水)… 「(タイトル未定)」
今田素子氏(メディアジーン代表取締役CEO・ファウンダー)
開催場所:YAU STUDIO(有楽町ビル10階) 参加費:無料
申込登録:https://forms.gle/qyYGCbWP5kSficLz9

②    支援人材育成プログラム
アーティストの創作環境を高めていくことや、企業を含む多様なセクターとのコラボレーションを促進するために、アーティストの活動を支える支援人材の層を厚くしていくための施策も実施します。YAU STUDIOのマネージャーと連携しながら、現場を通じた人材育成の場づくりを行い、アーティストを支えるエコシステムとして、どのような人材、組織が必要なのかを検証していきます。

注釈
(*1)大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり3団体:
「一般社団法人 大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会(大丸有協議会)、NPO法人 大丸有エリアマネジメント協会(リガーレ)、 一般社団法人 大丸有環境共生型まちづくり推進協会(エコッツェリア)」の3団体は連携して大丸有地区のまちづくりを推進しています。

(*2)「アートアーバニズム」:
都心ビジネス街の都市活動に、アートがもつ「創造性」というパワフルな原動力を結集していくまちづくり戦略です。大丸有エリアは、アートがあるまちに留まらない、アート創造とともにアーティストがいるまち、アーティスト・来街者・ビジネスパーソンの多様な出会いからイノベーションを生みだまちを実現します。

【コンセプト策定経緯】
一般社団法人 大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会では、エリアマネジメントの観点から、アートが持つ創造力を都市にどう取り入れていくべきかを議論するべく、2019年「アート×エリアマネジメント検討会」を設置し、文化政策研究者で同志社大学経済学部教授の太下義之氏を座長とする有識者及び地元関係者と検討を重ねてきました。そのなかで、アーティストのもつ0から1を生み出すクリエイティブマインドをまちの原動力として、都市空間創造や都市活動展開を一体化させる新しいまちのムーブメントを、「アート」と「アーバニズム」を掛け合わせた造語「アートアーバニズム」として始動することを宣言しました。

2022年度からは検討会の事務局をNPO法人大丸有エリアマネジメント協会に移し、この構想を具体化・実践する組織を設立するべく、「アートアーバニズムカウンシル準備会」と名前を改め、アーティストの活動が自発的に起こるエコシステム構築を目指した体制づくりを推進しています。本プログラムは、その実証パイロットプログラムです。

大丸有エリアにはすでに、出光美術館や三菱一号館美術館、VOCA展の会場でもある第一生命ギャラリー等のアート施設があるほか、2020年には当エリア初となる現代アートギャラリー「CADAN有楽町」がオープンしています。これより早期には、箱根彫刻の森美術館と協働する「丸の内ストリートギャラリー(1972年~)」、「カウパレード東京 in 丸の内(2003年、2006年、2008年)、「藝大アーツイン丸の内(2007年~)」、「アートアワードトーキョー丸の内(2007年~)」、「東京ビエンナーレ2020/2021」の会場になるなど、まちづくりを通じたアートの取り組みを先駆的に行ってきたエリアとしての歴史もあります。本プログラムのようなアクションを、街中の既存アートリソースとの連携を図りながら継続的に実施し、同エリアのさらなる創造的発展を目指します。

※「有楽町アートアーバニズムプログラム」実行委員会に参加している三菱地所は、「アートアーバニズム」の理念に共感し、大丸有エリアのまちづくり団体と共に連携して、同地区をこれまでの「アートがあるまち」から「アーティストがいるまち」へ、クリエイティブな出来事が次々に起こるまちへとシフトします。

 

(*3)YAU第1期:
2022年2月1日から4カ月間にわたり実施した、まちがアートとともイノベーティブな原動力を生み出す実証パイロットプログラム。
https://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec220126_arturbanism.pdf

【ご参考】大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり3団体について
大手町・丸の内・有楽町地区は、公民協調によるサステイナブル・ディベロップメントを通じて、約120haのエリア全域で「新しい価値」「魅力と賑わい」の創造に取り組んでいます。大丸有まちづくり協議会を中心に公民でまちの将来像を合意し、リガーレが賑わいや都市観光を促進、エコッツェリア  協会が社会課題の解決や企業連携によるビジネス創発を具体化しています。
 

■大丸有エリアマネジメント協会(リガーレ)設立20周年
丸ビルが建て替わった2002年に発足した当協会は、大丸有エリアが「まちびらき」してからの20年間、公的空間の活用やコミュニティ形成等ソフト面でのまちづくりに注力し、エリアの面的な発展に寄与してまいりました。20周年を迎えた今年は今までの活動を振り返った上で、「人々の幸福度の向上」をテーマと定め、まちでのあらゆるつながりを促進し、このまちのファンを増やしていくことを目指します。公的空間活用・コミュニティ形成の大きな2本柱は変えず、サステナビリティや多様性に配慮したプロジェクトや、まちの様々なプレイヤーを巻き込んだ参加型のプロジェクト、アプリやメタバースなどDXを利用した新たなまちの発見方法など、時代に即した形で活動を展開してまいります。

 

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