テクノロジーとアイデアで社会課題の解決をするDentsu Lab Tokyo 音楽家 江﨑文武氏とビジュアルデザインスタジオWOWと共に、演奏者と観客を繋ぐインタラクティブな聴視体験を開発

Dentsu Lab Tokyo運営事務局のプレスリリース

テクノロジーを起点とした社会課題の解決や、あたらしい表現開発を実践するDentsu Lab Tokyo(東京都港区)は、ビジュアルデザインスタジオWOWと共に演奏者と観客を繋ぐインタラクティブな聴視体験を開発。10月20日(木)には、天王洲運河に浮かぶ船内を舞台に開催された限定イベントWOW 25th Special Anniversary Live Installation「sonus-oleum* ; ソノソリアム」での音楽家 江﨑文武氏らによる一夜限りの特別な演奏会で初披露し、319人の来場者を魅了しました。

 演奏会では、天王洲運河に浮かぶ会場の地下階から屋上までの3フロア構造の特性を生かし、今回のイベントのコンセプトである「unlearn(学びほぐし)」を表現。地下階では、江﨑氏らのライブ演奏から壁面に泡が生まれ、地上階でその泡に観客が触れると音が変化。さらに、泡は屋上に上がり、船を動かす大きな風のプロジェクションマッピングとして映し出されます。最後には、地上階で観客が変化させた音を再び地下階でピアノに自動演奏させ、その音に合わせて江﨑氏らが即興で音楽を加えていくライブパフォーマンスを披露。演奏家と観客が共に音を再構築しながら、新しい音楽として還元するインタラクティブな聴視体験は人々を魅了し、会場は拍手で包み込まれました。
 

  • 3フロアを通して「unlearn(学びほぐし)」される幻想的な演奏会

江﨑氏らによる演奏と鍵盤から生まれる泡のプロジェクションマッピング

会場の地下階では、江﨑 文武(Pf.)、常田 俊太郎(Vn.)、村岡 苑子(Vc.)によるライブパフォーマンスを実施。ピアノの鍵盤から泡が生まれるインタラクティブなプロジェクションマッピングを投影しました。高い音がなると上手から、低い音がなると下手から泡が出る仕掛けです。
 
観客が泡に触れることで生まれる音の変化

地下階の演奏会で生まれた泡が上昇することで、フロアを越えて地上階に出現。その泡に触れると、泡が弾けると共に演奏の音に変化が生まれます。

江﨑氏と観客が織りなす音楽の力で船を動かす

上昇した泡は、船を動かす気流のプロジェクションマッピングとして、屋上のテントに投影。江﨑氏らによる演奏と観客が変化させた音が混ざり合い、幻想的な映像となって映し出されます。

やがて音楽は地下に還り、再び新しい音楽を創る

観客が地上階で泡に触れることで変化させた音は地下へと還り、ピアノが自動演奏を開始。そこに合わせて、江﨑氏らがセッションを加えていきます。自身の演奏が違う音で還ってくる新しさを楽しみながら、素晴らしいパフォーマンスを魅せつけました。会場に入りきらなかった観客も含め、拍手が鳴りやまず、会場は最高潮の盛り上がりとなりました。

  • Dentsu Lab TokyoとWOWが開発したインタラクティブな演出の仕組み

 インタラクティブな泡の演出は、壁に触れる観客の手の位置を、壁面に設置されたレーザースキャナーで検出することで実現しています。その検出位置と泡の位置からどの泡に触れたかを判定し、映像と音を同時に変化させています。この音は、観客がどんなインタラクションをしても常に音楽として成立するように設計しています。また、変化した音の情報を地下階と屋上に送信し、各階での演出に利用しています。

  • 関係者コメント

■WOW Visual / Art Director 髙岸寛
元々は、江﨑さんの演奏会のみの予定でしたが、打ち合わせを重ねるうちに、我々とコラボしたおもしろい取り組みができないかということで、この企画に至りました。今回利用した会場が3層構造になっていることから、水が蒸発し、雲となり雨となって還る、循環される様子を発想。各フロアの演出を完成させながら、別のフロアにその音楽の情報を伝達し、連動させるという技術的な実装が難しいポイントでした。江﨑さんの音楽に観客が変化を加え、新たな音楽として創り上げる、新しい演奏会の形を創ることができたと思います。

■Dentsu Lab Tokyo / Creative Technologist 九鬼慧太
WOWさんからお声がけいただき、映像と音色に変化を加えるインタラクティブな体験を企画・実装しました。アーティストの音楽に観客が変化を加え、別の音楽として創り上げるという「泡」を軸とした表現の開発を行いました。音と完全に同期すること、インタラクションが心地よいこと、表現としての美しさのバランスをとりながら実装を進めることに苦労しましたが、ずっと見ていられる作品にできたと思います。

■音楽家 江﨑 文武氏
この一夜のために同世代の若いメンバーと試行錯誤を繰り返しながら、演奏とテクノロジーをかけ合わせた新しいインスタレーションを創り上げることができました。テーマが「unlearn(学びほぐし)」ということで、観客が音色を変化させることを想定し、また、セッションすることで、音楽を再構築できる音楽を作曲しました。これまで、純粋に楽器の演奏をするコンサートが多かったですが、今後こういったインスタレーションと組み合わせたコンサートにも挑戦していきたいです。
 

  • WOW 25th Special Anniversary Live Installation「sonus-oleum* ; ソノソリアム」概要

 ビジュアルデザインスタジオWOWが10月15日(土)~30日(日)、新たなオリジナル作品を初披露する展覧会「Unlearning the Visuals(アンラーニング・ザ・ビジュアルズ)」の開催に合わせ、レセプションパーティの特別演奏会WOW 25th Special Anniversary Live Installation「sonus-oleum* ; ソノソリアム」を開催。 

名称:WOW 25th Special Anniversary Live Installation「sonus-oleum* ; ソノソリアム」
日程:10月20日(木)17:30~22:00
場所:東京都東京都品川区東品川2-1 先 (T-LOTUS M)
参加者:江﨑 文武(Pf.)、常田 俊太郎(Vn.)、村岡 苑子(Vc.) /Katsuhiro Chiba(Sound Desinger) / Dentsu Lab Tokyo / WOW
 

  • 江﨑 文武氏について

音楽家。1992 年、福岡市生まれ。4 歳からピアノを、7 歳から作曲を学ぶ。東京藝術大学音楽学部卒業。東京大学大学院修士課程修了。WONK,millennium parade でキーボードを務めるほか、King Gnu, Vaundy など数多くのアーティスト作品にレコーディング、プロデュースで参加。映画『ホムンクルス』(2021)をはじめ劇伴音楽も手掛けるほか、音楽レーベルの主宰、芸術教育への参加など、さまざまな領域を自由に横断しながら活動を続ける。2021 年、ソロでの音楽活動をスタート。
https://ayatake.co/

 

  • Dentsu Lab Tokyoについて

Dentsu Lab Tokyo(デンツウラボトウキョー)は、研究・企画・開発が一体となったクリエーティブのR&D組織です。「PLAYFUL SOLUTION」「おもいもよらない」をフィロソフィーとしながら、デジタルテクノロジーとアイデアによって、人の心を動かす表現開発や、いま世の中が求める社会の課題解決を実践しています。
https://dentsulab.tokyo
 

 

 

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