インドのモディ首相が注目、演出家小池博史の舞台作品「完全版マハーバーラタ」映画版がインドで発表される

株式会社サイのプレスリリース

インドのモディ首相が注目、日本で制作された国際的な舞台作品「完全版マハーバーラタ」アジアで初めて「マハーバーラタ」全編の舞台化に成功した演出家小池博史の舞台作品12月17日(土)インドで舞台の映画版が発表される

アジア各国の伝統舞踊や演劇・舞踊・美術を融合させた空間演出により、舞台創作を展開する小池博史ブリッジプロジェクト(株式会社サイ、本社:東京都中野区、代表取締役:小池博史、以下「ブリッジプロジェクト」)は、12月17日(土)在インド日本大使館の主催で映画「完全版マハーバーラタ~愛の章/嵐の章」の試写会を、インド独立75周年及び日印国交樹立70周年記念の周年事業の一環として開催します。

本企画は、空間演出家 小池博史によるインド叙事詩「マハーバーラタ」の舞台化『完全版マハーバーラタ~愛の章/嵐の章』公演の映画版プレミア試写会です。「愛の章」「嵐の章」の前後編で、全編を通した上映時間は約6時間となります。2021年8月、アジア各国の伝統舞踊や演劇・舞踊・美術を融合させた空間演出により、舞台創作事業を展開する小池博史が、2013年からマハーバーラタの完全舞台化を目指し、約9年に及んだ取り組みの集大成として、舞台『完全版マハーバーラタ~愛の章/嵐の章』をなかのZERO 大ホール(東京都中野区)にて上演。コロナ禍において2,500名もの観客を動員しました。これまでも、インド、タイ、インドネシアなどのアジア9カ国で7作品の制作や全40回の公演を行い、多くの称賛を受けてきました。

世界三大叙事詩のひとつであるマハーバーラタは、善悪・生死・愛など人間のあり方を問うテーマが織り込まれたヒンドゥー教の聖典です。古代インド語のサンスクリット語で書かれた原本は全18巻で、これは聖書の4倍の長さに相当し、叙事詩では世界最長と言われています。また、マハーバーラタを全編舞台化したのは、1985年にピーター・ブルックが制作した作品のみで、本舞台作品は30年ぶりに全編舞台化した作品となりました。インドのモディ首相も注目した日本、インド、アジアを結んだ舞台芸術作品 インドからも大きな注目を集め、2022 年 5 月、来日していたインドのモディ首相と演出家の小池の対話が 実現しました。後日モディ首相がホストするラジオ番組 Mann Ki Baat で「完全版マハーバーラタ」が3分 間に渡り紹介されました。
ラジオ番組 Mann Ki Baat:https://t.co/pPwv8tIb6b

■「完全版マハーバーラタ〜愛の章/嵐の章」について
出演アーティストは、日本・インドネシア・カンボジア・タイ・マレーシアのアジア5カ国における伝統芸能を中心に活動する伝統舞踏家やコンテンポラリーダンサーなどです。舞台上でそれぞれの土地の言語や演劇、舞踊の様式といった多様な身体表現を融合させながら ‘相違の調和’から生まれる豊かさを表現するとともに、マハーバーラタの物語を通して、「平和とはなにか」、「共生社会のあり方」を提示します。

舞台の撮影・映像の編集は映画監督でもある白尾一博が担当し、映像作家でもある小池は総合ディレクションとして参画します。非常にゆっくりした画像表現から激しいカット割による表現、それらを組み合わせた形で映像自体にリズムを持たせ、6時間半という長時間の舞台を臨場感溢れる画期的な舞台芸術の映像作品として完成させました。

舞台美術は現代美術家の旗手・栗林隆による美術等、現代的なテクノロジー、メディアアート的要素、和紙を多用し、現代の観客へ向けて「誰も見たことのない新しい世界」を作り出します。舞台衣装は、元イッセイミヤケコレクションデザイナーの浜井弘治氏が手掛けました。華やかで民族性のある衣装が舞台を彩ります。

■ストーリー
「完全版マハーバーラタ〜愛の章」(前編)
マハー=偉大な、バーラタ=バラタ族、つまり「偉大なバラタ族」の物語。
バラタ族の王シャーンタヌは女神ガンガーとの間に8人の子をもうけた。女神ガンガーは呪いを解き放つために生まれた子を川に流した。8人目の子を流そうとしたが、怒った王に止められたため、ガンガーはその子を連れて天界に帰ってしまう。 

ガンガーに育てられた子は成長してビーシュマと名乗り、王シャーンタヌのもとに戻る。ビーシュマは後に一族の長老として尊敬を集めることになるが、禁欲の誓いを立てたがために子供がなく、それは将来の争いの一つの種になる。ここが起点となり、捻れた物語が展開していく。王宮ではバラタ族のクル家とパーンドゥ家の兄弟達は共に育てられた。だが妬みから生まれた小さな対立は次第に大きくなり、サイコロ賭博をきっかけにパーンドゥ家が13年間、森に追いやられてしまう。

「完全版マハーバーラタ〜嵐の章」(後編)
13年後、クル家、パーンドゥ家の対立はさらに悪化、大戦争が勃発する。泥沼化した戦争だったが、世界を司るビシュヌ神の化身、クリシュナの奸計によりパーンドゥ家が勝利するも束の間、クル側のわずかな生き残りが夜襲をかけ、パーンドゥ側のほとんどが全滅。

その後、兄弟達は悲しみから立ち上がり都を統治。しかし五兄弟以外は絶望感に苛まれ、次々と死んでしまう。世を儚んだ五兄弟はヒマラヤを目指す。ところが途中で次々と倒れ、バラタ族は消滅に至る。

■アレックス・カー氏(東洋文化研究家) コメント
小池さんは強烈な情感と優雅かつスピーディーな振り付けにより、難解な部分を超越、直に観客に「マハーバーラタ」の真髄を伝えてきます。そしてアジアの優れた俳優、舞踊家の才能と技術を絶妙に調和させ 、奇妙な、美しいタペストリーを織りあげるのです。今後、遠い未来まで、この「マハーバーラタ」を超える作品は生まれないかも知れません。稀にみる傑作だと思います。

[プロフィール] 1952 年アメリカ生まれ。イェール大学で日本学を専攻。東洋文化研究家。作家。
日本各地をまわり、昔の美しさが残る日本各地の景観を観光に役立てるためのプロデュースを行っている。著書『美しき日本の残像』(新潮社刊)が外国人初の新潮学芸賞を受賞。また、『観光亡国論』(2019年、中央公論新社刊)ではオーバーツーリズムの弊害を説く。著書多数。

演出家小池、出演者、音楽家のインタビュー映像:
https://youtu.be/YSjEnaUfmME

小池博史、栗林隆、浜井弘治のインタビュー記事(美術手帳):
https://bijutsutecho.com/magazine/interview/promotion/24356

■試写会概要
公演タイトル:映画「完全版マハーバーラタ〜愛の章/嵐の章」 
演出・脚本・振付・構成:小池 博史
映像監督:白尾一博

上映日程:12月17日(土)
<基調講演>12:45 開始
<愛の章>13:00 開始  ※上映時間は各回180分予定
<嵐の章>17:00 開始 
<演出家小池博史講演>20:25 ~

会場:ヴァラナシ国際協力・コンベンションセンター
(住所:Beside Nagar Nigam Building, Sigra, Varanasi – 221010 / https://rudrakshcentre.com
料金:無料(事前申し込み、定員に達し次第申し込み締め切り)
申し込み方法:オンライン申し込みフォームにて登録 → https://forms.gle/BKVGDVsFDESigdtt5 
連絡: 在インド日本大使館 TEL:+91-11-4610-4810 / jpembjic@nd.mofa.go.jp

■スタッフ・出演者
出演:リー スイキョン(マレーシア/舞踏)、小谷野哲郎(バリ舞踊)、パムンカス ダナン(インドネシア/ジャワ舞踊)、カンパ ロンナロオン(タイ/タイ舞踊)、川満香多(琉球舞踊)、プルノモ スルヨ(インドネシア/ジャワ舞踊・エアリアル) 、土屋悠太郎(タイ舞踊)、シヌンヌグロホ ヘルマワン(インドネシア/ジャワ古典)、福島梓(コンテンポラリーダンス・俳優)、ウェウダオ シリスーク(タイ/タイ舞踊)、今井尋也(能役者)、川野誠一(俳優、狂言師)
演奏:下町兄弟(パーカッション・ラップ)、今井尋也 (小鼓・掛声・能管・篠笛・鳴物)、Taku Hosokawa(唄三線・笛・胡弓)
美術:栗林隆、ティモテアス アンガワン クスノ(インドネシア)、フィロス カーン(インド)、
衣装:浜井弘治、アティンナ リズキアナ (インドネシア)
音楽:アリエンドラ イェヌ(インドネシア)、チャンドラン ベヤトゥンマル(インド)、藤井健介、下町兄弟
映像:飯名尚人
アニメーション:青山健一
仮面:イ ワヤン タングー(インドネシア)、イ マデ スティアルカ(インドネシア)
小道具:森聖一郎、五十嵐彩乃、ARS マネジメント(インドネシア)
宣伝美術:葛西薫、安藤隆、伊比由理恵、安達祐貴

■主催:在インド日本大使館 ■共催:株式会社サイ・小池博史ブリッジプロジェクト
■公式ウェブサイト
HP:https://kikh.org/

■ご取材について
以下のご対応や取材が可能です。広報 黒田(080-3097-8330/sai@kikh.com)へご連絡ください。
・イベントの撮影/プレス席のご用意/小池へのインタビュー

■株式会社サイ・小池博史ブリッジプロジェクトとは
空間演出家・元パパ・タラフマラ主宰の小池 博史が立ち上げ、創造力を核に据え、創作、教育、発信を三本柱に各々の連携を生み出そうとするプロジェクト。舞台作品制作だけでなく映像・写真・インスタレーション・文章などあらゆるメディアを活用した多角的な発信を行なう。またイベント・講演会・ワークショップ・教育プログラムの実施など、“からだを使って考える”事の出来る人材の育成も含め、包括的な視野で世界と時代と文化の架け橋を創り出す為のアートプロジェクトとして日本国内世界各国を舞台に活動する。22作品を7ヶ国にて創作。13カ国で公演(パパ・タラフマラ時代を加えると16ヶ国で創作、41カ国で公演)。2018年にはシアターオリンピック・ベストパフォーマンス賞等を受賞。

■代表取締役・空間演出家、小池 博史(こいけ ひろし)プロフィール
空間演出家・作家・振付家・映像作家、「舞台芸術の学校」代表
武蔵野美術大学教授、茨城県日立市生まれ。
1982年パフォーミングアーツグループ「パパ・タラフマラ」設立。以降全55作品の作・演出・振付を手掛ける。2012年5月解散。すぐに「小池博史ブリッジプロジェクト(HKBP)※」を立ち上げ、空間芸術と名乗りつつ、創造性を核に教育・発信・創作を三本柱とした連携プロジェクトを展開。22作品を創作。2022年現在までに演劇・舞踊・美術・音楽等のジャンルを超えた空間芸術作品を16カ国で創作、41カ国で公演をしてきた実績があり、べネチア・ビエンナーレ、ベルリン芸術祭、ネクストウェイブフェスなどの海外主要フェスティバル、ブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック、フォルクスビューネ、ミュージックシアター等の世界の一流劇場での上演多数。国際的に高い評価を確立。2020年より映画制作を開始、3本の映画がある。1997〜2004年つくば舞台芸術監督、アジア舞台芸術家フォーラム委員長、国際交流基金特定寄附金審議委員(2005年〜2011年)等さまざまな審議員、審査員等を歴任。  

著書:「ロング グッドバイーパパ・タラフマラとその時代」(2011年、青幻舎刊)
   「からだのこえをきく」(2013年、新潮社刊)
   「新・舞台芸術論ー21世紀風姿花伝」(2017年、水声社刊)
   「夜と言葉と世界の果てへの旅:小池博史作品集」(2018年、水声社刊)

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