短編映画が持つ新しい才能が育まれる可能性を拡げ、課題を解消するための新プログラム“Short Film Biotope”開始

株式会社MotionGalleryのプレスリリース

 国内最大級のクラウドファンディング・プラットフォームを運営する株式会社MotionGallery(本社:東京都港区 /代表取締役:大高健志)は、短編映画が本来持っている”新しい才能が育まれる可能性”を拡げると同時に、そこに横たわる課題を解消するための新しいプログラム「Short Film Biotope(ショートフィルム ビオトープ)」を本日よりスタートしました。
 「MOTION GALLERY」での資金調達と、下北沢の映画館「K2」での劇場公開をつなぎ、一気通貫でサポートすることで、短編映画制作に新しい生態系を生み出し、インスピレーションに溢れた作品を世界にもたらし続けられる土壌をつくることで、これから世界に羽ばたこうとされている映画制作者をサポートしていきます。https://k2-cinema.notion.site/Short-Film-Biotope-23e0c1383e2043f2a70d09aecefe0017

 

 2011年にMOTION GALLERYがスタートしてからこれまでに、MOTION GALLERYで集められた資金をもとに何百もの短編映画が制作されてきました。 その中には、公開後に劇場で満席続出となり今でも自主上映会が各地で行われているLGBTを題材とした映画『カランコエの花』(第26回レインボー・リール東京 グランプリ)、アートアニメーション作品である大川原亮監督『ディス イズ マイ ハウス』(オタワ国際アニメーション映画祭2016ノミネート)、佐久間啓輔監督『Funny』(リッチモンド国際映画祭2020 短編映画部門 観客賞/最優秀俳優賞)など、国内外の重要な映画祭で受賞した作品もいくつもあります。これら短編映画作品はどれも、独自の新規性とチャレンジ、そして映画的な奥深さをもって数々の人々の心を動かしてきました。

 一方で、日本の映画界で短編映画作品はまだまだその重要性が認知されていない状況と言えます。その差は、フランスの映画製作の現状と比較すると対照的です。日本ではなかなか短編映画は製作者のキャリアにつながりづらいのに対し、フランスでは短編映画は非常に重要な位置づけとなっています。短編映画にも出口があり、そして評価の重要な対象になるため、無理して低予算で長編映画をつくるようなことはなく、適正な予算で短編映画が生み出されている。それはおそらくフランス映画界がサステナブルな環境でありつづけていることの1つの理由になっているのではないでしょうか。短編映画に出口をつくりキャリアになるような動きを生み出すことは、今おそらく日本映画において正の循環につながるアクションになる、という考えから本プログラムを立ち上げることになりました。
 

  • 日本の映画界における短編映画の課題

 これまで、短編映画はその上映尺の短さによる興行のしづらさなどにより、ロードショーとしての劇場公開が難しく、作品制作費を興行収入でリクープが出来ないため、制作費の出資を集めることも難しい状態にありました。そのため、短編を制作するには自己資金で制作をするとともに、その”出口”は映画祭のみとなる場合が多く、そのキャリアが長編につながる可能性に乏しく、無理にでも長編の制作に向かわざるを得ませんでした。

 今回スタートする「Short Film Biotope」では、クラウドファンディングによって制作費調達をサポートするとともに、下北沢という若者が行き交う場所だからこそ親和性がある短編映画上映を見据えた「K2」独自の編成での興行の実現によるサポートにより、
・制作費が無いからスタートできないという状況の打破
・興行が出来ないから、多くの人に見てもらう機会が作れずキャリアにつながらないという状況の打破
・興行が出来ないから、興行収入の利益を元手に次回作の制作準備を始めるような動きが出来ないという状況の打破

という3つの打破を実現し、短編映画の制作環境を改善し、それによって短編映画の意義の向上に貢献します。短編映画の意義向上は、映画における制作環境の改善・最適化にも繋がるため、ひいては邦画業界全体の生態系の進展に貢献できると考えています。

  • 関根光才監督よりコメント

短編映画は読んで字の如く「短い映画」と思われがちですが、私の中では長編と短編は全く違うものです。短編には短編でしか成立しない素晴らしい豊かさがあり、新しい挑戦やユニークな発想、練り上げたプロットも衝動的な冒険も同時に映画作品として焼き付ける事ができます。しかし日本では中々通常の興行のプラットフォームに乗るチャンスが少なく、劇場で見ることができない。私自身、制作からしばし眠っていた『ZENON』という短編を下北沢K2さんで上映頂いたことで、やっと映画作品として公開でき、多くの方に見て頂けたことで「短編映画って面白いんだね」と言ってもらえることは大きな喜びでした。短編は長編になれなかった映像作品ではなく、それ単体でも十分に可能性のある豊かな映画で、映画館で鑑賞することでそのプロセスは完成します。短編映画を、映写、音響、そして映画を愛する人々との交流の場としての全てが整った映画館で上映することの意義は、作り手にとっても観客にとってもとてつもなく大きい。こういったチャンスを生み出してくれるmotion galleryさんを心から応援しています。−関根光才

※K2にて、2022年9月に”関根光才監督特集”上映を開催しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000030743.html
 

  • 「Short Film Biotope」vol.00~取り組みのきっかけとなった作品

佐久間啓輔監督・脚本の“変顔”をモチーフにしたコメディ短編映画『Funny』(32分)です。本作は、2020年に制作費のクラウドファンディングをMOTION GALLERYで実施。 目標金額を超える約134万円を集めることに成功し、作品を制作・完成。その後、クラウドファンディングの際に示されていたマイルストーンの通り、映画祭への出品を果たし、リッチモンド国際映画祭(アメリカ)受賞。そして、2022年9月、シモキタ−エキマエ−シネマ『K2』にてロードショーを実現。最終日には満席になるなど、各種メディアやSNSで大きな反響を呼びました。
https://motion-gallery.net/projects/film_funny
 

  • 映画『Funny』チームからのコメント

日本で短編映画を作ると言うと、参加しても何の実績にもならないだろうと思う人たちが沢山存在する。それはこれまで短編映画にしっかりとした出口がなかったからだ。しかし今回Motion Gallery様とK2様の協力のもと、『Funny』という32分の映画で劇場を満席にすることができた。観客の中には「短編映画って面白んだね。もっと観たい」と言ってくれる人たちがいた。多くの人はまだ短編映画を知らないだけだと知った。面白いものは知られないといけない。「Short Film Biotope」が短編映画の可能性を広げてくれると確信している。 
– 佐久間啓輔監督

短編映画のマネタイズの可能性がほとんどない。売れなければお金も集まらない。この現状は、少なからず日本のインディーズ映画の製作者たちにとって不利に働いている。そんな中、「Short Film Biotope」によって、ファンディングからセールス(マネタイズ)まで一つの確実な道が見えることは、これからの日本映画界を担う製作者たちにとって、大きな希望ができたと言っても過言ではない。『Funny』がMotion Galleryでファンディングに成功し、『K2』で上映させていただいたように、「Short Film Biotope」をきっかけに、多くの映画製作者たちが、より自由に作品を創り続け、製作者のキャリアに結びつけられる環境が実現することを願う。 
– 寺地真一プロデューサー

<STORY>
派遣社員として働く晴海は人と話すときに「変顔」をしてしまうという癖のせいで仕事をクビになる。ある日、晴海が妹の家に行くと、最近向かいに引っ越してきたと言う家族が挨拶にやってくる。その家族の母親が娘の家庭教師を探していると聞いた晴海は、自分も家庭教師だと嘘をつき、勉強を教え始める。しかし、彼女にはある変わった癖があり……。二人はお互いの癖に困惑しつつ、互いに心を通わせていくー。
<CAST>
江守沙矢 今橋光恵
<STAFF>
監督:佐久間啓輔 脚本:佐久間啓輔 撮影:グールド バイロン 音楽:マイケル サザーランド プロデューサー:寺地真一
 

  • 「タイパ至上主義」の若者たちにも劇場で鑑賞するハードルを下げられる可能性を持つ短編作品

 シモキタ – エキマエ – シネマ「K2」は、下北沢という文化の”るつぼ”のような街を背景に、様々な文化と接合し時代を超える価値を街にひらいていく映画館を目指し、2022年の1月に開館しました。「K2」では、映画をより街とつなげていくことで、映画ファンはもとより、音楽や演劇などの下北沢の背景にある文化のファンであったり、町に沢山行き交っている若い方々に「映画館で映画を観る時間」を提供し、映画人口を広げていくような取り組みを日々行っています。運営の中で実感したのは、”都合の良い時間の感覚は本当に多様である”こと。先日『K2』で短編映画を上映した際は想定以上に若い世代に沢山ご来場頂きました。そこで、普段そこまで映画館に通っていない方々にとって、2時間という時間は難しくても、短編であれば遊びのついでに見られるという声を聞くことができました。若者たちの「タイパ至上主義」が映画鑑賞の際にも広がっているとメディアで昨今の動きとして報じられることもありますが、「映画館で映画を観る」という”体験の出会い”としても短編映画の魅力を感じています。
 

  • “Short Film Biotope”概要

お申込み対象: 
①映画祭への出品を行う前提かつ「K2」での劇場公開をご希望で、短編映画の制作準備状況にある、もしくはポスプロ段階にあること
②MOTION GALLERYのクラウドファンディングにて、目標金額を達成していること
※すでに劇場公開済みの作品においては対象外となります。

手順: 
①制作費もしくは劇場公開費用の調達を目的としたクラウドファンディング実施に向けて 「MOTION GALLERY」へお申し込み頂く
②掲載審査通過された作品に対し、「MOTION GALLERY」からクラウドファンディング成功に向けてサポートを開始
③クラウドファンディング終了及び作品完成後、お申込み対象となるステータスのタイミングで「Short Film Biotope」へのお申込みである旨を「MOTION GALLERY」にご連絡ください。「MOTION GALLERY」及び「K2」のメンバーにより「Short Film Biotope」のプログラムの対象とするかを厳正に審査いたします。
④「Short Film Biotope」の対象となった場合は、通常時には編成していない短編映画上映枠を「K2」の方で編成し、劇場公開に向けてロードショーの進行を開始させていただきます。

お申込み:https://motion-gallery.net/start_project
 

  • シモキターエキマエ-シネマ『K2』

「K2」は2022年1月20日(木)より下北沢の商業施設シモキタエキ ウエ直結となる「(tefu) lounge(テフ ラウンジ)」にオープンしたミニシアターです。演劇の聖地、ライブハウスの聖地、サブカルの聖地、飲み文化の聖地。様々な文化が深く根付く下北沢。シモキター エキマエーシネマ『K2』は、 下北沢という文化の坩堝のような街を 背景に、様々な文化と接合し時代を超える価値を街に発信していく 映画館で「文化が好きな人たちの結節点」となるようなミニシアターを目指しています。https://k2-cinema.com/

・スクリーン数:1スクリーン ・席数:71席(内2席は車椅子受入可)
・所在地:東京都世田谷区北沢2-21 tefu lounge 2F (シモキタエキウエ直結)
 

MOTION GALLERYは、みんなの共感をパワーに、社会に新しい体験・価値観をもたら す創造的なプロジェクトを実現するクラウドファンディング・プラットフォームです。 https://motion-gallery.net//

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画像一式ダウンロード:
https://www.dropbox.com/scl/fo/m3leor16g0qxjvbkw0hqf/h?dl=0&rlkey=4fzm1s1as3em3rcxnyt9b6rc1

報道関係者の問合せ:株式会社MotionGallery PR 村上 
Tel:090-5074-2320 Email : harukamurakami@mgly.jp
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