株式会社ミューのプレスリリース
「ワークインプログレス」とは、進行中、未完の意。この公演が目指すのは、まさに現在進行形で目覚ましい発展をしつつあるテクノロジーと、人間の身体・生命との相互作用。
パフォーマンス+トークの構成で、4回のパフォーマンスと、4人のゲストとの対話を通じてこの先を捉えていく。
毎回異なるインプロヴィゼーションのダンスと自律的なロボットの動きに、トークでのフィードバックが重なり、各回に違う印象が生まれる。
トークゲストは、落合陽一(メディアアーティスト)、安田登(能楽師)、川崎和也(ファッションデザイナー)、茂木健一郎(脳科学者)。各テーマは、「神」「死」「時」「幸」。
チケットは2023年6月21日(水)からイープラスにて販売開始。同6月23日(金)から7月2日(日)までの期間、随時配信を行なう。
Photo by HAL KUZUYA
Photo by HAL KUZUYA
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トークテーマ「神 GOD」
ゲスト:落合陽一(メディアアーティスト) -
トークテーマ「死 DEATH」
ゲスト:安田登(能楽師) -
トークテーマ「時 TIME」
ゲスト:川崎和也(ファッションデザイナー) -
トークテーマ「幸 HAPPY」
ゲスト:茂木健一郎(脳科学者)
生命をもった人間も、人工生命(ALife)としてのロボットも、自分勝手にうごき回りながらも、
相手の動きから何かしらの制約を受けることで、次の動きが規定される。
複数のGPT−3と会話することで、予定非調和なカオスが生まれる。
モチベーションは常に自分の外側にある。そうして全体で1つの生態系が作られる。
自然のみならず、人工生命世界にも当てはまる「野生」を思考しながら、
自ずと立ち上がる仮想と現実のつながりを見出してほしい。
Photo by Yuri Manabe
Photo by Yuri Manabe
Photo by HAL KUZUYA
【コメント】
鳥や虫のようにこの世界に共存するロボットがいるとしたら、
私たちの振る舞いはどう変わるのだろう。
人間の願望を直接的にサポートするロボットではなく、人型のロボットでもなく、
目の前の、または思考の景色を転換する仕掛けとして、
新しい生命体があったらどんないきものだろう。
それは私たち人間を気持ちよく拡張するものだろうか。
ごちゃごちゃした生命の雑多を受け入れる容れ物、
時間を生成する装置があるとしたら、
それは、人工生命、機械との(機械を作る人との)協働ではないだろうか。
そのプロセスで私たちの生命にどんな息吹が表れるだろう。
ーー山田うん
Photo by Yuri Manabe
いま、世界はLLM(Large Language Model)の出現によって、言葉に満ち溢れている。
世界は、ことば、から始まった!?
人間にとって、身体は2次的なものだろうか?
これは、意識とロボット研究における最大の難問である。
言葉が先か、身体が先か。それをダンスという身体表現を通して問い直す。
――池上高志
【本作で使われているテクノロジー】
Scene1 ドローンの群れ
ドローンに設定されてることは、① 同方向に進む ②互いに惹きつけ合う ③近づきすぎると遠ざかる。ダンサーの持つドローンも仲間だと思い群れを作ろうとする。途中から登場のドローンは、③だけのランダム作動。
Scene2. GPT3 との会話
あらかじめ、物理学者として設定された2つのGPTが、山田うん、池上高志と、回ごとのテーマで会話をする。
大きなロボット〈November〉は、Scene4の〈Johnbot〉の大型版。
Scene3. VR
VR空間の中でダンサーが踊る。この仮想風景はアーティスト荒川修作の構想した「天命反転の橋」と、その中を自律的に飛び交かう無数の「トリ」で構成。ドローンと同じく、「トリ」は予測できない運動をし群れをつくる。
Scene4. 〈Johnbot〉
地上を動く5センチのロボットは4つ足で左右に光センサーの目を持つ。右側のセンサーが光を受けると左側の足が振動し、左ならば右の足が振動する。その結果、光に近づく性質を持つ。この巨大バージョン〈November〉はGPTの会話に登場。
*収録は2023年5月12日・13日に行われました。
【出演】
山田うん、池上高志
川合ロン、黒田勇、田中朝子、角田莉沙、須﨑汐理、西山友貴、仁田晶凱、望月寛斗、山崎眞結
(第1回)落合陽一
(第2回)安田登
(第3回)川崎和也
(第4回)茂木健一郎
【プロフィール】
山田うん Un Yamada
独自のダンススタイルを貫き、ダンスカンパニーCo.山田うんを率いて「十三夜」「いきのね」など、
数々の作品を発表し、芸術選奨文部科学大臣新人賞や江口隆哉賞など多数受賞。
ダンサーとしては国内外でソロ、デュオをメインで展開。
2017年文化庁文化交流使として11カ国23都市で活動。
東京2020オリンピック閉会式にてDirector of Choreographer。
近年は独自の身体感覚をマルチに展開し、演劇の演出や脚本、作詞などを手掛ける。
池上高志 Takashi Ikegami
理学博士(物理学)、東京大学広域システム科学系・教授。専門は複雑系の科学・ALife。
著書に『動きが生命をつくる』(青土社 2007)、 『人間と機械のあいだ』(共著、講談社、2016)、
『つくって動かすALife』(共著、オライリージャパン, 2018) など。
また、アート活動として、「ScaryBeauty」(with 渋谷慶一郎、 日本科学未来館 2018)、
「傀儡神楽」(with Alternative Machine Inc., MutekJapan 2020)、
Mind Time Machine II (with Alternative Machine Inc., 東京大先端研, 2023) など。
Co.山田うん
山田うん率いるダンスカンパニー。2002年設立。
ダンサー、振付家、演出家、俳優、モデルなど16名の新進気鋭パフォーマーが所属。
「ワン◆ピース」「結婚」などの話題作で欧州各地の国際フェスティバルで招聘公演。
「季節のない街」では国内版とマレーシア版を誕生させるなど国際共同制作も行う。
また全国の学校や施設でのワークショップも積極的に展開。社会性と芸術性の
どちらに対しても力強い活動をしている。
2022年はミニマルミュージックの元祖テリー・ライリーの1964年作曲「In C」を使用した
12人による群舞で、令和4年(第77回)文化庁芸術祭賞舞踊関東の部優秀賞受賞。
https://www.unyamada-co.com/
Alternative Machine Inc.
ALifeの思想と技術をもとに展開する研究者集団。 2017年より活動。
「あらゆるものに生命性をインストールする」をミッションとして生命的技術の研究開発、
社会応用に挑戦している。多数の企業との共同研究を実施するとともに、
ALTERNATIVE MACHINEとして、アート活動も実施している:
SNOWCRASH (WHITEHOUSE 2022)、
The Process in Question/The Bridge of Reversible Destiny― 2022 VR version (国際芸術祭「あいち2022」)、The View from Nowhere (ICC 2022)など。
https://alternativemachine.co.jp
落合陽一 Yoichi Ochiai
メディアアーティスト。1987年生まれ、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授・JSTCRESTxDiversityプロジェクト研究代表。IPA認定スーパークリエータ/天才プログラマー。ピクシーダスト テクノロジーズ代表取締役。
2017年 – 2019年まで筑波大学学長補佐、2018年より内閣府知的財産戦略ビジョン専門調査会委員、内閣府「ムーンショット型研究開発制度」ビジョナリー会議委員及び内閣府ムーンショットアンバサダー、デジタル改革法案WG構成員,2020-2021年度文化庁文化交流使,大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーなどを歴任。
2015年WorldTechnologyAward、2016年PrixArsElectronica、EUよりSTARTSPrizeを受賞。LavalVirtualAwardを2017年まで4年連続5回受賞、2017年スイス・ザンガレンシンポジウムよりLeadersofTomorrow選出、2019年SXSWCreativeExperienceARROWAwards受賞、2021年MIT Technology Review Innovators Under 35 Japan、 2021 PMI Future 50、Apollo Magazine 40 UNDER 40 ART and TECHなどをはじめアート分野・テクノロジー分野で受賞多数。
個展として「ImageandMatter(マレーシア・2016)」、「質量への憧憬(東京・2019)」、「情念との反芻(ライカ銀座・2019)」など。その他の展示として、「AI展(バービカンセンター、イギリス・2019)」、「計算機自然(未来館・2020)」など多数出展。著作として「魔法の世紀(2015)」、「デジタルネイチャー(2018)」など。写真集「質量への憧憬(amana・2019)」など。メディアアートを計算機自然のヴァナキュラー的民藝と捉え、「物化する計算機自然と対峙し、質量と映像の間にある憧憬や情念を反芻する」をステートメントに、研究や芸術活動の枠を自由に越境し、探求と表現を継続している。
安田 登 Noboru Yasuda
能楽師(ワキ方下掛宝生流)。東京を中心に能の公演に出演。
また、神話『イナンナの冥界下り』での欧州公演や、金沢21世紀美術館での『天守物語(泉鏡花)』の上演、
島根の神楽を取り入れた『芸能開闢古事記』など、能・音楽・朗読を融合させた舞台を数多く創作、出演する。
Eテレ100分de名著『平家物語』・『太平記』講師・朗読。著書:『野の古典』、
『身体感覚で『論語』を読みなおす。』、『能 650年続いた仕掛けとは』、『三流のすすめ』、
『あわいの力 「心の時代」の次を生きる』、『魔法のほね』、
『おくのほそ道』謎解きの旅 ――身体感覚で「芭蕉」を読みなおす』など多数。
関西大学(総合情報学部)特任教授。
川崎和也 Kazuya Kawasaki
Synflux株式会社 代表取締役 CEO。スペキュラティヴ・ファッションデザイナー。1991年新潟県生まれ。
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科エクスデザインプログラム修士課程修了(デザイン)。2019年にSynflux株式会社を創業。加速度的に進化する人工知能の生成力を持続可能なファッションを実現するために応用しつつ、デザインが持つ未来志向の創造性=思索(スペキュレーション)を探求する作品制作/社会実装に従事している。
主な受賞に、H&M財団グローバルチェンジアワード特別賞、文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会推薦作品選出、Dezeen Design Award Longlist、STARTS PRIZE、Wired Creative Hack Award、YouFab Global Creative Awardなど。Forbes Japan 30 under 30 2019、WWD JAPAN NEXT LEADERS 2020選出。オランダ・ダッチデザインウィーク/南アフリカ・デザインインダバ招待作家。主要な展示に「新しいエコロジーとアート(2022, 東京, 東京藝術大学美術館)」「2121年 Futures In-Sight(2021, 東京, 21_21 DESIGN SIGHT)」「ヒストポリス:絶滅と再生(2020, 東京, GYRE)」「Making Fashion Sense(2019, Basel, Haus der elektronischen Künste)」「現在地:未来の地図を描くために(2019, 金沢, 金沢21世紀美術館)」など。
早稲田大学文化構想学部非常勤講師。経済産業省「これからのファッションを考える研究会 ファッション未来研究会」委員。編著書に『SPECULATIONS 人間中心主義のデザインをこえて』(ビー・エヌ・エヌ, 2019)、共編著に『サステナブル・ファッション ありうるかもしれない未来』(学芸出版社, 2022)、共著に『クリティカル・ワード ファッションスタディーズ 私と社会と衣服の関係』(フィルムアート社, 2022)がある。
茂木健一郎 Kenichiro Mogi
1962年、東京都生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。
理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。専門は脳科学、認知科学。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして「意識」を研究。
文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。
2005年、『脳と仮想』で、第4回小林秀雄賞を受賞。
2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。
著書多数。
【主催】
一般社団法人 Co.山田うん
株式会社オルタナティヴ・マシン
株式会社ミュー
【協力】
公益財団法人セゾン文化財団
【助成】
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
【チケット販売情報】
イープラス販売サイト https://eplus.jp
販売価格 2,000円 *別途手数料がかかります。
2023年6月21日(水)販売開始
配信・視聴可能期間:
1)2023年6月23日(金)〜2023年6月29日(木)https://eplus.jp/sf/detail/3893230001-P0030001
2)2023年6月24日(土)〜2023年6月30日(金)https://eplus.jp/sf/detail/3898190001-P0030001
3)2023年6月25日(日)〜2023年7月1日(土)https://eplus.jp/sf/detail/3898200001-P0030001
4)2023年6月26日(月)〜2023年7月2日(日)https://eplus.jp/sf/detail/3898210001-P0030001
Photo by HAL KUZUYA
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Photo by Yuri Manabe
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hoto by Yuri Manabe
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