特定非営利活動法人 鳥の劇場のプレスリリース
鳥取県・鳥の劇場は2023年秋、「みんなが書く戯曲のコンテスト 〜障がいのある人の生活・思い・願いを演劇台本に」を開催します。「障がい」をテーマに誰もが参加できる、短編戯曲のコンテストです。9月1日から11月30日まで作品を受け付け、入選作品は2024年春にアメリカ・クイーンズシアター、秋に鳥取・鳥の演劇祭でリーディング上演を予定しています。
(みんなが描く戯曲のコンテスト ウェブサイト https://www.birdtheatre.org/gikyoku-disability/ )
【ステートメント】
私たちは、一人ひとりそれぞれに日々外部の世界と関わり、見、聞き、かぎ、ふれ、味わいながら生きています。「外部」をみなが同じように感じ、とらえていると、つい思ってしまいます。けれど、私たちは他人の目で見、他人の耳で聞き、他人の鼻でかぎ、他人の手でふれ、他人の足で歩き、他人の舌で味わい、他人の脳で思考することはできません。
この事業は、障がいのある人によってとらえられた世界の現実を、そして障がいのない人から見た障がいのある人との現実を、戯曲(芝居の台本)を通じて多くの人が分かち合うことを目指すものです。
短い戯曲ですから、生活のちょっとした場面のスケッチのようなものでも大丈夫です。登場人物と場面を設定し、人物にしゃべらせてください。芝居の台本など書いたことがないほとんどすべての方のために、書き方ビデオも用意します。みなさんそれぞれの生活や思い、願いをお寄せいただければと思います。
多くの人が生きづらさを感じているこの社会で、「障がい」に目をこらすことを通じて、この時代や社会そして人間を見つめる作品が集まることを期待しています。
【応募規定】
・上演時間5分〜10分程度の短編戯曲を募集します。上演時間は、応募前にご自身で音読してご確認ください。
・どなたでも応募できます。作品は以下の 1.または 2.のいずれかである必要があります。1.障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)の交付を受けている方が書いたもの※ 選考が進んだ段階で、障害者手帳による確認をさせていただきます
2. 物語に障がい者が登場するもの
・オリジナル、未発表、未上演の日本語による作品に限ります
・他の戯曲・小説・映画などから引用した場合は、その作品名と引用箇所を明記してください
・入選作品は2024年春にアメリカ・クイーンズシアター、2024年秋に鳥取・鳥の演劇祭でリーディング上演を行います。また、原稿料のお支払い、事業の記録集への掲載を予定しています。
【スケジュール】
・9月1日〜11月30日 作品受付期間
・12月〜2024年1月 選考、入選作品決定
・2024年2月 授賞式および記者発表 (鳥取県・鳥の劇場にて)
【参加方法】
作品は、受付期間中にメール・郵送・持ち込みのいずれかで受け付けます。
応募のための詳細をお送りしますので、まずはお気軽に事前エントリーをお願いします。
(以下のURLからエントリー、またはFAXで事務局までご連絡ください)
【作品受付期間】
2023年9月1日(金)〜11月30日(木)
※作品応募には11月23日(木)までの事前エントリーが必要です。
【選考委員(五十音順)】
大澤真幸 (社会学者)
社会学者。1958年長野県生。東京大学大学院社会学研究科修了。社会学博士。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授等を歴任。著書に『身体の比較社会学』(勁草書房)、『ナショナリズムの由来』(講談社、毎日出版文化賞)、『〈自由〉という牢獄』(岩波書店、河合隼雄学芸賞)、『〈世界史〉の哲学』シリーズ(講談社)、『資本主義の〈その先〉へ』(筑摩書房)等。共著に『ふしぎなキリスト教』(講談社、中央公論新書大賞)等。個人思想誌『THINKING「O」』(左右社)主宰。
“「このコンテストの選考を、私はとても楽しみにしています。どんな作品が送られてくるのか、ワクワクするような思いで待っています。コンテクストの基本的な狙いは、障がいのある人たちが、演劇の表現を通じて、他者と出会う場を提供することにありますが、同時に、いやそれ以上に、それは、私にとっても他者との出会いの場となるからです。”
中島諒人 (演出家・鳥の劇場芸術監督)
1966年生。東京大学法学部卒業。大学在学中より演劇活動開始。2004年から1年半、静岡県舞台芸術センターに所属。2006年より鳥取で廃校を劇場に変え、鳥の劇場を創立。二千年以上の歴史を持つ文化装置=演劇の本来の力を社会に示し、演劇/劇場の深い価値が広く認識されることを目指す。芸術的価値の追究と普及活動を両輪に、地域振興や教育にも関わる。2003年利賀演出家コンクール最優秀演出家賞。2010年芸術選奨文部科学大臣新人賞。BeSeTo演劇祭日本委員会代表。
“演劇は人と人の関わりを扱うことが得意です。人を喜ばせるのも、悲しませるのも関わりです。関わりの中で生まれる一瞬の言葉、目の表情、息づかい、半歩の動き、これらが時に人の心を温かくし、時に人を深く長く傷つける。瞬間をつかまえてください。関わりの中のちょっとした瞬間にぐいっと光を当てる感じで書いてもらったらいいんじゃないかと思います。”
永山智行 (演出家・劇作家・劇団こふく劇場代表)
1967年生れ。劇作家、演出家。宮崎県の三股町立文化会館をフランチャイズとする劇団こふく劇場代表。2001年『so bad year』でAAF戯曲賞受賞。2006年から約10年間、公益財団法人宮崎県立芸術劇場演劇ディレクターも務めた。
2007年からは劇団として、障害者も一俳優として参加する作品づくり(みやざき◎まあるい劇場)をはじめ、質の高さ、活動の社会的な広がり、その両面から高く評価されている。
2022年4月に初の戯曲集「ロマンス/いきたひと/猫を探す」(而立書房)を刊行。
“戯曲を書くということは、それぞれが「わたしの窓から見た風景」を表明することだと思うのです。ですから、さまざまな「わたしには世界がこう見える」が集まったとき、はじめてほんとうの対話が生まれていくのだと思うのです。どうか、お気軽に、あなたの窓から見える風景をお寄せください。”
播磨靖夫 (一般財団法人たんぽぽの家理事長・アマチュア思想家)
1942年生まれ。一般財団法人たんぽぽの家理事長。新聞記者を経てフリージャーナリストに。障害のある人たちの生きる場「たんぽぽの家」づくりを市民運動として展開。アートと社会の新しい関係をつくる「エイブル・アート・ムーブメント(可能性の芸術運動)」を提唱。近年では障害のある人のあたらしい働き方や仕事づくりを提案する「Good Job!プロジェクト」を展開。また、1999年からケアの文化の創造をめざし、「ケアする人のケア」プロジェクトにも取り組んでいる。
平成21年度芸術選奨 文部科学大臣賞(芸術振興部門)受賞 令和4年度文化功労者(芸術振興)受章
“「いでよ『演劇人』」
障害があっても不幸にならない未来をめざして50年取り組んできました。かねてから不思議に思っているのは、障害のある人たちが豊かになることは議論されるのに、どうすれば「幸福」になれるかはあまり議論されていないように思います。「幸福」ってそれぞれですから、で終わってしまうのです。
しかし、その人が障害をもって生まれても、人生の途中で障害になっても、一生を「障害者」として生きるのではなく、さまざまな人間になってもいいのではないか。彼らの「幸福」とはさまざまな人間に成り得る「生き方の幅(自由)」ではないかと考えるようになりました。
今回の企画は、障害のある人たちから「演劇人」の輩出することをねらいとしています。演劇というのは身体を通して世界につながる仕掛けです。そこから化学反応が起こり、世界を変えていきます。人々は自分たちの変化に気づかないまま、考え方やものの味方を変えていきます。
このような「演劇」の力に挑戦してみてください。誰もが「幸福」に生きられる社会をつくるために。”
森田かずよ (義足の女優・ダンサー)
先天性の障害を持って生まれ、18歳より表現の世界へ。ダンサー、俳優として活動。近年は障害のある人を含めた多様な人とのワークショップやダンス公演の演出を行う。東京2020パラリンピック開会式にソロダンサーとして出演。福祉をたずねるクリエイティブマガジン「こここ」にて「森田かずよのクリエイションノート」を連載中。神戸大学人間発達環境学研究科博士前期課程修了。2022年度 舞台芸術国際共同制作オブザーバー。「Performance For All People.CONVEY」主宰。NPOピースポット・ワンフォー理事長。
“「障がい」という言葉に、どのようなイメージがあるでしょうか。差別、克服、感動?誰かが持つイメージではなく、あなたの生きる世界から見つめて欲しいのです。まだまだ描かれていない「障がい」の、いえ、「障がい」そのものを問うような、新たな一面が見られる、そんな物語に出会うことを楽しみにしています。”
ロブ・ウルビナーティ (劇作家・クイーンズシアター[アメリカ・NY])
ニューヨークを拠点に活動するフリーランスの演出家・作家。これまでにサミュエル・フレンチ、ネクストステージプレスなどから戯曲が出版され、世界中で200回以上上演されている。クイーンズシアターのニュー・プレイ・ディベロップメントディレクターを務めており、ドラマティスト・ギルドの会員でもある。ドラマリーグディレクターカウンシルのメンバーであり、オーディオディスクリプション・インスティトゥートの認定も受けている。
“クイーンズシアターによる障がいのあるアーティストと観客のための取り組み、シアターフォーオールの中で最も成功した事業のひとつが、障がいのある劇作家による、もしくは障がいのある登場人物がいる短編戯曲のプログラムです。鳥の劇場がこのモデルを活用してくれることを嬉しく思います。2024年に私たちの劇場で上演するのを楽しみにしています!”
【開催概要】
名称:
みんなが書く戯曲のコンテスト 〜障がいのある人の生活・思い・願いを演劇台本に
作品受付期間:
2023年9月1日(金)〜11月30日(木)
お問い合わせ先:
鳥の劇場「戯曲コンテスト」事務局
〒680-0031 鳥取市本町1丁目201 ミュトスビル2階
TEL・FAX: 0857-30-0676
E-mail: gikyoku.disability@gmail.com
文化庁委託事業「令和5年度障害者等による文化芸術活動推進事業」
主催 文化庁、鳥の劇場
制作 鳥の劇場
公式ウェブサイト
https://www.birdtheatre.org/gikyoku-disability/
SNS公式アカウント一覧
Facebook: https://www.facebook.com/gikyoku.disability
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Instagram: https://www.instagram.com/gikyoku.disability