文化庁のプレスリリース
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/suorangelica/
プッチーニの描く神秘的な奇蹟と、ラヴェルのファンタジーの洒脱な一夜。共通テーマは“母子の愛”
プッチーニ晩年の「三部作」のひとつ『修道女アンジェリカ』と、ラヴェルのファンタジー『子どもと魔法』をカップリングして2本立て上演します。
プッチーニの『修道女アンジェリカ』は、我が子と引き離されたアンジェリカの孤独と絶望、そして神秘的な奇蹟がプッチーニならではの豊饒な音楽で描かれる感動的な作品。女声のみのキャストが織り成す精緻な音楽、そして最終シーンの混声合唱を伴う神々しい音楽の美しさは特筆ものです。対する『子どもと魔法』は“管弦楽の魔術師”として、また洗練されたバレエ音楽でも知られるラヴェルが「ファンタジー・リリック」と呼んだ、子ども目線で子どもを取り巻く世界を描いた幻想オペラ。ラヴェルならではの華麗な音楽で、子どもの心の冒険が描かれます。
沼尻竜典×粟國淳の鉄壁のタッグに、国内外の歌手が贅沢に勢揃い
指揮・演出は国内きってのオペラ指揮者であり、近代作品、20世紀作品も得意とする沼尻竜典と、オペラの読み込みの名手粟國淳の鉄壁のタッグが『フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ』に続いての登場。内省的な『修道女アンジェリカ』からオペラならではの仕掛けいっぱいで遊び心あふれる『子どもと魔法』へと鮮やかに展開する、ダブルビルならではの音楽的、視覚的なコントラストが楽しみです。
アンジェリカ役には、トスカなどドラマティックな役柄でスター街道を駆け上がり、スカラ座、メトロポリタン歌劇場などで主演を重ねるキアーラ・イゾットンが、21年『トスカ』以来の出演。公爵夫人には情熱を秘めた、毅然とした表現が好評を博す齊藤純子が登場します。『子どもと魔法』の子ども役には、同役を特に得意とし、世界中の歌劇場、オーケストラから引く手あまたのフランスの“子ども”歌い、クロエ・ブリオが登場。お母さん役にフランスから齊藤純子、そして小林由佳、河野鉄平、三宅理恵ら近年重要な成功が続き勢いに乗った歌手に加え、塩崎めぐみ、郷家暁子、中村真紀、伊藤晴、盛田麻央、十合翔子ら国内オペラ界トップ歌手たちが華やかに揃うのも楽しみです。
ダブルビルならではの洒脱な舞台、そして贅沢なキャストがシーズン開幕を華やかに彩ります。一粒で二度ならず、何重何倍にも楽しめる『修道女アンジェリカ/子どもと魔法』にご期待ください。
『修道女アンジェリカ』とは
『修道女アンジェリカ』(1918年)は、プッチーニ晩年の「三部作」の二作目で、生々しい悲劇『外套』、コメディの『ジャンニ・スキッキ』と対比を成す、宗教的、感動的な作品。ラストシーンの混声合唱を除き登場人物すべてが女声だけで演じられ、静謐で叙情的な空気に満ちた作品です。修道女たちの穏やかな情景に始まり、貴族階級にいながら未婚の母となり、ひとり修道女となったアンジェリカの過去が明らかになっていくやり取り、アンジェリカの絶望と悲嘆へのドラマティックな展開、そして贖罪の思いと神秘的な奇蹟のシーンが、プッチーニならではの雄弁な管弦楽で一気に表現されます。
『修道女アンジェリカ』ものがたり
夕暮れの修道院。修道女たちがアンジェリカは面会を待ち続けていると噂していると、アンジェリカの叔母の公爵夫人が訪れる。アンジェリカは実は未婚の母であり、そのため息子と引き離され修道院へ入れられていた。その子どもが亡くなったことを知り、悲嘆にくれるアンジェリカは毒をあおるが、すぐ自殺が大罪であることに気づき絶望する。罪を悔い、聖母に祈りをささげると奇蹟が起こり、天使の合唱の中、アンジェリカは息子に導かれ息を引き取る。
『子どもと魔法』とは
ラヴェルの『子どもと魔法』(1925年)は作曲家自身が「ファンタジー・リリック」と呼んだ、オペラとバレエの要素を融合させて作曲された作品。時代の寵児であった女性人気作家コレットの台本をもとに、悪さばかりしてお母さんを困らせていた子どもが身の回りの物や庭の生き物たちに仕返しされ、思わず口から出た「ママ」という言葉をきっかけに悪夢から解放される物語。子ども目線で展開する趣向も楽しく、子どもを取り囲む森羅万象が、ラヴェル得意の華麗な管弦楽や軽妙なリズムと和声、時にエキゾティックな節回しで息を吹き込まれ、活き活きと動き出します。
『子どもと魔法』ものがたり
宿題がいやで文句だらけの男の子。男の子はポットやカップを割ったり、リスや猫をいじめたり、暖炉をひっかき回したり、壁に落書きしたり、時計を壊したり本を破いたりと暴れ放題。すると椅子が「乱暴な子はまっぴら」と動き始め、時計にポットとカップ、火まで「焼き殺そう」と追いかけてくる。壁紙からは落書きの羊飼い、破れた本からお姫様、そして教科書から算数の問題を出す妙な老人まで登場。男の子が庭に逃げ出すと今までいじめた生き物たちが飛びかかってきて大騒ぎに。怪我してしまったリスを男の子が手当てすると、生き物たちは子どもの優しさに気づいて、「坊やはいい子になった」と言って消えていく。
『修道女アンジェリカ/子どもと魔法』オペラトーク
日時:2023年9月18日(月・祝)11:00~
会場:新国立劇場オペラパレスホワイエ
出演:沼尻竜典(指揮)、粟國淳(演出)、井内美香(司会)
歌唱:中村真紀(ソプラノ)、金澤桃子(メゾソプラノ)、三宅理恵(ソプラノ)、河野鉄平(バス)、藤井麻美(メゾソプラノ)
料金:1,500円(税込・自由席)
チケット取扱:新国立劇場ボックスオフィス(窓口・電話03-5352-9999)
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/news/detail/6_026036.html
動画公開!『修道女アンジェリカ/子どもと魔法』稽古スタート・コンセプト説明
新国立劇場2023/2024シーズン開幕公演 オペラ
令和5年度(第78回)文化庁芸術祭オープニング・オペラ
『修道女アンジェリカ/子どもと魔法』
【公演日程】2023年10月1日(日)14:00/4日(水)19:00/7日(土)14:00/9日(月・祝)14:00
【会場】新国立劇場 オペラパレス
【スタッフ・出演】指揮:沼尻竜典/演出:粟國淳/出演:キアーラ・イゾットン、齊藤純子、塩崎めぐみ、郷家暁子、小林由佳、中村真紀、伊藤晴、今野沙知絵(以上『修道女アンジェリカ』)、クロエ・ブリオ、齊藤純子、田中大揮、盛田麻央、河野鉄平、十合翔子、三宅理恵、杉山由紀、濱松孝行、青地英幸(以上『子どもと魔法』)ほか/合唱:新国立劇場合唱団/児童合唱:世田谷ジュニア合唱団/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
【チケット料金】 S:29,700円 ・ A:24,200円 ・ B:17,600円 ・ C:11,000円 ・ D:7,700円・ Z(当日のみ):1,650円
【チケットのお求め】新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999 WEBボックスオフィスhttps://nntt.pia.jp/
※WEBボックスオフィスでは、ご自身で座席を選びながらチケットをご購入いただけます。学生(5%)、ジュニア(20%)、高齢者(5%)割引チケットもお取り扱い中。
※新国立劇場当日券は、学生・生徒の方は50%割引となります(D席・Z席除く)。ボックスオフィス(窓口・電話)で取扱。
【アクセス】京王新線(都営新宿線乗入)初台駅中央口直結
公演およびチケットの詳細については、新国立劇場ウェブサイトをご覧ください。
公演情報WEBサイト https://www.nntt.jac.go.jp/opera/suorangelica/
U25/U39特別優待
登録無料の新国メンバーズにご登録いただくと、25歳以下はS席5,000円、39歳以下はS席11,000円になる優待チケットをご購入いただけます。
https://www.nntt.jac.go.jp/ticket/general/youth-members/
新国立劇場について
新国立劇場は、日本唯一の現代舞台芸術のための国立劇場として、オペラ、バレエ、ダンス、演劇の公演の制作・上演や、芸術家の研修等の事業を行っています。オペラ部門は2018年9月より世界的指揮者の大野和士が芸術監督に就任し、世界の主要歌劇場と比肩する水準のオペラ公演を年間およそ10本上演、高校生のためのオペラ鑑賞教室の実施等を行っています。
所在地:東京都渋谷区本町1-1-1
【お客様からのお問い合わせ先】
新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10:00~18:00)