“カジノの王様”として知られるカードゲーム、バカラ。中世イタリアやフランスを起源としたこの王道ゲームは、今やアメリカやアジアに波及し、多くの人々を魅了しています。
その一方で、バカラがもたらすその利益性の裏には高いリスクも。カジノ経営者はこのバランスをよく理解し、適切な運営戦略を持つことが求められます。
カジノ業界の利益源となるバカラ
中世ヨーロッパで誕生し、かつてはタキシードを着たディーラーとダブルテーブルが特徴的であったバカラ。しかし、現在ではよりカジュアルなスタイルに進化しています。
これは、アジアのプレイヤーが、ゲームの豪華な演出よりもシンプルなルールに準じたゲーム自体に興味を示していることを反映しています。
この変遷から、バカラの人気は特にアジア地域で顕著に。アジアのハイローラーがバカラに流入することによって、カジノは膨大な利益を上げています。
例えば、40のカジノ施設を展開し、世界で最も収益をあげているマカオ。マカオ最新情報を届けるマカオ新聞によると、2023年(4〜6月)のVIPルームによるカジノ売上を反映するVIPバカラ売上は約2,174億円。さらに、マスのバカラによる売上は約4,772億円であったといいます。
そして、同時期のマカオのカジノ売上は約8,137億円であることから、マカオカジノは85%以上の収益をバカラから獲得していることになります。
バカラのシンプルなルールとその魅力
バカラの魅力は、その独特なルールと文化的背景にあるでしょう。
バカラは、プレイヤーが「バンカー」か「プレーヤー」のどちらが勝利するかを予測する簡単なゲームです。最初に、ディーラーがバンカーとプレイヤー双方に2枚のカードを配ります。次に、各プレイヤーは配られた2枚のカードの点数を合計します。
勝者を決める際は、カードの合計点数の最後の一桁を比較。9に最も近い数字を持つ側が勝利となります。
例えば、バンカーが「1」と「9」のカード(合計10点)を持ち、プレイヤーが「2」と「3」のカード(合計5点)を持っている場合、それぞれの最後の一桁は「0」と「5」です。
この場合はプレイヤー側が勝利となります。このように、バカラは簡潔かつ直感的なルールで進行するカジノゲームです。
このように、「プレーヤー」か「バンカー」のどちらかが勝つかを予測するだけのシンプルなルール構造はアジアのプレイヤーを魅了し、ハイローラーに限らずビギナープレイヤーを増やしています。
カジノがバカラにもたらすリスクとその理由
バカラ業界における収益の大きな割合も占めるバカラ。その一方で、バカラはカジノ経営者にとって大きな損失となる場合もあります。
その理由の1つが、バカラのハウスエッジ。1〜2%の低いハウスエッジであるからこそ、プレイヤーがバカラにて多額の賭けを行うことで、大金を獲得する可能性があるのです。
実際、バカラのプレイヤーは数時間で数百万ドルの損失を招く可能性がありますが、逆に巨額の利益を獲得するケースも発生しています。
そのため、バカラは高額ベットをするプレイヤーがカジノを困らせる可能性のある、数少ないゲームの1つといえます。
カジノ業界におけるバカラのこれから
バカラは今、その高い利益性と世界中での実績から、ローカルカジノの通常フロアにおいてもテーブル数を増やしています。
加えて、バカラ オンラインカジノでもその存在感は拡大中です。コミッションなしで配当を獲得できるものや、オンライン上でも本物のディーラーを前にしてバカラをプレイできる「ライブカジノ」が誕生。さらに、スマホ用に開発されたオンラインバカラまで登場し、人気度はますます高まっています。