ヤマハ株式会社のプレスリリース
『だれでも第九』は、指一本から弾ける自動伴奏追従機能付きのピアノ「だれでもピアノ」*を使って、障がいのある3名のピアニストと、オーケストラと合唱団がベートーヴェンの「第九」を共演する、かつてないコンサートです。ハンデや経験、年齢に関係なく「第九」を演奏したいという熱い気持ちを持つピアニストの夢の実現をサポートし、音楽に向き合う勇気と喜びを世界中の人々にお届けします。
なお、本コンサートは会場での鑑賞(抽選で130名様ご招待)に加え、YouTubeによるオンライン(生配信・アーカイブ配信)でも視聴可能です。
また、本日、本イベントの詳細やピアニスト3名のインタビュー動画などを紹介する特設サイトを公開します。特設サイトでは今後、当日に向けた練習の様子や出演者のインタビューなどを随時更新してまいります。
『だれでも第九』特設サイト https://www.yamaha.com/ja/about/initiatives/the-9th/
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『だれでも第九』について
当社は2015年から、東京藝術大学とともに共同開発した自動伴奏追従機能付きのピアノ「だれでもピアノ」を用いたワークショップなどを通じて、「障がいの有無や年齢、経験に関わらず誰もがピアノ演奏を楽しむことができる」という発信を行い、一人でピアノが弾ける達成感と心震える体験を多くの人に生み出してきました。
『だれでも第九』では、「ピアノを弾きたい」という熱い想いを持ちながらも障がいのために難しさを抱える3名が、「だれでもピアノ」で一人でピアノを弾くことからさらに一歩踏み出し、「だれでもピアノ」のピアニスト(だれでもピアニスト)としてオーケストラと合唱団と共演するという夢のステージに挑戦します。
この演奏会の実現のために、当社は、既存の「だれでもピアノ」の技術に加えて「超・低遅延発音」をはじめとした技術を開発中です。さらに、3名のピアニストそれぞれがオーケストラ・合唱の中で輝き、等しくベストを尽くせるよう、ピアニストそれぞれの弾き方や動きの特徴を踏まえた技術も追加しています。
「だれでもピアニスト」を中心に、音楽とテクノロジーの力で、音楽に向き合う喜びや新たな一歩を踏み出す勇気を世界中の人々に届ける演奏会の実現を目指します。
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『だれでも第九』開催概要
日時 |
2023年12月21日(木)16:00開場 16:30開演(18:00終演予定) |
会場 |
サントリーホール ブルーローズ(東京都港区赤坂1-13-1) |
出演 |
だれでもピアニスト:東野 寛子・古川 結莉奈・宇佐美 希和 音楽プロデュース・編曲:高橋 幸代 指揮:米田 覚士 演奏:横浜シンフォニエッタ 合唱:東京混声合唱団 |
演奏曲 |
ベートーヴェン「交響曲 第9番 ニ短調(合唱付き)」 《ピアノ》東野 寛子(第1・2楽章)・古川 結莉奈(第3楽章)・宇佐美 希和(第4楽章) |
使用ピアノ |
ヤマハ Disklavier™ ENSPIRE(ディスクラビア エンスパイア)「S6X-ENPRO」 |
主催 |
ヤマハ株式会社 |
鑑賞 |
1)会場での観覧 130名様(無料・抽選) 2)公式YouTube生配信の視聴(無料) 3)公式YouTubeアーカイブ(ダイジェスト)配信の視聴(無料) ※2)および 3)につきましては、後日、特設サイトでURLを掲載します。 |
会場での観覧 お申し込み |
・お申し込み先:『だれでも第九』特設サイト https://www.yamaha.com/ja/about/initiatives/the-9th/ ・期間:2023年10月12日 (木) 10:00 ~ 11月20日 (月) 23:59 ・抽選結果発表:2023年12月上旬、当選者へメールでご連絡します。 |
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出演者プロフィール>
【だれでもピアニスト】
東野 寬子(ひがしの ひろこ)
神奈川県横浜市在住。生まれつき右手に欠指の障がいがあり、過去にピアノを習おうとしたが手の障がいを理由に諦めた経験がある。現在もピアノに触れることはあるが、思ったような演奏ができない。音楽の道を諦められず、大学在学中よりバレエ、ジャズダンス、声楽を学び、卒業後は、働きながらミュージカルやダンスの舞台、SLOW CIRCUSのトレーナーとして活動している。東京2020パラリンピック開閉会式に出演。
古川 結莉奈(ふるかわ ゆりな)
神奈川県横浜市出身。先天性ミオパチーという筋肉の難病で身体を動かすことが難しく、平素ベッドに横になって過ごしている。小さい頃から音楽が好きで、右手の親指で電子キーボードを弾いていた。2021年8月、「だれでもピアノ遠隔演奏実証実験」で自宅の電子キーボードから横浜市庁舎の「だれでもピアノ」で「威風堂々」を演奏し、いつかオーケストラと一緒に演奏したいと夢みていた。力が弱く、本物のピアノの鍵盤を弾くことは難しいが、すてきな音楽を届けられるように心を込めて演奏したいと情熱を燃やしている。
宇佐美 希和(うさみ きわ)
東京都杉並区出身。生後まもなく脳性麻痺と診断され、両手足に障がいがあり車椅子を使用している。右手は多少動かせるが、左手に不随意運動がある。小学校2年生の時、姉がピアノを習う姿をみて、ピアノを習い始める。2015年、筑波大学附属桐が丘特別支援学校在学中の彼女のピアノ演奏にインスピレーションを得て、東京藝術大学とヤマハが「だれでもピアノ」を共同開発。以後、「障害とアーツ」(2015)、「渋谷ズンチャカ」(2017)、「みんなで楽しむコンサート」(2022)などさまざまなコンサートに出演。
また、サークル「ひとさし指のノクターン」で、ピアノの練習に励み、定期的にコンサート活動も行っている。
【音楽プロデュース・編曲】
高橋 幸代(たかはし ゆきよ)
東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院を首席で修了。
現在、同大学非常勤講師、日本作曲家協議会理事。幅広いジャンルの作曲・編曲を手がけ、国内外のコンサートやテレビ番組などで作品が演奏されるほか、藝大にて「だれでもピアノ」の開発(特許取得)をはじめとするインクルーシブアーツの研究に携わってきた。
【指揮】
米田 覚士(よねだ さとし)
東京藝術大学音楽学部指揮科卒業。平成30年度安宅賞受賞。指揮を小田野宏之、高関健の各氏に師事。
2021年、第19回東京国際音楽コンクール<指揮>入選(奨励賞受賞)。以降、NHK交響楽団をはじめとする日本の主要オーケストラに客演し、最も注目されている若手指揮者のひとりである。
【演奏】
横浜シンフォニエッタ
1998年、東京藝術大学学内にて創立。音楽監督に山田和樹を擁する。フランス・ラ・フォル・ジュルネ音楽祭へ日本の楽団として初めて招聘されるなど、海外の著名音楽祭に多く出演。CDリリースも多数。テレビ朝日「題名のない音楽会」などメディア出演も多く、注目を集めている。横浜文化賞文化・芸術奨励賞受賞。
【合唱】
東京混声合唱団
1956年に創設された日本を代表するプロ合唱団。東京・大阪での定期演奏会、内外のオーケストラとの共演やオペラ、青少年を対象とした鑑賞音楽教室、海外公演を含む年間150回の公演のほか、数多くのレコーディングやテレビ等への出演を行っている。そのレパートリーは幅広く、内外の古典から現代作品までと全合唱分野を網羅している。
*「だれでもピアノ」
「だれでもピアノ」は、ショパンのピアノ曲「ノクターン」を弾きたいと願う手足の不自由な高校生のために、2015年に当社の研究開発統括部と東京藝術大学COI拠点インクルーシブアーツ研究グループ(新井鷗子特任教授)により共同で改良・開発した、ヤマハの自動演奏機能付きピアノ「Disklavier™(ディスクラビア)」を使った演奏追従システムとペダル駆動装置のことです。一本の指でメロディー(右手パート)を弾くと、そのメロディーのタイミングや速度に合わせて伴奏(左手パート)とペダルが自動で追従するため、ハンデや経験、年齢に関係なく、だれでも、奏者のイメージする演奏を楽しむことができます。オリジナル編曲の伴奏による、だれもが親しみのある楽曲を搭載し、インクルージョンの意味も込めて新井鷗子特任教授により「だれでもピアノ」と名付けられ、2020年に同演奏システムは特許を取得(特許6744522)しています。当初は、一人の障がい者のために開発されたシステムですが、今ではピアノを弾いてみたいと思う初心者など、障がいの有無に関わらず誰もが楽しめるシステムとなっています。
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