日本未公開作多数!古今東西の発掘・復元された作品を紹介する特集上映
文化庁のプレスリリース
上映会チラシ
国立映画アーカイブでは、2024年1月5日(金)から上映企画「蘇ったフィルムたち チネマ・リトロバート映画祭」を開催します。
チネマ・リトロバート映画祭とは、イタリアのボローニャを拠点として映画保存活動を行うチネテカ・ディ・ボローニャ財団(FCB)が1986 年に本格始動させた映画祭です。世界各地で行われている映画復元・発掘の取り組みを紹介する一大拠点として、映画史に刻まれた作品だけでなく、アーカイブ活動によって蘇った知られざる作品を上映しています。
本企画では、長い歴史を誇るチネマ・リトロバート映画祭にこれまで出品された発掘・復元作の中から、日本未公開作を含む25プログラム(54本)を上映します。「ネオレアリズモ」の系譜に連なる名作群やそれらと共鳴するようなチェチリア・マンジーニやサラ・マルドロールといった女性監督の作品など、蘇った作品群をご覧いただくことで、映画史への新たな視点や映画保存や映画復元の意義を再発見する機会となれば幸いです。
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見どころ
蘇ったイタリア映画の至宝
『サタン狂想曲』 Courtesy Cineteca di Bologna
ディーバ女優のリダ・ボレッリが主演したイタリア無声映画の傑作『サタン狂想曲』、ロベルト・ロッセリーニの『無防備都市』やヴィットリオ・デ・シーカの『自転車泥棒』などの「ネオレアリズモ」を代表する作品のデジタル修復版を上映します。また、失われゆく南イタリアの伝統を記録したヴィットリオ・デ・セータによるダイナミックな記録映画や、女性の視点からイタリア社会を捉えた作品を多く監督したチェチリア・マンジーニによるドキュメンタリーも紹介します。
世界各地で発掘された映画たち
『サンビザンガ』 Courtesy Cineteca di Bologna
世界各地で行われている近年のアーカイブ活動によって、長らく鑑賞機会が希少であったワールドシネマの作品などが再びスクリーンに蘇っています。本企画では、インド舞踊の歴史で中心的存在であるウダイ・シャンカルが4 年の歳月をかけて完成させた自伝的作品『カルプナー』、イラン・ニューウェーブの代表的な監督の一人であるバハラム・ベイザイがイラン革命前に製作した幻想的な大作『異人と霧』、映画製作において黒人女性が関与することの重要性を唱えたサラ・マルドロールがアンゴラ独立運動を描いた『サンビザンガ』などを紹介します。
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上映作品
「サイレント短篇集」(…チネテカ・ディ・ボローニャ財団が近年修復したサイレント映画の短篇集)
『サタン狂想曲』(1917、イタリア、ニーノ・オシーリア)
「グランド・ツアー イタリア紀行・短篇集」(…1908~12年にイタリア全土で撮影されたホームムービー集)
『フィリバス』(1915、イタリア、マリオ・ロンコローニ)
『狂った一頁』[染色版](1926、日本、衣笠貞之助)
『ハーレムの殺人』(1935、アメリカ、オスカー・ミショー)
『無防備都市』(1945、イタリア、ロベルト・ロッセリーニ)
『カルプナー』 Courtesy Cineteca di Bologna
『カルプナー』(1948、インド、ウダイ・シャンカル)
『自転車泥棒』(1948、イタリア、ヴィットリオ・デ・シーカ)
「ヴィットリオ・デ・セータ作品集」
『風と共に散る』(1956、アメリカ、ダグラス・サーク)
『吸血鬼』(1957、イタリア、リカルド・フレーダ)
「チェチリア・マンジーニ作品集」
『時は止まりぬ』(1958、イタリア、エルマンノ・オルミ)
『街の中の地獄』(1959、イタリア/フランス、レナート・カステラーニ)
『シシリーの黒い霧』(1962、イタリア、フランチェスコ・ロージ)
『猿女』(1964、イタリア/フランス、マルコ・フェレーリ)
『サンティアゴへ行こう』(1964、キューバ、サラ・ゴメス)
『ある方法で』 © ICAIC
『ある方法で』(1974、キューバ、サラ・ゴメス・イエラ)
『私は彼女をよく知っていた』(1965、イタリア/フランス/ドイツ、アントニオ・ピエトランジェリ)
『マハゴニー(フィルム#18)』(1970-80、アメリカ、ハリー・スミス)
『ブッシュマン あるナイジェリア人青年の冒険』(1971、アメリカ、デイヴィッド・シッケル)
『サンビザンガ』(1973、アンゴラ/フランス、サラ・マルドロール)
『異人と霧』(1974、イラン、バハラム・ベイザイ)
『私は時々ハワイを想う』 Stiftung Deutsche Kinemathek
『私は時々ハワイを想う』(1978、西ドイツ、エルフィ・ミケシュ)
『青の隔たり』(1983、西ドイツ、エルフィ・ミケシュ)
「セシル・ドキュジス作品集」
『ムービー・オージー』(1966-2009、アメリカ、ジョー・ダンテ、ジョン・デイヴィソン)
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トークイベント
「蘇ったフィルムたち チネマ・リトロバート映画祭」ではトークイベントを開催します。
「サイレント短篇集」/『サタン狂想曲』上映後対談
日時:1月9日(火) 6:00 PM
登壇者:小松弘氏(早稲田大学文学学術院教授)、古賀太氏(日本大学芸術学部映画学科教授)
『カルプナー』上映後講演(逐次通訳付き)
日時:1月13日(土) 12:30 PM
登壇者:チェチリア・チェンチャレッリ氏(FCBディレクター)
『私は彼女をよく知っていた』上映後講演
日時:1月13日(土) 5:00 PM
登壇者:岡田温司氏(京都精華大学教授、京都大学名誉教授)
「グランド・ツアー イタリア紀行・短篇集」上映前/上映中解説(逐次通訳付き)
日時:1月14日(日) 12:30 PM
登壇者:ジャン・ルカ・ファリネッリ氏(FCBディレクター)
「ヴィットリオ・デ・セータ作品集」上映後講演(逐次通訳付き)
日時:1月14日(日) 3:00 PM
登壇者:ジャン・ルカ・ファリネッリ氏(FCBディレクター)
『サンティアゴへ行こう』『ある方法で』上映後対談
日時:1月27日(土) 4:00 PM
登壇者:濱治佳氏(山形国際ドキュメンタリー映画祭)、当館研究員
『狂った一頁』[染色版]上映後トーク
日時:1月30日(火) 7:00 PM
登壇者:野原あかね氏(IMAGICAエンタテインメントメディアサービス)
『ムービー・オージー』上映後トーク
日時:2月3日(土) 1:00 PM
登壇者:藤井仁子氏(早稲田大学文学学術院教授)
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開催概要
蘇ったフィルムたち チネマ・リトロバート映画祭 (英題:Film Treasures from Il Cinema Ritrovato)
会期:2024年1月5日(金)–2月4日(日) ※月曜休館
会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU[2階]
主催:国立映画アーカイブ、チネテカ・ディ・ボローニャ財団、イタリア文化会館
HP:https://www.nfaj.go.jp/exhibition/cinema_ritrovato202312/
問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
チケット: 詳細は国立映画アーカイブのHPをご確認ください。