株式会社ongaqのプレスリリース
株式会社ongaqは、5月1日(金)に発表した環境提供型遠隔録音サービス[Rec Out]を拡張し、複数の実演家それぞれが自宅にいながら行うリモート同時多重録音に成功したと発表しました。
新型コロナウイルス感染症に伴い、リモートでの音楽制作が議論される遥か前から、実演家の一人一人がそれぞれの自宅にいながら行うリモートでの多重録音は実現が困難であると言われてきました。
特に、複数人数の実演家の収録に際しては、「製品品質」と言える音源を制作するには「マルチチャンネルを聴きながらの収録」が必須となる中、「遅延のないマルチチャンネル音源を聴きながらのリアルタイムでの生楽器収録」は困難を極めていました。
【レイテンシーの課題を解決】
この課題に長年取り組んできた同社は、この度、これまで、インターネットを通じて複数拠点に音を送信する際に起こる最も致命的かつ重要度の高い課題とされていた「レイテンシー(伝達遅延)」を、最速で23ms(ミリセカンド)以内に短縮し、より自然な聴感環境を実現。
Zoomを使用しての同時収録などでは120ms(聴感上約3秒程度)となる遅延を、一般的な音響機材間の伝達遅延とされる30ms以下に抑えることにより、オンライン上での複数楽器による限りなく自然な、劣化のない生楽器の合奏収録に成功しました。
【実演家、エンジニア双方のニーズを満たす結果に】
実演家、収録エンジニア、モニターエンジニア、配信エンジニア、進行管理を行うディレクターやプロデューサーなど、様々な関係者が全員、自宅など別々の場所にいながらにして録音、ライブ、リハーサルなどを可能にすることが実証された[Rec Out]の方式。
実証実験に参加した実演家たちからは「遠隔であることを忘れさせるほどの近い距離感でのマルチチャンネルの音源を聴きながらの収録であり、収録音源のBPMやジャンルに関わらずリモート録音のストレスや違和感を一切感じなかった」、「聴こうと思わなくても自然に耳に他の実演家や全体の音情報が入ってくるので、多重録音で必要とされる”合わせる”、”揃える”といった工程が非常に自然に行えた」という満足率100%のフィードバックを得られたほか、収録エンジニアも「業界全体の課題となっていたレイテンシーの問題を、回線速度や環境が個別に異なるオンライン上でここまで自然にクリアする方式が採れることでリモート録音だけでなく、ライブなど様々な使用シーンで製品品質の音源を自信をもって提供できる」と回答。
元来、参加の仕方や立場によって大きく異なる満足度において高評価を叩き出す結果となりました。
【特別な装置は不要、参加条件もシンプル】
同サービスでは、参加者はパソコンとアプリ、そしてある程度の速度があるインターネット回線があればどこからでも、誰でも参加でき、特殊な装置を必要としないことがこれまでにない大きな特徴となっています。
本方式を採用することにより、今後急激に普及していく5G(第5世代移動通信システム)の回線を使用すれば、モバイル環境においても多チャンネルのスムーズな送受信も可能となり、様々なロケーションから実演家が参加するオンライン上のライブイベントなども可能となります。
【アニメや吹き替えの多人数アフレコ収録にも対応】
また、これまで可能としていたアニメのアフレコ収録においても、それぞれの実演家に映像を同期させつつ行うアニメのアフレコ収録をリモートで実現するプランを正式にサービスインすることを発表。
現在、最大32人までの同時多重録音が可能となっており、今後もストレステストを繰り返すことで収録人数を積極的に増加させていくことも明かされました。
緊急事態宣言の解除はされても「三密」の回避が極めて困難とされているアニメや吹き替えドラマの音源制作現場において目下一番の課題となっている同時収録人数を気にすることなく収録が可能となる本プランは、多数キャストを必要とする同業界から早速注目を集めています。
長年、世界中の多数拠点と遠隔でのコンテンツプロダクションを実施してきたからこそ、早期実現を目指した遠隔録音。
同社では、今後場所や移動に制限されることのない、日本全国から参加できる[Rec Out]によって、音にまつわるすべてのプロダクションにおいて、スタイルの大きな進化、発展への更なる貢献を目指します。
【株式会社ongaqについて】
東京に本社を置く音楽制作、イベント制作、メディアコミュニケーションを担う制作会社。ドイツ・Volkswagen AGの国内外のモーターショウおよび関連イベントにて音楽監督を務める他、国内外のライブコンサート、朗読劇や舞台、ミュージカルなどのステージコンテンツ制作・開発を担当している他、ゲーム、映画、TVドラマ、CMなど幅広くコンテンツ制作を行っている。2011年には録音専門オーケストラ「gaQdan(ガクダン)」を設立し、音楽制作会社が所有・運営するオーケストラとして幅広く活躍中。
2018年より吉本興業ホールディングス株式会社、吉本興業株式会社とメディアコミュニケーション、コンテンツ開発にて協業し、Wイシダ朗読劇『USHIROMUKI』などを発表している。
2020年4月には、子供向け玩具「PLAYMOBIL(プレイモービル)」シリーズで有名なドイツ・ゲオブラ・ブラントシュテッター社と共同で新型コロナウイルス感染症に関する解説動画の日本語版を制作。日本及び世界で話題となっている。
同年5月には、環境提供型遠隔録音サービス[Rec Out(レックアウト)]、全年齢対象のオンラインレッスンプラットフォーム「マナボーノ!」のサービスインを発表。業界内外から大きな注目を集めている。
商号 : 株式会社ongaq
代表者 : 代表取締役社長 榊原琢
所在地 : 〒155-0031 東京都世田谷区北沢1丁目37-6-1A
設立 : 1957年5月
事業内容 : 音楽原盤、イベント等の制作
ongaq公式サイト
http://www.ongaq.com
Rec Out公式サイト
https://recout.ongaq.com/