自然と芸術の融合を体験する一日 – 2024年4月27日(土)、都立長沼公園にて限定公演。京王線長沼駅から出発し、ダンサーや打楽器奏者、観客とともに「よい風景」を求めて歩く体験を提供します。
株式会社しろばら百藝社のプレスリリース
京王線「長沼駅」を出発点とし、都立長沼公園を舞台に展開される特別な野外バレエ公演『<解>の庭園』が2024年4月27日(土)に開催されます。この公演は、作曲家・山本和智とダンサー・柿崎麻莉子が共同で創り出す、自然と芸術が一体となった新たな体験を提供します。観客はダンサー、パーカッショニストと共に散策を始め、山を探索しながらパフォーマンスを鑑賞するというユニークな形式を取ります。終演後には、山本和智と建築家・落合俊也によるトークセッションも予定されており、人と芸術、自然の境界について考える貴重な機会となるでしょう。【Webページ】 https://www.pareidolian.info
野外バレエの新たな境地 – 『<解>の庭園』への招待
『<解>の庭園』は、コロナ禍以降、公演のあり方を模索してきた山本和智が構想した野外でのバレエ作品です。この作品は、かつての茶人が行った「野点」のように野山を訪ね、よい景色を見つけたその場で簡単な木や石等で楽器や美術を仕立て、終演するやそれらを解き元の野の風景に戻すという意図で作られています。手付かずの自然環境と人工的な環境が理想的に結びついた長沼公園を舞台に、自然と芸術活動の継承と発展に新たな視点を提供する体験を目指します。
『<解>の庭園』-山本和智と柿崎麻莉子が紡ぐ自然と音楽の調和
作曲家・山本和智が描く世界
山本和智は、オーケストラ、室内楽、合唱、映画音楽など、幅広いジャンルでその才能を発揮している独学の作曲家です。国内外の著名な演奏団体によって演奏され、多数の国際コンクールで受賞しています。また、『特殊音樂祭』のプロデュースや、演奏を前提としない作品集「困った男」、犬を演奏者とした実験音楽「あんた…まだ『山本和智』なんか聴いてるの……」などを手掛け、現代音楽の新たな魅力を伝えています。
世界を舞うダンサーの挑戦と創造―柿崎麻莉子
柿崎麻莉子は、国際的に活躍するダンサー・振付家です。イスラエルの「Batsheva Dance Company」や「L-E-V Sharon Eyal | Gai Behar」での経験を持ち、多数の賞を受賞しています。独自の視点でダンスを追求し、パリのファッションショーでのパフォーマンスも話題になりました。2022年には熊本にアート・カルチャーセンターbeqをオープンし、文化や芸術を身近に感じられる場を提供しています。今回は、才能ある若手ダンサーの蛸島由芽を共演者として抜擢し、両者の技術と表現力を融合させた新たな創造に挑みます。
パーカッショニスト・篠田浩美と彌永和沙の妙技
『<解>の庭園』での山本和智と柿崎麻莉子のコラボレーションは、長沼の自然を背景に独自の世界を紡ぎ出します。彼らの創造性に打楽器奏者として篠田浩美と彌永和沙が加わることで、リズムと動きが一つのハーモニーを奏でます。山本作品に対する深い理解と、信頼を得ている名手がこの公演を一層豊かな体験へと高めてくれることでしょう。
共創の旅 – 自然との対話を楽しむ
この作品では、演者、観客ともに舞台の最寄り駅である京王線長沼駅より歩き始め、公演に相応しい「場」を探しながら長沼公園を巡ります。演者はどこで踊り、或いは楽器や舞台美術をしつらえ演奏するのか、そして観客もどこで鑑賞するのかなど全てはその場で決まっていきます。
トークセッション – 芸術と自然の共鳴を探求する時間
上演後に行われるトークの登壇者である建築家の落合俊也は「自然界の音と光は本来結びついた一体の現象であり、結びつきの根拠が各現象の持つ独自のゆらぎに現れている。そのゆらぎは私たちの皮膚感覚によって統合される。芸術の奥行きはこの事実に頼っているのではないか」と説き、長沼の森はそれを気づかせてくれる場だと話します。人の住まうエリアと手付かずの自然環境が隣り合わせに共存する都立長沼公園はこうした性格上、人工的空間と自然的空間の〈あわい〉を経験できる特異な場であり、特筆すべき点として、かつて明治天皇の狩猟場でもあった多摩丘陵一帯の独自の文化である「鳥山」(狩った野鳥を供する店)を今も有するなど、多摩地区固有の文化を体感するに相応しい場であり、観客とともに考える機会を提供する空間として再発見すべき文化資源と考えられます。
文化の交差点 – 長沼公園に息づく歴史と未来
長沼公園は、人の住まうエリアと手付かずの自然環境が隣り合わせに共存する特異な場であり、多摩地区固有の文化を体感するに相応しい場です。本企画は、「“異”との出会い」や「新たな視点」を活動の軸とする音楽実験ユニット「パレイドリアン」と、人々が集う囲炉裏文化と自然の美と芸術が共存する「鎌田鳥山(長沼公園内)」を舞台にして行われる「緑の森のアート 峠の美術館『春祭り』」との共同主催で行われます。
このように、実績を持つ団体が揃うことで、それぞれの視点を持ちながら、地域の資源価値を次世代へ継承する見込みのある企画として計画されています。
公演概要
【タイトル】<解>の庭園 Garden of “Unraveling“ 山本和智+柿崎麻莉子
【日時】2024年4月27日(土) 京王線「長沼駅」 14:00集合
【チケット】一般:3,000円 学生(25歳以下):2,000円
Peatixにて発売中(要予約/限定50名)
https://naganuma2024.peatix.com
【会場】都立長沼公園内
※この公演は京王線「長沼駅」よりダンサー、パーカッショニストと共に山に向かうところから始まり、山を散策しながらダンサーは公演するに相応しい場を決めたのちに開演されます。従って歩きやすい靴と服装でお越しください。
※会場には駐車場はございませんので、あらかじめご了承ください。
【出演者】
柿崎麻莉子(ダンス)
蛸島由芽(ダンス)
篠田浩美(打楽器)
彌永和沙(打楽器)
終演後に作曲家・山本和智と建築家・落合俊也(建築家・鳥山カフェマスター)のトークが行われます。
「トーク『人と芸術と自然の境界で』 山本和智×落合俊也」
山本和智(作曲家)
落合俊也 Toshiya OCHIAI (建築家・鳥山カフェマスター)
会場:鎌田鳥山・峠の美術館
主催:パレイドリアン、緑の森のアート 峠の美術館春祭り
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[地域芸術文化活動応援助成]協力:公益財団法人東京都公園協会、株式会社しろばら百藝社
プロデューサー:佐藤康子(緑の森のアート 峠の美術館春祭り)
制作:鐘ケ江織代(パレイドリアン/株式会社しろばら百藝社)
宣伝美術:すわあおの
【プロフィール】
山本 和智 Kazutomo YAMAMOTO(作曲)
独学で作曲を学ぶ。オーケストラ、室内楽、アンサンブル、合唱、独奏曲、映画音楽など作曲活動は広範にわたり、2006年モリナーリ国際作曲賞第1位(カナダ)、2007年AIC / Mostly Modern 国際作曲コンクール第1位(アイルランド)、 2009年度武満徹作曲賞第2位、2010年第5回JFC作曲賞、2011年TOKYO EXPERIMENTAL FESTIVAL- SOUND, ART & PERFORMANCE vol.7奨励賞受賞など、作品は国内外問わず高く評価されており、2020年にはサントリーサマーフェスティバルにてオーケストラ作品の新作を初演し好評を博した。2009年より『特殊音樂祭』をプロデュース。現代音楽ファンのみならず多くの聴衆を獲得し注目度の高いイベントへと成長させた。今後も、作曲・プロデュースの両面で活躍が期待されている。和光大学表現学部総合文化学科非常勤講師。
柿崎 麻莉子 Mariko KAKIZAKI(ダンス)
香川県にうまれ育ち、新体操選手として幼少期を過ごした。教師を目指して筑波大学に入学するが、学生時代に振付家の平原慎太郎や山田せつ子に出会い、アーティストがそれぞれの視点で世界を捉え表現している様に魅了される。大学卒業後はBatsheva ensemble Dance Company(2012-2014)、L-E-V Sharon Eyal|Gai Behar(2015-2021)に所属し、ツアー公演やWS指導など国際的に活動。2018年にMusée de l’Orangerie(Paris)「睡蓮」の前で踊るという夢をかなえる。ダンサーとして出演したDior(2019ss)Paris collectionがファッションとダンスの融合をみせたショーとして話題となる。SharonやOhadなどのメンターとの出会いは、身体についての考え方だけでなく、ダンサーとしてどのように生きるか、アーティストとしての価値観形成に大きな影響をあたえた。ダンサー活動と並行して振付活動をはじめ、2014年にJerusalem Dance Week competitionで銀賞、2020年に日本ダンスフォーラム賞を受賞する。他、各国のダンスフェスティバルにて作品を上演。2020年パンデミックをきっかけに活動拠点を日本に移す。2023年、アーティスト長島有里枝の展覧会「ケアの学校」で「パーソナルダンス」と題した企画を実施し、コミュニケーションツールとしてのダンスの可能性の模索をはじめた。現在は日本での活動を中心に、世界各国のフェスティバルに指導者・振付家として参加。2022年よりアート・カルチャーセンターbeqを熊本にオープンし、文化や芸術をカジュアルに楽しめる場づくりを実践中。広告などのムーブメントディレクションもおこなう。Gaga指導者。
蛸島由芽 Yume TAKOJIMA (ダンス)
2003年、東京生まれ。
幼少期からクラシックバレエを踊り始め、16歳の時ベルギーに渡りアントワープ王立バレエ学校で学ぶ。
2022年に卒業後、スペインのJohan Inger Youth ProjectやイタリアでWayne McGregor率いるLa Biennale Di Venezia 2023に参加最近ではメキシコでCesar Brodermannと踊るほか、自身の作品を発表、またワークショップを開催するなどの活動をしている。
篠田 浩美 Hiromi SHINODA(打楽器)
東京藝術大学打楽器科卒業。ソリストとして読売日本交響楽団、吹奏楽団体、現代邦楽団体と共演し高い評価を得る。作曲家の新曲初演を多数演奏。幼少期よりピアノコンクール、打楽器コンクールで数々の賞を受賞。映画「大仏廻国」の音楽担当。和楽器奏者としても活躍し歌舞伎・邦楽演奏会にも多数出演。千葉商科大学・尚美ミュージックカレッジ専門学校非常勤講師。起業家としての顔も持ち、音楽教室「PASSION MUSIC」の代表を務める。川口市内幼稚園4か所の音楽教室運営。「ウーマンビジネスプランコンテストin Kawaguchi」優秀賞。「川口i-mise大賞2023年」i-mise賞を受賞。2児の母。
https://hiromi-shinoda.com/
彌永 和沙 Kazusa IYONAGA (打楽器)
千葉県船橋市出身。幕張総合高等学校卒業、東京藝術大学音楽学部器楽科を経て同大学院修士課程を修了。2019年日本打楽器協会主催第35回新人演奏会で最優秀賞、第80回TIAAクラシック音楽コンクール優秀賞(最高位)受賞。第74回ジュネーブ国際音楽コンクールやTROMP 2022 competition 等海外コンクールにも積極的に参加し研鑽を積む。2019年度瀬木芸術財団法人短期海外研修奨学生として奨学金を授与。JASSO奨学金業績優秀者奨学金全額返還免除生。現在はフリーランス打楽器奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽の各分野で活動中。寺田由美パーカッションアンサンブル「ドライヴ」メンバー。これまでに打楽器を寺田由美、藤本隆文の各氏に師事。
落合俊也 Toshiya OCHIAI (建築家・鳥山カフェマスター)
東京都国立市に生まれる。早稲田大学・建築学科、大学院卒。卒業後は木造建築の第一人者であった杉坂智男氏に師事。2014年に杉坂建築事務所より独立し、株式会社森林・環境建築研究所を創設。受賞歴に、建築・環境省エネルギー住宅賞(2000年)、サスティナブル住宅賞最優秀賞(2015年)など。著書「すべては森から」建築資料研究社。
株式会社しろばら百藝社
才能あるアーティストが彼らの創造力を最大限に発揮し、世界中のオーディエンスに驚きと感動を届けることです。株式会社しろばら百藝社は、プロフェッショナルなマネジメントと緻密なプロモーションを通じて、クリエイターの成功を支援し、彼らの才能が輝く舞台を創り出します。
広報担当:鐘ケ江(かねがえ)
メールアドレス:info@shirobara-artisan.com