「芸能プロ」の倒産増、過去5年で最多 所属タレントの独立、YouTuberの台頭など逆風に

「芸能プロダクション(事務所)」の倒産動向

株式会社帝国データバンクのプレスリリース

帝国データバンクは、「芸能プロダクション」の倒産発生状況について調査・分析を行った。

<調査結果(要旨)>

  1. 「芸能プロ」の倒産増、過去5年で最多 所属タレントの独立、YouTuberの台頭など逆風に

  2. 有名事務所が相次いで倒産・廃業に 問われるマネジメントの役目

集計期間:2024年3月31日まで
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
調査機関:株式会社帝国データバンク

※調査結果は下記ホームページにも掲載予定

https://www.tdb.co.jp/report/index.html

2023年は芸能プロダクションの倒産が目立つ1年となった。芸能人やタレントのマネジメントなどを行う芸能プロの倒産は、2023年に合計12件発生した。前年(4件)の3倍に増加したほか、過去5年間で最多となった。

昨年にはVRアイドルグループ「えのぐ」などが所属していた岩本町芸能社(千代田区)が廃業することを発表したほか、A.L.C.Atlantis(港区)など有名事務所が破産した。今年に入ってもタレントの壇蜜さんが所属するフィット(渋谷区)が破産、女優の吉岡里帆さんが所属するエー・チーム(港区)が休業を発表するなど、芸能プロの行き詰まりが表面化している。近年はテレビ局の制作費削減に伴う出演料の減少や番組の整理・終了といった状況に直面したほか、SNSの台頭でYouTuberやインフルエンサーとして活動する個人も増え、芸能プロが従来得意としてきた新人タレントの発掘なども難しくなっている。こうした逆風の中で、所属タレントの独立、創業者の死去・体調不良といった社内事情が加わり、倒産や廃業に至る芸能プロが目立った。

芸能プロは、ファンクラブの運営や出演番組の交渉など多忙なタレントの活動をサポート=マネジメントする役割に加え、トラブル対応などの役目もあり、その存在意義は大きい。事務所に所属するメリットをタレントにどうアピールできるか、芸能プロ各社の手腕が問われている。

今、あなたにオススメ