5月19日(日)午前10:00~10:54 放送
株式会社BS-TBSのプレスリリース
BS-TBSで毎月1回、第3日曜日の午前10:00~10:54に放送しているSDGsのレギュラー番組「Style2030 賢者が映す未来」。5月19日(日)の放送は、ゲストに登山家の野口健さん(50)を迎えてお送りする。放送後にはYouTubeにて前後編に分けて配信も。(前編は放送の翌週日曜日、後編は放送3週間後の日曜日)
「Style2030」は、ホストの龍崎孝(ジャーナリスト)が、様々な分野の第一人者の方をゲストに迎え、SDGsの達成期限である「2030年」に向け、私たちはどう思考をリセットし、どう暮らしを変えていけば良いのかを語るトーク番組。ゲストにはSDGs17の目標から2つをトークテーマとして選んでもらっているが
今回、野口さんは「パートナーシップで目標を達成しよう」と「質の高い教育をみんなに」を選んだ。
登山家の活動や社会貢献をしてきた野口健さん。その提言とは…
1999年、自身3度目のエベレスト挑戦で登頂に成功した野口健さん。
当時の世界最年少記録となる25歳で7大陸最高峰を制覇。野口さんは、登山家の活動だけに留まらず、被災地の復興支援やエベレストの清掃登山など様々な社会貢献を行ってきた。そんな野口さんの提言は「世の中のB面を見る」と「義務教育に環境教育を」。
外交官である父親から受けた影響
父親が中東専門の外交官でODA(開発途上国に対して政府などが行う支援)だったという野口さん。幼少期から中東を転々とし、その国の様子を見てきたという。父親は世の中をレコードに例え、観光地など誰しもが見るものはA面、スラム街などはB面だといい「世の中のテーマは得てしてB面にある」と語った。父親と様々な国を巡り、「この国には何が必要か」を考える旅をしたことが、野口さんの提言「世の中のB面を見る」ことを意識し始めたきっかけになったという。
冬のヒマラヤに逃亡することで気づいたこととは…
日本の富士山についても言及し、新幹線など遠くから見る富士山はA面、実際夏に登ってみた富士山はゴミがたくさんあり、B面だと感じたという。その現状を改善しようと富士山の清掃活動をしようとした野口さんだが、地元の人から批判された。批判の多さに疲れ、逃げたのは冬のヒマラヤ。日本にいるだけでは視野が狭くなり、その中で考えようとするが、その場所から離れることで考え方に変化が生まれた。それまでは「自分の考え方=社会の考え方」と思い込んでいたが、立場が異なればとらえ方も人それぞれ、「自分の考え方は世の中の考え方のひとつ」だと気づいた。日本に戻ってきた後、山小屋の方々とコミュニケーションをしっかり取り問題解決に向けて動いたという。
環境問題に興味を持ったきっかけ、野口さんが考える環境教育とは
もともと環境問題に興味が無かったという野口さん。山に登るようになり、山から色々なことを学び自分の人生の道も見えるようになったという。このような体験から、自然と接したことが無いと、地球環境に対して関心が持て無いのではないかと述べた。
環境教育として、学校で講義するのもいいが、やはり「体験」することが大切だという。野口さんが携わっていた自然体験ができる「野口健 環境学校」に参加する子供たちの親は環境問題に興味を持つ裕福層が多かった。経済格差が学歴格差を生むように、体験格差も生まれるという。義務教育に体験型環境教育を取り入れることで、格差を縮めることができるのではないかと語った。
野口健さん略歴
1973年8月21日、アメリカ・ボストン生まれ。高校時代に植村直己氏の著書『青春を山に賭けて』に感銘を受け、登山を始める。1999年、エベレストの登頂に成功し、7大陸最高峰世界最年少登頂記録を25歳で樹立。 2000年からはエベレストや富士山での清掃登山を開始。以後、全国の小中学生を主な対象とした「野口健 環境学校」を開校するなど積極的に環境問題への取り組みを行っている。また2007年12月には大分県にて開催された「第1回アジア・太平洋水サミット」の運営委員として、「温暖化による氷河の融解」を取り上げる先導役を務め、各国元首級への参加を呼びかけた。現在は、清掃活動に加え地球温暖化による氷河の融解防止にむけた対策に力を入れており、北海道洞爺湖サミットでは政府に対し現場の状況を訴える等、精力的に活動を行っている。2015年4月、ヒマラヤ遠征中にネパール大震災に遭遇。すぐに「ヒマラヤ大震災基金」を立ち上げ、ネパールの村々の支援活動を行っている。
番組情報
番組名:「Style2030 賢者が映す未来」
放送日時:毎月第3日曜 午前10:00~10:54 ※野口健さん出演回は5月19日(日)放送
出演:龍崎 孝(ジャーナリスト/流通経済大学教授) 皆川玲奈(TBSアナウンサー)
ゲスト:野口健(登山家)
内容:1999年に3度目の挑戦でエベレストの登頂に成功し、その後10年の歳月をかけて
7大陸最高峰世界最年少登頂記録を25歳で樹立した登山家の野口健さん。
一方、エベレストや富士山での清掃活動にも取り組み、次世代の環境問題を担っていく人材育成のため「野口健 環境学校」を開校。環境の大切さを訴え実践していくメッセンジャーを日本全国に育てている。最近では、自身が代表を務めるNPO法人の活動として能登半島地震の被災地にボランティアが宿泊するテント村を設営するなど、被災地支援でも積極的に活動している。環境問題や生物多様性の保全など幅広く精力的に活動を続ける野口さんが語るSDGsな未来とは・・・
制作:TBSスパークル
製作:BS-TBS
番組ホームページ https://bs.tbs.co.jp/culture/Style2030/
番組公式X @2030_style( https://twitter.com/2030_style )