「観光・スポーツ産業のD2Cマーケティングに関する調査レポート」を公開

~1割程度存在する“ロイヤル顧客層”がD2Cマーケティングの有望ターゲット~

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社のプレスリリース

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本良江、以下NTTコム オンライン)は、株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山口 重樹、NTTデータ経営研究所)と共同で、NTTコム リサーチ登録モニターおよび協力企業を対象に「観光・スポーツ産業のD2Cマーケティングに関する調査」(以下、本調査)を実施しました。

本調査では、デジタル技術の革新に伴い、コンテンツホルダー(観光や旅行先の地域、スポーツチーム、アーティスト等)が消費者へ直接情報発信を行って誘客を行うトレンドが進む中、全国の消費者を対象にコンテンツホルダーと直接接点を持つことに関する意識について調査を行った結果、以下のことが明らかとなりました。

【主なポイント】

  1. 観光分野で3割以上、スポーツ・エンターテインメント分野では4割以上がコンテンツホルダーから直接の情報収集・購買活動を行っており、両分野合わせて半数近くがDMを許容しています。D2Cマーケティングの対象となる「潜在層」が一定数存在することが明らかとなりました。

  2. お気に入りの観光地・旅行先やチーム・アーティストがあり、かつ高頻度・高消費のいわゆる「ロイヤル顧客層」は、観光、スポーツ・エンタメ分野それぞれで約1割程度存在し、D2Cマーケティングのターゲットとして非常に有望であることが推察されます。

  3. ロイヤル顧客層の割合は20代~30代が高く、それらの世代が今後コンテンツ消費の中心となることを鑑みると、オンラインを活用したD2Cマーケティングの可能性が高まることが期待されます。

【調査概要】

調査期間

2023年8月18日 ~ 2023年8月22日

調査方法

非公開型インターネットアンケート(NTTコム リサーチ クローズド調査)

調査対象

日本国内に居住する18~79歳の男女

調査機関

株式会社NTTデータ経営研究所

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社

有効回答者数

1,068人

【背景】

デジタル技術の革新と実装が進む中、コンテンツホルダーが流通経路を介さず、ECサイトや実店舗、SNSなどにより直接ユーザーとつながり、誘客やエンゲージメントを試みるD2C(Direct to Consumer)マーケティングの重要性が高まっています。

一方で、観光産業やスポーツ・エンターテインメント産業においては、従来のAIDMAアプローチ[1]のマーケティングが中心となっており、SIPSのアプローチ[2]へ対応ができていないことから、D2Cマーケティングが機能せず、機会損失をしている状況と推察されます。(図1)

当社では、このような背景を踏まえ、国内に居住する18歳から79歳の男女を対象に、日頃のレジャー全般における状況や観光・旅行およびスポーツ・ライブ観戦における状況(頻度・消費金額・情報収集など)について調査を行いました。

[1] AIDMAアプローチ:消費者の購買決定プロセスを表すマーケティングモデル

[2] SIPSアプローチ:ソーシャルメディアの浸透に伴う消費者の行動プロセスを表すマーケティングモデル

図1.AIDMAアプローチからSIPSアプローチへの変化

【調査結果ハイライト】 

1.観光分野で3割以上、スポーツ・エンターテインメント分野では4割以上がコンテンツホルダーから直接の情報収集・購買活動を行っており、両分野合わせて半数近くがDMを許容しています。D2Cマーケティングの対象となる「潜在層」が一定数存在することが明らかとなりました。

観光、スポーツ・エンターテインメント(エンタメ)分野それぞれにおいて、情報収集(検討方法)やチケットの購入方法について調査を行ったところ、観光や旅行をする人のうち3人に1人となる34.2%が「お気に入りの観光地や宿泊施設があり、施設の空き状況等を直接確認する」と回答しました。また、スポーツ観戦やライブ観戦をする人では、44.6%がチームやアーティストのホームページから直接チケットを購入すると回答し、D2Cのニーズが一定数あることが明らかとなりました。(図2)

図2.旅行先の検討方法/スポーツ・ライブのチケット購入方法

さらに、それぞれのコンテンツホルダーからダイレクトメッセージ(DM)などの情報が直接欲しいと回答した人は、観光分野では半数以上となる53.6%、スポーツ・エンタメ分野では39.1%いることから、D2Cマーケティングのターゲットになり得る「潜在層」が一定数いることが明らかとなりました。(図3)

図3.お気に入りの観光地/チーム・アーティストから直接情報が届く際の希望頻度

2.お気に入りの観光地・旅行先やチーム・アーティストがあり、かつ高頻度・高消費のいわゆる「ロイヤル顧客層」は、観光、スポーツ・エンタメ分野それぞれで約1割程度存在し、D2Cマーケティングのターゲットとして非常に有望であることが推察されます。

お気に入りの観光地・旅行先の有無や観光・旅行の頻度および消費金額に関する調査結果をクロス分析したところ、観光・旅行をする人の10.4%がロイヤル顧客層[3]から、D2Cマーケティングのターゲットとして有望な層であることが推察されます。(図4)

[3] ロイヤル顧客層:企業・団体等に愛着を持ち、商品・サービスを長期的に利用してくれる顧客で、高い頻度で商品・サービスを利用し、高い消費金額が期待できる顧客層のこと

図4.観光客/スポーツ観戦・ライブ客のロイヤリティ

3.ロイヤル顧客層の割合は20代~30代が高く、それらの世代が今後コンテンツ消費の中心となることを鑑みると、オンラインを活用したD2Cマーケティングの可能性が高まることが期待されます。

ロイヤル顧客層を年代別で分析したところ、観光客のうちロイヤル顧客層の割合は20代が26.8%、30代が14.2%、スポーツ観戦・ライブ客のうちロイヤル顧客層の割合は20代が40.0%、30代が13.2%と、若い年代ほど割合が高い結果となりました。(図5)

図5.年代別の観光客/スポーツ観戦・ライブ客のロイヤリティ

また、20代~30代のロイヤル顧客層は他年代と比較して、デジタル媒体の接触時間が長くSNSの利用状況が活発であることも明らかとなりました(図6)。加えて、20代~30代のロイヤル顧客層では、情報源はWeb検索に加えてSNSなどの利用が多く、とくに、XやInstagram、Facebookの利用率が高いことが特徴でした。

デジタル媒体による情報収集や購買行動を好む20代~30代のロイヤル顧客層が、今後のコンテンツ消費における中心となることを鑑みると、SNSをはじめとするオンライン媒体を活用したD2Cマーケティングの可能性が一層高まることが期待されます。

図6.ロイヤリティ別のデジタル接触時間

【結論】

本調査では、観光やスポーツ・エンタメ分野において、コンテンツホルダーからの情報収集や購買行動を希望する「潜在層」が一定数存在しており、特に20代~30代のロイヤル顧客層をターゲットにマーケティング施策を講じることが、D2C市場拡大につながる可能性が高いことが明らかとなりました。

近年のEC市場拡大やスマートフォン・SNSの普及により、D2C市場は拡大傾向にあると予想されます[4]。そのような中で、観光やスポーツ・エンタメ分野においては、デジタル技術を介した顧客との接点の創出が重要度を増しており、D2Cマーケティング戦略の肝となります。観光・スポーツ・エンタメ分野のD2Cマーケティング戦略の立案においては、ECサイトやホームページ・SNSでの情報発信やDMなどのオンラインマーケティングが、ロイヤル顧客層拡大の有効な施策となり、それがD2C市場の拡大に繋がると考えられます。

NTTコム オンラインとNTTデータ経営研究所では、観光業、スポーツ・エンタメ産業に関わる事業者の皆様に対してデータ駆動型ビジネスへの変革を支援するコンサルティングサービス提供を通じて、観光・エンタメ産業の拡大に寄与していきます。

[4] 出典:「売れるネット広告社」(https://www.atpress.ne.jp/news/225508

■NTTコム オンライン 会社概要
名 称: NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
所在地: 〒141-0032 東京都品川区大崎1丁目5番1号 大崎センタービル
代表者: 代表取締役社長 塚本 良江
URL : https://www.nttcoms.com/

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